レビュー一覧

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Assassin's Creed Shadows

Assassin's Creed Valhalla

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DAEMON X MACHINA : TITANIC SCION

天穂のサクナヒメ

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トモダチコレクション わくわく生活

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ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…(HD-2D)

ドラゴンクエスト モンスターズ テリーのワンダーランド

ドラゴンクエスト モンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅

Dragon's Dogma

Dragon's Dogma Ⅱ

ドンキーコング

ドンキーコング バナンザ

 

ナツノカナタ beyond

 

Harvestella

鋼の錬金術師 Mobile

バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海

Baldur’s Gate 3

百英雄伝

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ファイアーエムブレム エンゲージ

ファイアーエムブレム ヒーローズ

ファイアーエムブレム 封印の剣

ファイアーエムブレム 風花雪月

ファイアーエムブレム無双 風花雪月

ファイナルファンタジーⅥ

ファイナルファンタジーXVI

ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル

FANTASIAN Neo Dimension

プリンセスピーチ Showtime!

Fate/Samurai Remnant

Fallout 4

FREDERICA

ペルソナ5 スクランブル ザ ファントムストライカーズ

冒険家エリオットの千年物語

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ポケットモンスター スカーレット/バイオレット

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ホワイトライオン伝説 ピラミッドの彼方に

 

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妖怪ウォッチ4 ぼくらは同じ空を見上げている

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ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~

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LOST EPIC

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ロックマンエグゼ

 

ワギャンランド

わるい王様とりっぱな勇者

【レビュー】ZOIDS SAGA

ゾイドのオールスターRPG

ZOIDS SAGAはゲームボーイアドバンス(以下、GBA)で発売されたZOIDS(以下、ゾイド)シリーズのゲームタイトルだ。

筆者は子供の頃に初代のアニメZOIDSを観てめちゃめちゃハマり、その後もゾイド新世紀/ゼロも視聴しているなどゾイドというコンテンツにかなり沼っていた。
その頃に発売されていたゾイド関連のゲームもいくらか購入してプレイしている中で、ゾイドのオールスター的な本作が登場する事を知り、これは絶対に購入したいと思ったのだ。

今回はZOIDS SAGAのレビューを書いていきたい。

 

ZOIDS SAGA(ゾイドサーガ)

ZOIDS SAGA(ゾイドサーガ)

  • 発売日:2001/11/30
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

ゾイドのオールスター的な作品ながら物語自体の満足度も維持されている

へリック共和国とガイロス帝国の戦争終結から数十年後、中立を保っていた小さな島国アーカディア王国だが、突如としてファントム騎士団を名乗る謎の勢力によって占拠されてしまう。
王子アトレーと臣下3名は何とか逃げ延びるが、遺跡にあった時空転送装置を発見する。
これを用いて様々な時代の様々な土地へと赴いて戦力を整え、占拠された国を奪還するのが本作のストーリーだ。

多くのゾイドが登場する本作だが、それ以上に大きな特徴となるのはゾイドシリーズの各作品のキャラクター達と出会うことが出来るというオールスター作品であるという点に尽きるだろう。
アニメのゾイドおよびゾイド新世紀/ゼロ、ゲームで展開していた白銀の獣機神ライガーゼロといった作品群のキャラクター達が登場し、仲間になってくれるのは魅力になるだろう。

では、原作アニメ・ゲームを知らずにプレイした場合にはどうだろうか。
結論を書いてしまえば原作込みの物語として楽しむハードルは少し高くなるだろう。
何故なら本作で描かれるストーリーは原作の一部を抜粋した話をベースに構築していたり、あるいはエンディング後の時間軸であったりと、どうしても前提となる知識がないと背景設定がわかりにくい事は否めないのだ。
とはいえ、概ねの世界観がわかるようには構成されている事から、ディティールまでは理解しきれないまでも「恐らくこういう感じなのかな」という想像できる範囲内には落とし込まれているため全く楽しめないという事はないハズなので安心して大丈夫だろう。

また、アーカディア王国やファントム騎士団などのオリジナルキャラクター達も、オールスター作品故の引き立て役に留まらないようにしっかりと個性的なキャラクター性が立っている。
全体的なセリフ量としても簡素・淡白ではなく、純粋にロボットアクションものの物語を楽しむことを目的としても満足できる水準の内容が用意されているのは版権ものゲームとしては見事な着地をさせていると言えるだろう。

 

システム

ゾイドを編成し、ターン制で戦う

本作の戦闘はシンボルエンカウント方式で、ターン制コマンド選択式となっている。
ゾイドは最大で6機編成可能となっているのだが、各ゾイドは2 x 3のマスのどこかに配置する事になる。
この配置にも意味合いがあり、武装によって射程距離が設定されているのだ。
高火力だが射程が短い場合には前列に配置する方が良かったりするので、ゾイドの武装に応じた配置が好ましい。

また武装には攻撃範囲も設定されている。
ゾイドはマス目状に配置されている事から、縦3マス攻撃や横2マス攻撃などのマス目の範囲上に範囲攻撃ができるようになっているのだ。
非常に強力なため重用する事になるのだが、強力な武装である程にエネルギー消費も激しい傾向が強い。
ゾイドにはRPGに多くあるMPのような位置付けのエネルギー(EP)があり、これは道中で回復手段には非常に乏しいことから、ボス戦まではある程度の温存をしておくようなマネージメントも必要になるだろう。

このようにゲームとしてはRPGらしい「強くなる楽しさ」「工夫する楽しさ」が用意されており、ゾイドというIPを知らないような思い入れがない人であっても楽しめる土台がしっかりと構築されている。

難易度に関しては全体を通してみればそれほど難しいものではないのだが、序盤が一番難しいだろう。
最初の章のボスは飛行ゾイドとなるのだが、飛行ゾイドは回避率が高めに設定されている事から攻撃を安定して当てる手段が限られているためだ。
何度もゲームオーバーになる程の困難さではないが、序盤が一番難しいのはやや難易度曲線としては歪とは言えるだろう。

ゲーム継続的にプレイする事で気になるのは戦闘アニメーションのスキップが中途半端である事だろう。
上の画像では戦闘アニメーションをフルに流しているが、これは一応はスキップできる。
しかし、スキップされるタイミングは砲撃が発射されてから、攻撃の被弾アニメーションになってからと、おおよそ全体の2/3程度のアニメーションが流れてからスキップできるためやや長いのだ。
クリア時間まではそう長いものではないので煩わしさが極まる程ではないが、ユーザーが戦闘アニメーションをスキップしたい時はどういう時なのかはもう少し考慮しても良かったかも知れない。

装備する武装が見た目にも反映される

本作では多くのゾイドが登場する。
アニメで活躍したゾイド達はもちろんだが、そうではないゾイド達も多数収録されているのでゾイドシリーズのファンにとっては嬉しいだろう。
また、アニメしか観てなかった人にとっては知らないゾイドを知る機会にもなり得るハズだ。ただし、旧ゾイドとも言われるアニメ放映前の時代にプラモデルが発売されていたゾイドからの参戦数は少ないため、かなりの古参ファンからすると少し寂しい部分もあるかも知れない。
様々なゾイドを開発して活躍させられるのはRPGとしての楽しさであることはもちろんだが、ロボット系作品が好きな人にとっても刺さる部分になるハズだ。

このゾイドを製造して使うにはZiデータとゾイドコアが必要となる。
これらを手に入れるには基本的にはフィールド上にポップしている該当ゾイドを倒した際のドロップが頼りになる。
しかし、ここで少し問題となるのはこれらを確実に入手できる手段がないことだ。
狙ったゾイドが欲しい場合には試行回数を増やすしかないためやや大変だ。
この辺りは容量的制約の多かった携帯ゲームでボリュームを嵩増しのためのデザインである可能性もあるだろう。
また、一部のゾイドのZiデータは物語が進行してしまうと入手機会が喪失してしまうなどの取り返しがつかない要素があることもこの手のゲームとしては気になってしまうところだ。

本作の特徴は数多くのゾイドが収録されているという事なのだが、それを更に楽しくさせてくれる要素として「武装の装着」が行えるという点だ。
少し前述しているが強力な武装ではエネルギー消費が激しいため経戦能力に欠けるところがあるので、ザコ敵用とボス敵用などの用途に応じた武装構成にするなどの工夫も楽しめる。
更に武装の大半に固有の見た目が用意されている点も非常に嬉しい点になるだろう。
ただし、設定ミスなのか極一部ではあるが敵しか使えない武装があるのは少しだけ気になるところだ。

