レビュー一覧

本ブログのレビューは個人の主観による所が大きいため、筆者と趣味趣向が合う人で無い限りは余り参考にならないものと思う。
レビュー記事の更新ペースは1ヶ月に1本を予定(目標)しているが、場合により増減する事もあるため、あくまでも目安として欲しい。
なお、レビュー内のスクリーンショットは全て筆者が撮影したものである。
また、記事は誤字・脱字、ゲームのアップデートなどにより予告なく加筆・修正を行う場合がある。ご了承願いたい。

レビューの感想や意見交換などしたい場合には筆者のTwitterに送って頂けると非常に嬉しい。
一緒にレビューを書きたい(書いてみたい)という人も募集しているので、興味がある方は気軽に声をかけて欲しい。

本ブログはビデオゲームのレビューのみをコンテンツとしているが、レビュー以外の話題に関してはYouTubeチャンネルにて取り扱う事を考えている。
こちらは不定期の更新となってしまうためご了承頂きたい。


 

アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ

アイドルマスター ポップリンクス

Assassin's Creed Origins

Assassin's Creed Valhalla

ASTRAL CHAIN

嘘つき姫と盲目王子

ウマ娘 プリティーダービー

SDガンダム Gジェネレーション クロスレイズ

Elden Ring

大神

OCTOPATH TRAVELER

 

グランディア

絢爛舞踏祭

幻影異聞録♯FE

こちら、母なる星より

Ghost of Tsushima

 

三國志13

三國志14

実況パワフルメジャーリーグ2009

真・三国無双8

じんるいのみなさまへ

スターオーシャン ブルースフィア

Starlink : Battle for Atlas

聖剣伝説2

聖剣伝説3

聖剣伝説3 Trials of Mana

SEKIRO : SHADOWS DIE TWICE

ゼノブレイド

ゼノブレイド2

ゼノブレイドクロス

ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス

ゼルダの伝説 Breath of the Wild

ゼルダ無双 厄災の黙示録

戦場のヴァルキュリア4

ZOIDS VS.Ⅲ

 

大貝獣物語

Dark Souls

Dark Souls Ⅲ

テイルズ オブ アライズ

テイルズ オブ ヴェスペリア

Death Stranding

DAEMON X MACHINA

TRIANGLE STRATEGY

 

 

百英雄伝 Rising

ファイアーエムブレム ヒーローズ

ファイアーエムブレム 封印の剣

ファイアーエムブレム 風花雪月

ファイナルファンタジーⅥ

ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル

ペルソナ5 スクランブル ザ ファントムストライカーズ

ポケットモンスター ソード/シールド

ポケモン レジェンズ アルセウス

星のカービィ スターアライズ

星のカービィ ディスカバリー

 

MAGLAM LOAD

マリオテニス ACE

Metal Gear Solid V : The Phantom Pain

モンスターハンター ストーリーズ2 ~破滅の翼~

モンスターハンター ライズ

 

妖怪ウォッチ4 ぼくらは同じ空を見上げている

よるのないくに2

 

ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~

ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~

ラストストーリー

ルーンファクトリー5

Red Dead Redemption 2

Lost Ember

 

わるい王様とりっぱな勇者

【レビュー】百英雄伝 Rising

絆を感じろ

百英雄伝 Risingは幻想水滸伝スタッフによる作品であり、「百英雄伝」の前日譚にあたるような立ち位置の作品である。
JRPGが最も隆盛していた時代に登場した幻想水滸伝の名前は当然ながら知っていたものの、筆者は恥ずかしながらプレイした事がない。

そんな状態の筆者がなぜこのタイトルを買おうと思ったかといえば、幻想水滸伝をプレイしていなかったというコンプレックスもあるが、それよりもやはり購入して貢献したいという気持ちがあったが故である。

 

 

ストーリー

古き良きが詰め込まれた物語

本作は「百英雄伝」に先行してリリースされた前日譚にあたる物語が展開される。

スカベンジャーを生業としている少女CJが宝があると聞きつけて遺跡に向かう所からスタートする。
そして、遺跡の宝を追っていくうちに数多くの奇妙な出来事や策謀があることを知っていく事になる。
この世界では人間以外にも様々な種族が生きており、リザードマンや鳥人間のようなキャラクターも当たり前のように登場する世界観となっている。

物語の展開やセリフ回しや会話テンポや演出はPS時代のRPGのノスタルジーを感じさせるのが特徴的である。
例えば、主人公であるCJは竹を割ったような非常に真っ直ぐな性格で、仲間になるガルーにしてもクールながら仲間想いな一面が感じられる。
セリフの雰囲気にしても少年マンガのような非常に真っ直ぐなものになっており、奇をてらったようなものがない。
これらは今では見なくなってしまった空気感があり、かつてのJRPGが好きなファンを嬉しい気持ちにさせてくれるものだろう。

大量のサブクエス

本作にはサブクエストが豊富に用意されている。
量は多いのだが、しっかりと質も担保されており、長いものではないが1つ1つに住民の物語が設定されている。
このようなサブクエストを完了させていく事でリワードはもちろんだが、最初はよそ者であったCJが町の人々と関係を築いていく姿も確認できるようになっているのだ。

ただし、NPC達はサブクエストのタイミングでしか話しかける事ができない。
常に話しかける事はできないため、その点に関して少し寂しく感じるユーザーもいるかも知れない。

 

システム

軽快で爽快なARPG

百英雄伝 Risingはメトロイドヴァニア型のアクションRPGである。
フィールドは特定のアイテムがないと先に進めないようになっていたり、素材が手に入る。
戦闘では攻撃とジャンプが基本となり、キャラクター毎に異なる攻撃モーションと専用アクションがある。

本作の戦闘を爽快させるのは「リンクアタック」だ。
攻撃