こういった要素によってゾイドや武装のカスタマイズは楽しめるものの、自分の好きなものを使い倒すことは困難が伴うのは注意が必要だ。
スペック自体が強力な機体を使用する事が要求されるが、序盤に登場するような弱いゾイドを後半でも強く使う手段がないのだ。
自分の好きな機体が強ければ気にならないだろうが、その逆であれば版権ものゲームとしては足を引っ張る部分にもなりやすいだろう。

それ以外の部分でもRPGとしての楽しさがある

RPG的な楽しさがあるのはカスタマイズできるゾイドだけではない。
レベルアップ時に主人公のステータスを割り振る事ができる。
基本的には攻撃力と命中値を中心に上げていけばストーリーで困る事は少ないが、プレイヤーの好みが反映されるのはRPGとしての楽しさに繋がっている。

主人公以外の仲間キャラクター達のステータスに関しては2種類あり、臣下であるアーカディア三銃士達は主人公のレベルアップに伴って一定の法則性を持って自動でステータスが上昇する。
対して、バンやレイヴンといった別作品から参戦したキャラクターのレベルが上がらず固定のステータスになっている。
後者はストーリー上で登場するタイミングでは高いステータスではあるものの、主人公のレベルが上がっていくと見劣りしてしまうのはゾイドシリーズが好きなユーザーにとってはなかなかモヤモヤする仕様だ。

 

グラフィック

ゾイドも迫力があり、装備にも固有のデザインが作られている

キャラクターのグラフィック自体もそうだが、何よりもゾイドの造詣が丁寧に表現されているのは嬉しいポイントになるだろう。
また、装備する武装毎に固有の見た目が設定されており、カッコよくカスタムできる点もこういったゲームとしては非常にユーザー層とマッチしていると言えるだろう。
戦闘アニメーションはエフェクトのみとなるのは寂しく感じるところだが、当時のGBAのゲームの水準としては決してマイナスが付くほどではない。

 

サウンド

BGMは全体的にロボット作品らしい猛々しくカッコいいものが揃っている。
曲数自体もそう多くない事から単純接触効果により印象にも残るハズである。
特にタイトル画面のメインテーマは非常にカッコよく、ストーリーの盛り上がる場面でも使用してくれるので本作を代表するBGMと言えるだろう。

 

総評

ZOIDS SAGAはゾイドシリーズのRPGとしてプレイするべき作品の筆頭候補となり得る作品の1つだ。

収録ゾイドはメジャーなものから、マイナーなものまで概ね満足のいくランナップが取り揃えられている。
そして、ゾイドだけでなく武装の見た目がゲーム内でもビジュアルとして反映されるのもこういったゲームとしては非常に嬉しい要素となる。

ストーリーでもしっかりとキャラクターの魅力が感じられる作りとなっており、RPGとしてもバランスはそう崩れておらず遊びやすいため、オススメしやすい高い品質に仕上がったゾイドRPGだ。

【レビュー】Star Fox

新生スターフォックス再始動

Star Foxは1997年にニンテンドー64向けに発売されたスターフォックス64をフルリメイクした3Dシューター作品だ。
このスターフォックス64は3Dシューターの金字塔的な作品でもあり、以前にもリマスターに近い形で3DS向けに移植がされているほか、WiiU向けには大まかには踏襲しつつも内容に変化を加えたスターフォックス ゼロも発売されているなど、シリーズでみても非常に大きな影響力のあるタイトルである。
そんな作品が今回、今までとも異なる完全なフルリメイクという形で復活したのだ。

かくいう筆者もスターフォックス64にはかなりの思い出があり、プレイしていた当時には全てのステージの全てのパターンの全てのセリフを頭から丸暗記していたレベルでプレイしていた。
しかし、近年はスターフォックスシリーズは音沙汰がない状態が続いており、久しぶりの新作が名作のリメイクという事でどのようになるのかに注目していた。

 

Star Fox (スターフォックス) -Switch2

Star Fox (スターフォックス) -Switch2

  • 発売日:2026/6/25
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

海外の3Dアニメ映画のよう

ライラット系第4惑星コーネリアは悪の科学者Dr.アンドルフの作り出した兵器を危険視、アンドルフを惑星ベノムへと追放した。
数年後、ベノムから発せられた謎の信号を解析するために調査任務を請け負った遊撃隊スターフォックスのジェームズ・マクラウド達は、メンバーのピグマの離反により窮地に立たされジェームズを失ってしまう。
その後、スターフォックスはジェームズの息子フォックス・マクラウドによって再編され新生スターフォックスとして活動を始めるが、そんな中でライラット系がアンドルフ軍による侵略によって次々と星系が陥落している戦況になっていた。
コーネリアの将軍ペパーはスターフォックスにアンドルフ軍に抗するために再度スターフォックスに任務を依頼、本格的な反攻作戦が開始される。

本作のストーリーはニンテンドー64のオリジナル版の流れをそのまま汲みながらも、ストーリーとしてのディティールを大きく加筆しているのが特徴的だ。
例えば、ゲームの初回起動でそのままストーリーとチュートリアルから始まり、基本操作の学習が任意だったオリジナル版から比べると導入がしっかりとストーリーと紐づいた形で用意されている。
全体として特に大きく変化しているのはブリーフィングシーンで、オリジナル版においてはペパー将軍とフォックスによる一言二言の会話だけだったものが「どうしてその領域に攻めに行く理由」という物語としての説得力を明確にユーザーに伝えるように変化している。
そのうえ、ステージのギミック的な説明もしっかりとブリーフィングの段階で行われるようになっており、原作では会話が簡素過ぎて伝わりにくかった部分もわかりやすくなっている。

全体としては海外の3Dアニメ映画を観ているような気分させてくれるような作りに変化している。
演技方針もそのような傾向へと変化した事からオリジナル版で大きな特徴ともなっていた印象的なセリフの数々は非常にマイルドなものへと変わったため、同じ味を期待している場合にはミスマッチではあるだろう。
しかし、物語自体のディティールが向上した事からキャラクター同士の関係性の解像度が上がっているためストーリーとして楽しめるようになっている。
特に主人公フォックスは今までのシリーズと比べると性格が変化しており、今までのシリーズではどこか真面目なイメージがあったが、本作では遊撃隊という傭兵らしく報酬をしっかりと要求したり、そして若者らしいヤンチャさが垣間見える。これによってスターフォックス内でも屈指のパイロットであるファルコとの悪友感が増しており、スターフォックスチーム内での日常のコミュニケーション風景が想起しやすいキャラクター性になった印象だ。

 

システム

手触りの良さはそのまま

本作はオリジナル版と同様にレーザーによる通常攻撃と、ボムによる範囲攻撃、加速や減速、宙返りなどを駆使した3Dシューターになっている。
3Dシューターもスクロールシューターと3Dフライトシューターの2種類が用意されており、スクロールシューターでは敵配置などを覚える必要性が高く、3Dフライトシューターでは自機操作精度を高めることが要求される。それぞれで要求されるプレイヤースキルが異なることからやり込みがいのあるシューターになっている。
レベルデザインと操作感に関しては概ねオリジナル版同様でクセがほとんどなく非常に快適なプレイフィールで、操作自体に慣れてしまえばストレスに感じる部分はほとんどない。これに関してはオリジナル版の完成度の高さを改めて感じる部分でもある。

本作のシステム部分において変化したのは一部に留まるが、その中でも大きな影響力があるのは宙返りやUターンなどのテクニックがボタンアサインされた点だ。
オリジナル版ではスティックと減速など同時入力で行えたアクションだったのだが、ワンボタンで可能になったため同時入力が苦手なゲームにまだ慣れていないユーザーであっても再現させやすくなっている。
また、少し細かい部分では追尾性能のあるチャージショット攻撃の性能がオリジナル版よりも高性能化しているようだ。当時のハード的制約との兼ね合いだと思われるがオリジナル版ではチャージショットが画面外に行ってしまうと消失してしまっていたが、本作ではモダンなゲームらしく画面外でもしっかりと追尾して攻撃を行ってくれるようになった。また、チャージ速度や射程が少し向上しているようで、敵機を撃墜しやすくなっておりオリジナル版と比べてもステージで一定スコアを獲得する事で得られる勲章が獲得しやすくなっている。

また、「やりなおし」のハードルが下がった点はスコアアタックにおいてフレンドリーになった。
オリジナル版では自機の強化状態を全て解除した状態でステージの最初からプレイする機能であったことからハイスコアを狙う場合に使う意義がかなり薄く、その結果として最初から最後まで全てのステージでノーミスかつ最適化した立ち回りでプレイする必要があった。
しかし、本作では残機消費なしにステージに入った段階の強化状態でステージ最初からやり直せるようになったためハイスコアが狙いやすく、ステージの練習自体が行いやすくなったのだ。
また、別モードではあるがチャレンジモードとして任意のステージを再プレイできるようにもなり、ストーリー後半ステージであっても気軽に練習できる環境が整ったのはありがたい点だろう。

 

バトルモード

ドッグファイトが楽しめる対戦モード

スターフォックスチームかスターウルフチームになって対戦するモードで、指定された領域を奪い合うドミネーションルールなど、いくらかの試合形式が存在する。
操作感が非常に良い3Dシューターで、他ユーザーとのドッグファイトが楽しめるのは嬉しい要素だ。
スターフォックスチームで出撃した際にはアーウィンを操作する事になるが、スターウルフチームで出撃した際にはウルフェンⅡに乗ることもできるのは地味ながら嬉しいポイントだ。

ただし、オリジナル版にあったようなランドマスターやパイロットでの対戦は行えないのはバランスの面では致し方ないが寂しい気持ちもある。

 

グラフィック

美しい惑星や宇宙空間にフルリメイク

オリジナル版にかなり準拠しつつも非常に美しいディティールに仕上がっている。
現代的なゲームと比べると作り込むべき範囲が限られていたからなのか各ステージは磨き込まれた美しさは目を見張るものがある。

キャラクターデザインに関しては今まで様々な媒体で登場したスターフォックス作品と比べても頭身が上がっており、既存のイメージと大きく変化しているため驚くかもしれないがこれはこれで悪くないように感じられるデザインだ。

 

サウンド

名曲揃いだったオリジナルのBGMがアレンジされて使用されているのが特徴であり、原曲のイメージをかなり踏まえていることからオリジナル版のファンも「うおお!あのBGMのアレンジだ!」と感動できるだろう。

 

総評

Star Foxは3Dシューターの金字塔を改めて現代に、現代の技術で忠実に復古させた作品である。

ストーリーに関してはオリジナル版のような迷セリフの数々は鳴りを潜めてしまったが、それはそれとしても3Dアニメ映画のような空気感になっており新しい味として楽しめる。
また、自機を自在に操縦できる操作感はストレスフリーを超えて爽快ですらあり、BGMも印象的でカッコいいものが揃っているのも最高だ。

ただし、本作の素晴らしい要素の大半はオリジナル版自体が素晴らしいが故のものであり、オリジナル版の凄さを改めて感じるに過ぎないともいえる。

 

外部記事

Star Fox Direct 2026.5.7 - YouTube

【レビュー】冒険家エリオットの千年物語

ストーリーと遊びの分裂

冒険家エリオットの千年物語はスクウェア・エニックスのHD-2D作品として初となるARPGだ。
初報のPVが公開された際にも「2Dゼルダライクなのか」「聖剣伝説ライクなのか」という話題もそこそこあったように記憶している。余り詳しくない人からすれば何が違うのかという話かもしれないが、簡単に書いてしまえばRPG要素が強いのか否かというところだ。特に同社は聖剣伝説シリーズを有しているため、聖剣伝説シリーズのノウハウが活かされるのかとも期待されたのではないかと思う。しかし、実際には2Dゼルダライク方面のゲームになっており、同社としては比較的野心的な作品であると言えるだろう。

筆者はというと作品自体には可能性を感じるものの、タイトルのキャッチーさが弱く覚えにくい印象があることが足を引っ張らないかが気がかりであった。
普通に「エリオットの冒険」というタイトル名が覚えやすくて良かったのではないかと思うのだ。後はテーマに即した副題がある程度にすればIPとしてシリーズになった際にも困らなかったように感じてしまう。

 

冒険家エリオットの千年物語 -Switch2

冒険家エリオットの千年物語 -Switch2

  • 発売日:2026/6/18
  • メディア:Video Game
冒険家エリオットの千年物語 -PS5

冒険家エリオットの千年物語 -PS5

  • 発売日:2026/6/18
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

時代を超える冒険

ある時、蛮族といわれる魔物がはびこるヒューザー王国を魔力によって守るヒューリア姫の負担を軽減するために危険な遺跡の調査をすることになった。
その調査を行うにあたり野外での調査経験をかわれ主人公・冒険家エリオットが招かれる。調査の中で時を超える「時の扉」の存在が明るみとなり、それを用いて新たな歴史を作ろうと大臣カイフリードが独断で過去の世界へと渡ってしまう。カイフリードを止めるべくエリオットもまた時の扉をくぐり、その中で妖精フェイと出会い、時代を巡る冒険がはじまるのが導入となっている。

本作では王国周辺の様々な過去の時代へと遡り、過去の文明の栄枯盛衰の歴史に触れていく。その中で王国の歴史を知っていく事になる。
物語としては(曖昧な言い方ではあるが)王道なものとっており、多くのプレイヤーにとって起承転結のしっかりとある満足感のあるストーリー内容になっているだろう。
時代を巡って、それぞれの時代の人々の問題を解決し、そして手を取り合って悪に立ち向かうような非常にわかりやすいものになっているのだ。

ロアもいくらかある

また、街などでは歴史書などのテキストを入手することができる。
読まないと話を理解できないようなものにはなっていないので安心して大丈夫だが、読んでおくと解像度が少し高まった状態でストーリーを読み進められるくらいには直接的に関係するような内容が記載されていることが多い。

NPCとの会話の中にも歴史の繋がりを感じる

NPCとの会話の中には時代の繋がりを感じさせるものも少なくない。
そのため会話を聴いているだけでも「ん?このキャラクターってあのキャラクターの先祖/末裔なのか?」と汲み取ることができるハズだ。
ある程度は会話を聴いて回った方が物語に入り込みやすいが、NPCとの会話は既読になれば吹き出しにチェックマークがつくのでわかりやすい。
ただし、ミニマップ上からは既読なのかが確認できず痒い所に手が届いていないのは少々勿体ない部分だろう。

また、サブクエストもいくらか用意されている。
サブクエストをクリアする事で爆弾の所持数を拡張できるなどの機能的恩恵があるため、サブクエストは積極的にクリアする事が望ましい。
特にサブクエストは時限性であるため、ストーリーが進行すると回収できなくなってしまうので注意が必要だ。メニュー画面のクエスト一覧から未受注も含めて確認できるため定期的に確認しておくと良いだろう。
このサブクエストではストーリー上で登場したサブキャラクター達の掘り下げ的な側面も持ち合わせているためストーリーをより深く楽しみたい場合にはクリアを目指すと良いだろう。

 

システム

2Dゼルダライクなゲーム体験

本作はトップビューのいわゆる2Dゼルダライクな作品であり、同社の聖剣伝説シリーズと比較するとレベリングや装備品の高頻度なアップグレードといったRPG要素は少ない作品である。
ゲームとしては剣や爆弾などを駆使してフィールド上に徘徊しているモンスターを倒しつつ、ちょっとした謎解きのあるダンジョンを攻略するような形になっているまさに2Dゼルダライクといった様相である。

一風変わった要素としては妖精フェイをRスティックを用いて操作できるという点だ。
一般にはRスティックはカメラ操作となる事が多いが、トップビューの本作ではそういった要素がなく、代わりにフェイを操作できるという機能がアサインされている。
フェイを移動させればドロップしたアイテムを回収できるほか、敵に体当たりのような形で接触すれば僅かに攻撃もできる。特に重要となるのはフェイは冒険の中で魔法を使えるようになり一部にはギミック攻略的な機能もある点になるだろう。左スティックでエリオットを、右スティックでフェイを操作するというのは比較的珍しい仕組みになっている。
ただし、2つのキャラクターを同時操作できないと攻略がかなり厳しいといった場面はほとんどないので、良い言い方をすれば忙しくなく取っ付きやすいが、悪い言い方をすれば個性を活かしきれていない感はある。

ダンジョン攻略をして物語を進行していく

各地にはダンジョンが用意されている。
ダンジョン内では敵を倒したり、謎解きをしたりするため、やはり2Dゼルダライクの印象が強い。
同じダンジョンでも時代が違うと地形が変化するのだが、時代を超えたギミックがある訳ではない。逆に各種ダンジョンは特定の時代でないと攻略が行えないようにレベルデザインされているのが特徴となっており、その特定の時代でない場合には宝箱が1つ配置されている程度となっている。
また、攻略可能な時代のダンジョンであったとしても、ユニークアイテムなどの有用性の高いものが入手できるという事ではない。そのため、いずれにしてもダンジョン攻略自体のモチベーションを高めてくれるような要素は少ないと言わざるを得ない。

キャラクターの強化要素もある

数少ないRPG要素として武器スロットに装着して性能を上げるような「魔石」が存在する。
魔石には各種武器の使用感を大きく変更するようなものもいくらかあるので、それらを組み合わせて強力な攻撃手段にすることができる。

この魔石は敵を倒してドロップする素材を消費する事で魔石を作成することが可能なので道中の敵を倒していけばゲットできるだろう。
しかしこの魔石、プレイヤーの好みを反映できるような仕組みである事は楽しめるものになっているものの、その入手手段のハードルの低さがダンジョンの宝箱の価値も下げてしまっているのはモチベーションの妨げになってしまっている。
どういう事かというとダンジョンなどの宝箱に入っている魔石であっても、敵を倒した際に入手できる素材を用いることでゲットできてしまうのだ。そのため、わざわざダンジョン攻略をするような報酬的な意味合いが薄いのである。
「ダンジョンは特定の時代でしか攻略できず、その他の時代では宝箱が1つある程度」と前述しているが、もしもその宝箱にある魔石は生産できないようなものになっていれば積極的に色々な時代のダンジョンを攻略するモチベーションになり得ただろうが、そうではない以上は各時代でのダンジョン攻略のモチベーションはほとんど希薄なものとなり下がる。

物語都合だけで作られており、遊びとしてどうあるべきかが精査されていない

基本的なゲームプレイは2Dゼルダライクをイメージすれば概ね間違っていないが、本作では遊びの面では大きな個性は残せていないのが実態だ。
その理由は本作の物語で用いられる設定がゲームプレイ部分では全く活用されないためである。各種設定が物語のためだけに存在しており、ゲームにした場合にはどうあるべきなのかが落とし込まれていないままになっているのだ。

本作では「時間を超えた冒険」がテーマとなっており、確かにメインやサブの物語としては過去を行き来する事で情報を入手して進行するなど設定に即しているし、過去を変えることでNPCのセリフが変化することもある。
しかし、過去の時代にいける事が遊びには全く繋がっていないのである。
例えば、現在は橋が崩れて先に進めないが、時代を過去にすることで渡れるようになる…といったような誰しもが思いつくような非常に簡単なギミックすらもないのだ。
では、どのように描かれているのかというと「時代を超えてもほとんど何も変化がない」のだ。
時代を経ても大きく変化しているのは街並みだけでそれ以外は木々や草木の色合いが変わっただけのフィールドであり地形的な変化は全くないレベルといっても差し支えない。そればかりか出現する敵すら同じであり、違いがあったとしてもコチラもせいぜい色が違うくらいである。
各地にあるダンジョンはどうなのかというと、前述の通り各時代でもアクセスはできるものの特定の時代でないと宝箱が1つ置いてある程度であり「攻略する」という単語を用いることもはばかられるような遊びしかない。そのため複数の時代にまたがってダンジョンが存在している意味が全くないのである。
これだけ変化に乏しいと「本当に数千~数百年単位の時代をジャンプしているのか?」と疑問に思ってしまうレベルである。

ゲーム全体を通して物語としての都合だけでゲームが作られているように感じられ、「ストーリーはこういう流れだが、遊び的にはこういう事ができるべき」といった物語と遊びがお互いに協議した内容であるように感じられない。
その結果、2DゼルダライクのARPGである必要性も薄くなっており、ストーリーを読ませることに比重のある今までのようなJRPGでも良かったし、ともすればもっとストーリーに特化したADVのような形式であっても成立してしまうような内容に思えてならないのだ。
決して全体として悪い作品だという事はないが、もっとできること、やるべきことがあったように思えてならない。

 

ミニゲーム

能力を活用したミニゲーム

妖精フェイを操作してスコアを稼ぐようなミニゲームがいくらか収録されている。
一応、フェイが行使する魔法の練習的な側面もあるにはあるのだが、そもそもそこまで複雑な操作を要求する魔法はないので息抜き程度にプレイしてみても良いだろう。
なお、これをプレイする事でゲーム内のBGMを聴くことができるようになる。

 

グラフィック

美しくはあるがHD-2D感は薄い

本作はHD-2Dを冠してはいるものの、3Dモデルのフィールドに2Dドットのキャラクターという古来から広く使われる形式でありHD-2D感としては弱いと言わざるを得ないが、それはそれとしても綺麗なロケーションではある。
「システム」の項でも記載したが本作では時代を移動できるが、時代が変わっても街並み以外は基本的な景色はほとんど変化しない。そればかりか出現するモンスターも変化に乏しい。
そのため、実態がどうあれプレイヤー目線としては使いまわし感が非常に強く、プレイしていて余り良い気分はしないだろう。

 

サウンド

本作ではいくらか良いBGMもあり、ミニゲームをクリアする事で楽曲を聴くことができるようになるが、それよりも特筆すべきは冒険のバディとなるサポートキャラクターのフェイだ。
フェイは道中で色々と喋ってくれるのだが、非常に多彩なシチュエーション会話が用意されている。メインやサブの物語進行に応じたセリフはもちろん、特定のアイテムを入手した際には専用ボイスが流れるなど、とにかく様々な状況に応じたセリフが用意されているのだ。

 

総評

冒険家エリオットの千年物語は「時代を超えた冒険」というロマンある設定はあるものの、ストーリー上でしかその設定が活かされておらず遊びが蔑ろにされている印象が強くなってしまっている作品だ。

決して悪い作品ではなく物語としての満足感は一定あるのも事実だが、本作がゲームである意義、ARPGである意味とは強く結びついていない。この舞台設定であればこのゲームである必要がなく、このゲームであればこの舞台設定である必要もないのだ。
最低限でも時代を超える(時間操作)という設定を遊びのギミックとして用意するべきであり、どうして2Dゼルダライクというジャンルを採用したのか、ストーリーと遊びが混然一体となるように今一度深堀して練り直した方がよさそうだ。

 

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【レビュー】スターフォックス64

決して諦めるな。自分の感覚を信じろ!

スターフォックス64はニンテンドー64にて発売された3Dシューティングの金字塔的な作品だ。
スターフォックスはスーパーファミコン用ソフトとして1993年に専用チップを搭載したROMカセットによって簡素ながらも3Dポリゴンを用いた挑戦的な3Dシューティングとして登場した。続編であるスターフォックス2はほとんど完成間近だったものの、発売時期的な関係から発売中止となってしまった(後年となる2017年にニンテンドークラシックミニ スーパーファミコンに収録、2019年にはNintendo Switch Onlineのサービスで配信)。
本作はそんなスターフォックス2で予定されていたシステムやキャラクターを一部採用しつつ、ノウハウを活用してより本格的な3Dシューティングに落とし込んでいる。

なお、本作は3Dモデルなどをアップグレードし、声優などを一新した移植版であるスターフォックス64 3Dがニンテンドー3DSにて発売されているが、今回はオリジナル版であるニンテンドー64版のスターフォックス64のNintendo Switch OnlineのNintendo Classics Nintendo 64で配信されているバージョンをプレイしている。

 

スターフォックス64

スターフォックス64

  • 発売日:1997/4/27
  • メディア:Video Game
STARFOX64 3D(スターフォックス64 3D)

STARFOX64 3D(スターフォックス64 3D)

  • 発売日:2011/7/14
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

物語自体は非常に簡潔だが、個性あふれるセリフが記憶に残る

悪の科学者アンドルフはかつてライラット系第4惑星コーネリアに対して化学兵器による侵略を企て、その危険さから辺境の惑星ベノムへと追放される。
5年後、不穏な情報が惑星ベノムより発信されている事が明るみとなり、ジェームズ・マクラウド率いる遊撃隊スターフォックスチームに調査が依頼されるのだが、チームメンバーのピグマがアンドルフ勢力に内通・寝返った事で作戦は失敗。
同じくチームメンバーであったペッピーはかろうじて戦線離脱できたものの、ジェームズはMIA(消息不明)の状態になってしまう。
以降、アンドルフ軍は惑星コーネリアに向けて侵攻を開始し、ライラット系の惑星達は次々と占領されコーネリア軍は劣勢に追い込まれてしまっていた。
コーネリア軍は一縷の望みをかけてジェームズの息子であるフォックス・マクラウドによって再編成された新生スターフォックスチームに協力を要請。アンドルフ軍に対しての反撃作戦が開始される。
これが本作の物語としての導入の設定だ。

このようなストーリー背景はあるものの、任天堂作品らしくストーリー主導のゲームではない。
戦闘前にはブリーフィングはあるもののセリフは非常に簡潔で一言二言のやり取りである。
そのため、ストーリーの前後関係を深く知らなくても、その場の雰囲気だけでも楽しいものになるように配慮されている。
また、ゲーム中の戦場ではスクリプトされたタイミングや条件によって自動で無線会話が繰り広げられるが、その会話内容にしても状況を伝えるような簡潔なセリフに留めている。
これは状況が受動的に変化するスクロールシューターにおいては非常に親和性の高い構成だと言えるだろう。
スクロールシューターのインゲーム状態で会話の重要度が高いセリフが出てしまうようだと、プレイヤーは会話の内容を理解する事に脳のリソースを割く必要が出てしまい、ゲームプレイへの集中の妨げになってしまうのだ。

繰り返し遊ぶことで自然と覚えてしまう迷言の数々

このように書くとストーリーには期待しない方が良い作品であるように受け取られかねないが、実際には角度はやや異なるが誤解である。
本作を単なる3Dシューターの域から脱して、記憶に残るユニークな作品たらしめているのは各キャラクター達のセリフの数々なのだ。
特にクセの強い個性を持った敵キャラクターが多く、有名な「ごめんちゃい」を始めとして簡潔なセリフながらインパクトが強い。
そのうえ、ゲーム開始からクリアまで概ね1時間程度である事から、周回プレイも気軽に行いやすいため、繰り返し個性的なセリフを聴き続ける事でその印象がより強まるのである。
本作をある程度プレイし終わった頃にはゲーム内容よりもゲーム内のセリフの方が真っ先に記憶に蘇るくらいだ。

 

システム

覚えゲーのスクロールシューターとプレイスキルの3Dフライトシューター

スターフォックス64は戦闘機アーウィンを操作し、通常のレーザー攻撃とシューターに多いボムによる強力な範囲攻撃を駆使しながら、ローリングやバレルロールなどで敵機からの攻撃を回避して戦う3Dシューターだ。
操作にはなれる必要はあるだろうが、操作感自体はとても良くできており、手に吸い付くようにスムーズに操作できるため一度慣れてしまえば操作の面でストレスに感じる事は少ないハズだ。

これらの基本操作を用いた戦い方は大きく2種類に大別される。
それは「スクロールシューターモード」と「3Dフライトシューターモード」だ。
スクロールシューターモードでは敵機が出現するタイミングは固定となるため「いつ、どこで」を覚えられればスコアが伸ばせるような作りとなっている。
対して3Dフライトシューターモードでは3D空間を全方位に自由に飛び回って戦う事になるため、自機を操って敵機に追撃していくようなアドリブ性(プレイヤースキル)が要求される。
このようにステージ構成を覚える事と、プレイヤースキルを磨くことの両方が遊びになっているのである。

この2つはステージによって「スクロールシューターしかない」「3Dフライトシューターしかない」「道中はスクロールシューターだが、ボス戦になると3Dシューターに移行」といったバリエーションが設けられている。

高難度のエクストラモード

本作では一定の撃墜数を超える事で貰える勲章を全ステージで達成すると難易度の上がったエクストラモードで遊ぶことができるようになる。
エクストラモードでは敵機の量が増えるほか、敵の攻撃の激しく、また弾速も速くなるため被弾しやすいなどいくらかのバランスが変化している。
ハイスコアを狙う場合であればこのエクストラモードをプレイする事になるだろう。

この辺りの仕様で少しだけ気になるのは通常モードでもエクストラモードでも勲章獲得までに必要な撃墜数が変わらないという点である。
通常モードはエクストラモードと比べて敵機が出る量が控え目である事から、通常モードの方が勲章を取るのが難しいケースがややあるのだ。難易度が高いハズのエクストラモードの方が勲章は獲得しやすい…というのは少しバランスがおかしいような気がしてしまう。

スコアアタック関連はなかなか難しい仕様

ステージクリア型で進行する本作だが、欲を言えば特定ステージだけを練習・遊べるようなモードがあればより嬉しいところだ。
何故なら後半ステージを練習したい場合には練習するために前提となるステージを攻略する必要があり効率はかなり悪い。

練習効率が悪いことに加えて更にスコアアタックの難易度を高めてしまっているのは「ほぼ一発クリアが必須」であるという点だ。
どういう事かというと、例えばステージ途中で「この動きだとハイスコア出ないなぁ」と感じたてステージを最初からプレイしようと思うと「ステージを最初の時点からプレイしなおせる」のではなく「自機の強化状況やボムなどの個数なども初期状態にしてステージを最初からプレイしなおす」ことになってしまうのだ。
そのため、初期状態でもハイスコア更新が狙えるようなステージでもない限り「やり直す」という意味が薄く、ハイスコアを更新しようと思えば全てのステージを一発クリアして、その一発でベストな立ち回りをしていく必要があるのである。

ただし、これはスコアアタックを目指すやり込みプレイを求めないのであれば特に気になるようなデメリット足り得ないだろう。

画面分割での対戦も可能

本作はシングルプレイだけでなく、画面分割による対戦も用意されている。
強制的に4分割の画面となるため1つ辺りの面積が小さい事から視認性は余りよろしくないが、友達とドッグファイトが楽しめる。

このモードはシングルプレイで特定の実績をあげることで、戦車ランドマスターやパイロットキャラクターの操作も可能になる。
これらに関しては対戦として考えるとバランスが良いとは言えないが、少し変わったシチュエーションでの戦闘は楽しめる。
特にパイロットキャラクターを操作できるのはこの対戦モードのみなので、アンロックはやや大変かも知れないが1つのマイルストーンとして目標にしても良いだろう。

 

グラフィック

現代水準では簡素な3Dモデルではあるが雰囲気は十分に作り上げられている

3Dの黎明期であるため簡素な3Dモデルおよびテクスチャーではあるものの、惑星や宇宙空間の雰囲気は十分に作り上げられている。
慣性や重力加速度などの物理挙動も違和感なく実現されており、細かな部分まで雰囲気が感じられる演出にできている。

 

サウンド

スターフォックス64のサウンド面で最も記憶に刻み込まれるのは魅力的なセリフの数々だろう。
ゲームプレイはステージクリア型でスコアアタックしていく周回プレイというシューター系ゲームのスタンダードなっているのだが、その周回プレイを下支えしてくれているのは間違いなくキャラクター達のセリフである。
セリフはカッコいいものもあるが、迷言と言われるような思わず言いたくなってしまうようなものが非常に多い。
また、当時のトレンドとされていた誇張が強めに入った演技の仕方がセリフの内容以上のものに引き立てている。
それらの魅力的なセリフの数々が周回プレイによる単純接触効果によって更に強くプレイヤーの記憶に刻み込まれ、本作特有の大きな魅力になっていくのだ。

BGMも戦闘機によるドッグファイトに華を添える非常にカッコいいものが揃っており、周回プレイする事が前提となっている事も記憶に残りやすい。
筆者の特に気に入ってる曲を一部記載しておきたい。

穏やかで睡眠導入にも効果がありそうなメニュー画面曲「セレクト」

決戦を思わせるような「エリア6」

シーンよってアレンジが微妙に異なるが強敵の威圧感が演出されている「ボスB」

西部劇のようなテイストも感じさせるイントロからサビまでずっとカッコいい「スターウルフのテーマ」

劇中BGMを聴くことができる

シングルモードで特定の実績をクリアすればサウンドトラックを聴けるモードがアンロックされる。
劇中曲を聴くことはできるものの、曲名まではこちらではわからないので注意が必要だ。

 

総評

スターフォックス64は3Dシューティングにおける遊びとしての楽しさと、印象的なセリフの数々が記憶に残る名作だ。

覚える事で上達するスクロールシューターと操作によって上達する3Dフライトシューターの2つの遊びによって構築されている。
遊びは何度も周回してプレイしていくシューターらしいゲームプレイを前提としており、その周回プレイを支えているのは何と言っても迷言の数々だ。
簡潔ながら何度もプレイしても聴き飽きないようなセリフ、そして何度もプレイするからこそセリフも覚えていき記憶に刻まれていくのである。

 

外部記事

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【レビュー】星のカービィ

まるくてカワイイ食いしん坊

星のカービィは1992年にゲームボーイ向けにハル研究所が開発、任天堂が販売した作品だ。
本作のディレクターは桜井政博氏で、本作が初のディレクション作品となっている事も広く知られている。
桜井氏はゲーム開発において最も影響力のある人物と言っても過言ではなく、その最初の船出が本作なのだ。
最初に手掛けた時点から「自分が好きなゲームではなく、クライアントとエンドユーザーに求められているゲームを作る」というゲーム業界全体を見据えた上でのゲームデザインを徹底しており、そういった開発哲学や体系化された理論に加えて言語化能力も高い事から業界を問わずに敬意の眼差しを向けられる事が多い人物でもある。

本作は当初「はるかぜポポポ」という名称が内部で使われており、それが「ティンクル・ポポ」という名前でゲーム雑誌などのメディアに公開され、後のカービィとなるキャラクターも「ポポポ」という名前で紹介されていた。
その名残りは現在でもデデデ大王、プププランド、ロロロ&ラララ(元ネタは1985年発売のエッガーランド)などの命名法則からも確認できるだろう。
しかし、色々あって任天堂パブリッシングとなる事をきっかけに海外展開も考慮してか宮本茂氏からの提案から「星のカービィ」と名称変更された経緯がある(その他、カートリッジROM容量が2倍になり追加要素を増やすなどの変更もあった)

今回はNintendo Switch Onlineで配信されているものを利用してレビューを行う。

 

星のカービィ

星のカービィ

  • 発売日:1992/4/27
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

細かいことは気にしない

カービィが住むプププランドにて王を自称するデデデ大王が国中の食べ物と秘宝きらきらぼしを奪ってしまう。
それらを取り戻すためにカービィがデデデ大王の居城に向かうというのが本作のストーリーである。

大まかなストーリー自体はあるものの、全体的には理屈を理論立てて考えるようなものではない。
あくまでもゲームプレイが中心に考えられており、冒険のシチュエーションがコロコロと変化するように作られている。

 

システム

「吸って、吐く」という生理的に理解できるシンプルな機能性

本作では「敵を吸い込んで、それを吐いて敵を倒す」という非常にシンプルな仕組みを用いた2Dプラットフォーマーであり、特に当時のゲーム初心者を見据えた作品であることでも知られている。
吸ったものを吐き出すことが攻撃手段となる操作感は生理的にも理解しやすい手続きである事はゲームに馴染みのない初心者にとってもプレイしやすい恩恵のあるものと言えるだろう。
また、当時としては比較的珍しい体力制であるうえ、空中を浮遊する能力があるなど、全体的にリスクを抑えながら進行する手段を有しているというのが特徴である。
なお、後にカービィシリーズの代名詞となる敵の攻撃手段を奪える「コピー能力」は次作「夢の泉の物語」からの登場で、本作はよりプリミティブな遊びであることは留意されたい。

ゲーム初心者がクリアしやすいのはカービィ自身の性能だけに留まらない。
本作の敵の挙動は接地判定が設けられていない事が語られており、そのことからフィールド上での敵の動作が固定となっているのだ。
つまり、ランダム性がほとんどないため敵の配置と挙動さえ覚えられれば対策は簡単であり、ゲームに不慣れなプレイヤーであってもある程度のリプレイを重ねればクリアしやすいものになっている。

全体的にゲームスピードも遅くクリアまでも短いが、ゲームをクリアした人向けには難易度を上昇させたエクストラモードが用意されている。
エクストラモードでは敵配置・敵の挙動などが大幅に強化されており、本編よりも慎重に進めなければ序盤からやられてしまうくらいには難易度が上がっている。
ゲームに慣れたプレイヤーが達成感を感じてもらうための要素も用意されている。

シリーズの初代となる本作には後作では余り見られなくなったものも登場する点は逆に新鮮かもしれない。
例えば、カレーを食べれば空気砲が打ち放題になり、イモを食べると空中機動が高くなる。
後作ではコピー能力が採用される事から現在では見られないような専用の攻撃手段が存在する。

 

グラフィック

ファンシーでどこか不思議な世界観が特徴的

本作は当初512kbit(現代で標準的なbyte換算では64kbyte)ROMを想定して制作されていた事から、キャラクターなどのチップを節約しながら量を出す工夫が随所にあり、これはディレクターである桜井政博氏本人からも幾度か語られている
これ自体は当時の容量が少なかったゲームではある種、当たり前の工夫の1つであり各社の各開発者が様々な工夫で少ない容量の中でやり繰りをしていたのである。

前述の通り敵の接地判定処理を行っていない事から敵の挙動は固定であるが、その恩恵として動作の軽快さが向上しているとのことである。
確かにキャラクターそれぞれで設置しているかのコリジョン処理を挟むのと、予め指定された通りに動くだけであるのとでは処理の重さは異なるだろう。
とは言え、オブジェクトが多くなるとスプライトオーバーや処理落ちも発生するため、レベルデザイン的な粗さもやや感じられる。
また、ゲームボーイと言うグレースケールベースでの濃淡で表現されているため仕方がない側面もあるが、フィールドが接地可能な判定の地形なのか否かがパッと見でわかりにくいケースがある点も少し気になるところだろう。

 

サウンド

現代のカービィシリーズにも続くポップで明るい楽曲が印象的であり、また現在でもアレンジを変えて使われるようなBGMも少なくない。
作中のBGM使用方法もこだわりが感じられ、ステージBGMのイントロの終わりとゲームの開始がマッチするように配慮されている。

サウンドテストも用意されており、劇中の楽曲を確認できる点もありがたい。
ただし、楽曲名は表示されないため曲名まで知りたい場合には別途調べる必要がある。
筆者の好きな楽曲も一部紹介させて欲しい。

今やカービィの代名詞的な楽曲の1つ「GREEN GREENS」

明るいエンディング曲「あしたはあしたのかぜがふく(エンディング)」

現在のカービィ作品においてもアレンジされて使用される事も多い曲が多く聴き馴染みがあるのではないだろうか。

 

総評

星のカービィは素人から玄人まで遊ぶことを可能にすることを目指し、ビデオゲームを大衆コンテンツに引き上げる流れを作った作品の1つである。

「吸って、吐く」という生理的に理解しやすい仕組みをゲームメカニクスの中核にしたうえで、全体的にリスクを低減させながらリワードが得られるようにしており、当時のアーケード文化と容量不足から来る高難度化に対しての明確なアンチテーゼをテーマとした事には革新性があったといって良いだろう。

とはいえ、後のシリーズから考えればゲームメカニクスがプリミティブなもので構成されているため、現代ゲーマーの視点からすれば物足りなさがあるのは仕方がないだろう。

 

外部記事

星のカービィ 【企画コンセプト】 - YouTube

初代『星のカービィ』開発秘話 【雑談】 - YouTube

人気キャラ・カービィの魅力に迫る! - 任天堂(アーカイブ)

社長に学べ! <おとなの勉強は、終わらない> 07 修羅場を救ってくれたもの。 - ほぼ日刊イトイ新聞

桜井政博氏が語る、初代『星のカービィ』開発秘話。当時の企画書に、あのゲームの原点があった? - ファミ通.com

【レビュー】トモダチコレクション わくわく生活

時代にマッチしたシュールワールド

トモダチコレクション わくわく生活(以下、トモコレ)はトモダチコレクションシリーズの非常に久しぶりの新作だ。
トモダチコレクションはニンテンドーDS向けソフトとして2009年に登場し、続編となるトモダチコレクション 新生活はニンテンドー3DS向けソフトとして2013年に発売されていた。
本作は世界的にも大きな人気を得た作品だったのだが、なかなか続編が登場しない状況が続いており、13年間を経た2026年に本作が発売されたのだ。

 

トモダチコレクション わくわく生活 -Switch

トモダチコレクション わくわく生活 -Switch

  • 発売日:2026/4/16
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

Mii達が繰り広げるシュールな行動

トモコレには明確なスクリプトされたストーリーがある訳ではなく、作成したMii達が自由に行動し、プレイヤーでも意図しないようなイベントが発生し、ゲーム体験自体がストーリーとなるようなナラティブな作りである。

ゲーム内ではシュールなイベントの数々が用意されており、それらを引き起こすMii達を眺めるのが楽しいという内容になるのだが、それを更に引き立てるのは単語を覚えさせられる点である。
Miiには人物や物の名前を覚えさせることができたり、語尾に何かしらの口癖を付けたりすることが可能で、そういった単語を用いて会話が繰り広げられるようになっている。
そのため、単語が本来とは異なる使われ方をすることでシュールな会話によって笑いを誘うし、あるいはそういった前提があるからこそ逆にその単語が想定通りの使われ方をしている事が面白くも感じるケースも多いだろう。
このようにプレイヤーも意図しないような事件が本作の中で行われていくのが本作の楽しさの中心である。

 

システム

自律的に行動するMii達を眺める楽しさ

トモコレの大きな特徴はプレイヤーが自由に作成したMii達を島に住まわせ、そのMii達が基本的に自律的に行動し、他のMiiと交流したりして関係性が変化していき、その活動を眺めて楽しむというゴッドゲームというサブジャンルにも近いスタイルにある。
Miiをつまんで別のMiiの近くに落とすことで交流を促したりといったちょっとした介入も行えはするものの、それでも確実に関係性が変化するものではない。
そのため、プレイヤーでも意図しないような会話や関係性が構築されていくのを楽しむことになる。

こういった遊び方に慣れていないプレイヤーも少なくないため、序盤では導線もしっかりと考えられている。
例えば、明確にこういう事をするように案内されることもそうだが、ゲーム内のニュース速報という形で実績やアンロックされた内容の紹介が行われ、更に次にどのような事をすると何が得られるのかを提示してくれるのだ。
こういった形で目の前にニンジンをぶら下げつつ、そこに遊び方の導線も併用していることで遊びやすさの着陸に繋がっている。

Miiを作成し、Mii達が自由に交流する姿を眺めるという要素はYouTubeなどの配信が前提となっている現代において親和性が非常に高い遊びであることは間違いない。
そもそもプレイヤー自身が自分好みのコミュニティーを作って楽しむのはもちろんだが、現代においては配信者が配信者同士のコミュニティーをゲーム内で疑似的に作り、そこで繰り広げられる突飛でシュールなコミュニケーションをファン達が観て楽しむというコミュニティーを既に知っているが故の観客的な楽しみが当たり前に成立する環境があるためだ。
それによって「自分もこういったコミュニティーをトモコレで作ってみたい」と感じる視聴者も多くなるだろうし、少しニッチな遊びの本作でも配信されることによって遊び方と楽しみ方が伝わる事も期待できるだろう。
様々なクラスターコミュニティーが存在する現代では「作って楽しい、観て楽しい」という本作の個性は大きな追い風が吹いているといって良いだろう。

Mii達の交流するなかで欲しかった機能を挙げるならば関係性の全体を確認できる相関図だ。
上述している通りMii達は交流する事によって友達や恋人などに発展する事があるが、それを統括して確認できる術がない。
個別に関係性を確認することはできるのだが、全体を一括して確認できないのだ。
これの何が不便かというと、人数が増えた際に「誰が、誰と交流していて、どういう関係になっているのか」を確認するのが手間になってくるのだ。
確かに人数が多くなると関係性を図にしても余りにも蜘蛛の巣過ぎて何が何やらわかりにくい事にもなるだろうが、フィルター機能などを用いれば済む話でもあるため関係性がわかりやすくなる機能は実装して欲しい限りである。

Mii毎に見た目や個性を付けていける

最大で70名を住まわせることができるMii達はそれぞれに見た目や性格を設定したりできるほか、住まわせた後にも立ち方・歩き方などの各種モーションや語尾などの口調を後天的に個性として付与することができるようになる。
特に顔には手書きを加える事が可能なので、より自分のイメージに近い見た目に調整しやすく、実際に描き上げれば達成感もあるうえ、愛着もより沸くため作品を深く楽しめるようになるだろう。
これによって自分がイメージしたキャラクター性に近づけていく事が可能になっているのが本作の楽しさを引き立てている。

また、服を買い与えて着替えさせることも可能だ。
服装のバリエーションも非常に豊かなので、自分のイメージ通りの服装や、普段とは違う服装を着せる楽しさもある。

これらのMiiの設定は後からでも修正可能になっているので、うっかり間違えて設定してしまった要素があっても安心だ。
修正するにあたって何らかのリソースを消費する事もないので、何か違うなと思ったら気軽に設定を見直すと良いだろう。

Mii達が暮らす島も作れる

本作では島を好みに作っていく事も可能だ。
ただし、あくまでも本作はMii達が交流するための島に手を加えられる程度であり、Mii達の家の場所を変えたり、公園を作ったりといった範囲になるため、島という環境作りに重きを置いて楽しもうと考えている場合にはミスマッチになってしまうだろう。

色々なもののバリエーションがもっと欲しい

Mii達が自由にシュールな活動をしていく姿を眺めているのは楽しいものの、欲を言えばもっと色々な面においてバリエーションが欲しいと思わざるを得ない。

まず1つはMii達のデザインであれば時間帯に応じた行動パターンが設定可能になるなどの生活サイクルだ。
昼に労働して、夜に寝たり遊ぶなどの生活サイクルを設定できれば、より楽しいシチュエーションが生み出せたように感じてしまう。
例えば、学校などを作ることができMii達が学園生活を楽しみ、学校ならではのイベントも発生すれば更に面白いイベントもできただろう。
交流時に発生するイベントパターンのバリエーションももっと欲しいだけに、こういったシチュエーション自体を設けてくれれば解決する側面もあるだろう。

もう一点は島は作れるが、作れるバリエーションには乏しい点だ。
陸地を作ったり、海を広げたり、あるいはベンチや自販機などのオブジェクトを配置する事はできるが、これらの種類にもう一声欲しいところだ。
例えば、作れる陸地タイルの種類では視認性の担保は必要にはなるがもう少しだけ高低差が作れるようなものがあればもう少し個性的な島が作れる可能性があるだろうし、オブジェクトの種類がもう少し増えればMii達のリアクション増加はもちろん、自分が作りたい環境を作れる可能性が高まる。

 

グラフィック

素材そのままのかなり割り切ったデザインがシュールさを増強する

本作ではMii達を作ったり、島を作ったりできる。
特にMiiに関しては自分で描くことでよりこだわったキャラクタークリエイトが可能なのはコミュニティ作りの楽しさの土台を強固にしている。
そして、各種小物のアイテムであったり、旅行で行く土地の風景であったりは商用可能素材をそのまま出すという割り切った大胆さだ。
これによって本作特有のシュールな世界とMii達のシュールな行動がより増強されており、思わずツッコミも入れたくなるような面白さが演出されている。

 

サウンド

音楽などは基本的にシチュエーションに応じたBGMが流れるようにしている。記憶に残るような印象的な楽曲という訳ではないものの、ゲーム中の展開に寄り添ったBGMが用意されている。

Mii達のボイスは変わらず合成音声で、キャラクター作成時には声の高さや速さなども変更可能である。
イメージ通りの声…というのはなかなか難しいだろうが、イメージに近くなるように調整すると良いだろう。

 

総評

トモダチコレクション わくわく生活は自分が楽しいオレのコミュニティーのままごと世界を作りたい人には嬉しい一作だ。

自分がイメージしたMiiを作れることで愛着もひとしお。更に少し技術は必要だが手書きでもっとイメージに寄せるように作れれば達成感も抜群だ。
そうやって作ったMii達が島の中で自由に活動していき、思わずツッコミを入れたくなるようなシュールなイベントの数々が笑いを誘うのだ。
確かにゲームの遊びの特性上、人を選ぶところはあるものの、配信コミュニティーが一般化している現代においては観るだけも楽しい作品になっている。
また、配信者が楽しんでいる姿は楽しみ方を理解するものとしても機能しているといって良いだろう。

しかし、欲を言えばMiiのリアクションにしても、島クリエイトにしても、そのバリエーションに関してはもう一声欲しいところだ。

 

外部記事

トモダチコレクション わくわく生活 Direct 2026.1.29 - YouTube

開発者に訊きました : トモダチコレクション わくわく生活|任天堂

【レビュー】ステラソラ

巡遊者たちと共に果てなき冒険の旅へ

ステラソラは日本のサブカルチャーに造詣の深い日本に本社を置く中国系企業Yostarよりリリースされたゲームだ。

筆者は本作のCBTに運良く当選し先行プレイに参加させて頂き、その際にはスマートフォンでプレイしたのだが手触り自体は良くできていた。
正式リリースにあたってPC版でプレイしており、本レビューもPC版での操作感などがベースとなっている事には留意されたい。

 

stellasora.jp

 

ストーリー

目覚めた魔王との物語

ステラソラの世界観、そして物語の導入は以下の通りだ。
星ノ塔では神器と言われる非常に価値の高い遺物が存在するのだが、それを入手するためには記憶を代価とする必要がある。
しかし、巡遊者と言われる人々はその代価も特に気にすることなく探索して発掘しているような世界観である。
記憶喪失である主人公はかつて魔王と言われた存在であり、ほとんど忘れ去られた伝承によれば星ノ塔を壊して回る事を目的としていたようであるが勇者により討伐されたとされているが、巡遊者達によって星の塔の内部で眠りについていた所を発見される。
しかし、助けてくれた巡遊者達が問題に巻き込まれてしまい、主人公である魔王もそれに手を貸す形になるのが導入となっている。

ストーリーは基本的には紙芝居形式で進行し、重要な場面の一部で3Dモデルによるカットシーンが挿入される形となっている。
また、ストーリー中では特定のキャラクターや勢力がピックアップされ、その人物を中心に1つの章が進んでいくように作られている。
これはストーリー中で発生する戦闘で新規実装されたキャラクターのお試しができるようにもデザインしているが故だろう。

ストーリーで気になるのはなかなか物語の本筋に近付いている感が薄い点になる。
物語の描き方が上述した通り特定のキャラクターや陣営に寄り過ぎており、星ノ塔・神器・魔王と言った世界観に繋がる各設定の掘り下げがなかなか進まない。
そのため、「ステラソラの物語を読んでいる」というよりも「新規実装キャラクターの紹介をされている」という側面が強い。
もちろん、キャラクターにフォーカスをあてたストーリーも物語構成の基本に忠実な構造になっているため楽しめはするものの、ステラソラという世界の物語としての満足感がなかなか上がらないのは難点だ。

この手のストーリーとしては珍しくルートが複数存在するケースも

本作のストーリーで少し特徴的なのはストーリーはルート分岐が用意されているという点である。
この分岐は「一方そのころ…」のような別視点のストーリーなのではなく、本当に選択肢によって異なるルートの話になる。
中にはそこでストーリーが終わってしまうようなバッドエンド的なルートもある。
バッドエンドルートを辿っても進行には問題ないので、分岐元のストーリーで選択肢を選びなおせば別ルートも確認できる事から興味があるなら全ルートでどのように話が展開されるのか確認しても良いだろう。
ストーリー再度確認した際にスキップする事で分岐選択肢まで飛ばすことが出来るので確認もやりやすいハズである。

とはいえ、ルート分岐自体はあるものの特定の場面でルートが1つに収束するようになっており最終的な話の整合性や結末は変わらない。
これはサービス型のゲームであるため、継続的に物語が増えていく際にルート分岐先の物語まで増えていってしまうと収拾がつかない事がこの着地になったのだろうと考えられる。
そのため、結末自体が変わらない理由は理解できるものの、そもそも物語としてのルート分岐という要素を使いあぐねてしまっている感は否めない。

キャラクター毎のストーリーもちゃんと用意されている

キャラクター毎のストーリーである「巡遊者ストーリー」や「ココチャ」というものも存在している。
マネタイズとしていわゆるキャラクターガチャが軸となるため、キャラクターの魅力を伝えるために大きくフォーカスした要素があるのは頷ける。

キャラクターストーリーではLive2Dによるアニメーションを含んだイラストがご褒美で貰えるため、気に入ったキャラクターがいれば読んでおくと良いだろう。

 

システム

ローグライトARPG

ステラソラは2020年代にインディーシーンを中心に隆盛しているローグライト要素を取り入れたARPGとなっている。
アクションとしては移動しながら攻撃スキルや回避といったコマンドを実行して敵を倒していく方式だ。
攻撃スキルや回避にはリキャスト(クールタイム)があるため、無駄打ちするのは推奨されないように作られている。
また、通常攻撃に関してはキャラクター毎に設定された一定範囲に入った敵を自動で攻撃してくれるようになっており、立ち回りとしては移動や回避、攻撃スキルの回し方が軸になるようになっている。
そのため、比較的画面の小さなスマートフォン向けアプリとしても十分に遊べるように操作および画面が忙しくなり過ぎないようにバランスが取られている。
そうはいってもPC版の大きな画面でキーボードやパッドで操作した方がストレスなくプレイしやすいことは事実だろう。
もしもPCでもプレイ可能な環境を用意できるのであれば、筆者としてはそちらでのプレイを推奨したいところである。

RPG要素としてはキャラクター強化やロスレコと言われる要素が該当する。
戦闘をするにあたってキャラクターを3名編成する事になるが、キャラクター毎に設定されているスキルを強化したり、ランダムで能力値などが強化できるような要素が存在するため、それらを駆使してキャラクターを強くしたうえで編成する事になる。
ロスレコはいわば装備品のようなもので特定属性を強化するようなパッシブ効果が付与されている。
攻略コンテンツには基本的に有効となる属性が設定されている事も相まって、キャラクター編成の理想的には属性を統一していく事になるだろう。

ローグライトを活用したゲームサイクル

編成したメンバーで攻略する事になるコンテンツはいくらかあるが、それらは概ねサイクルとして機能するようにデザインされている。
そのサイクルは星ノ塔とエンドコンテンツで構成されている。

星ノ塔ではローグライトとしての側面が強いメインコンテンツとなっている。
攻略は階層になっており、階層には敵などが出現して倒していく事になる。
攻略の途上でいくらかの手段によってランダムに3つのキャラクター強化要素が排出される。
そうやってチームメンバーを強化していって最上層まで到達する事を目指すのだ。
強化要素はランダムに排出されるが、どういった強化要素が存在するのかはキャラクターによって固定である。
また、キャラクターによって攻撃に秀でていたり、バフやデバフが優秀だったりするため、これらの特性を考慮すればチーム内での強化要素のシナジーを生み出していく事もできるのが楽しさに繋がるだろう。

星ノ塔を攻略すると攻略時点のチームメンバーの育成状況を保存することができる。
この保存したチームを用いて育成素材やエンドコンテンツなどを攻略できるように作られている。
そのため、星ノ塔を攻略し、エンドコンテンツなどに挑戦、キャラクターの基礎ステータスを上げたら再度星ノ塔を攻略して更に強いチームを作る…これが基本のゲームサイクルになるようにデザインされているようである。

パーティー編成は受動的で、完成までの道のりがやや長い

ステラソラでボトルネックとなるのは攻略において「属性を統一して編成を行う必要性が高い」という点を重要な要素に置いていることになるだろう。
理由としてわかりやすいのは編成時に設定するロスレコだ。
ロスレコには何らかの条件で発動する強力なバフが用意されているのだが、そのバフは特定の属性のキャラクターが対象になっている作りとなっている。
そのため、例えば炎と風のような複合属性で編成してしまうと、ロスレコの恩恵がほとんどないキャラクターが編成されてしまう事に繋がるのだ。
つまり、編成時には属性を統一する事が強く推奨され、そうなると最終的には各属性分のパーティー編成が行えるようにする必要がある。
これはあくまでも長い目で見てパーティー編成をするようなデザインではあるし、マネタイズとしても非常にシンプルな作りにはなるものの、余りにも統一属性編成推奨の色が強いためユーザーにとっては窮屈さを感じる事に繋がりやすいのだ。
この辺りは入手しやすい低レアキャラクターが充実するなど、分母自体が増えて各属性のキャラクターが揃えやすくなることで幾分かマシになる部分もあるだろうが、本質的な窮屈さには変化はないだろう。

また、長い目で見た際にはゲームサイクルが機能しきれない事も気がかりだ。
本作ではローグライトなコンテンツ「星ノ塔」でパーティーを育成し、育成したキャラクターで各種コンテンツを攻略し、その成果で更にキャラクターを育成していくサイクルとなる。
しかし、ある程度のラインまで強くできてしまうと育成ラインを更新できなくなるため星ノ塔を攻略する必要性が必然的に薄まってしまう。
「星ノ塔を攻略する」という行為に育成しきった後でももっと本質的に意義のあるサイクルを用意した方が良いように思える。

 

グラフィック

現代水準で見ても遜色ない3Dモデル

3Dモデルはデフォルメされているが現代水準でも見れる水準にはなっている。
攻撃モーションを始めとした各種アニメーションもキャラクター毎に個性が感じられるように丁寧に作られており、キャラクターを前面に押し出している作品として恥じない品質といって良いだろう。

ストーリー上では各種スチルも用意されているほか、「ストーリー」の項でも記載したキャラクター別ストーリーではLive2Dによるイラストもあるなどユーザーが期待しているであろう要素はしっかりと用意されている。

 

サウンド

BGMは全体的にADVで使用されていそうなゆったりと暖かみのあるBGMが心地いい。
また、作中ではショパンの「別れの歌」「夜想曲」やシューマンの「トロイメライ」、ドビュッシーの「月の光」といったクラシック楽曲も挿入されるのも良いアクセントとなっている。

本作の楽曲関連の作りで驚きなのは「システム」の項で紹介したロスレコの1つ1つに楽曲が設定されているという点である。
ロスレコはロストレコードという名前であり、それが音楽と紐づくのは不思議ではないが、そうはいっても将来的にも数多く実装されていく事になるロスレコ1つ1つに専用BGMが設定されているのは大変な仕事量だ。
筆者は「朝靄」「魔女の秘薬」はゲーム内でも比較的多く聴くことになるため特に好きな楽曲だ。
また、タイトル画面で流れるメインテーマもキラキラしながらも力強く非常に印象的である。

ボイス関連でいう事があるとすると、ガチャでキャラクターが加入した際のボイスだ。
初回時と2回目以降では異なるボイスが流れるようになっているのはこだわりが感じられる。

 

総評

ステラソラは手応えがしっかりとあるローグライトARPGだ。

RPGとしての編成の窮屈さは気になるものの、戦闘では攻撃や回避などでは操作の気持ちよさに繋がる部分はおさえつつも、難し過ぎない・忙し過ぎない操作感が意識されているため楽しいARPGとして間口は広いハズだ。

しかし、ストーリーでは本質的な世界観になかなか触れないままに進行していってしまうため素材が活かされていない感が強い。
また、戦闘にしてもゲーム側から要求される編成縛りが強いため、各種コンテンツを遊ぶ上での窮屈さを感じてしまうのはいただけない。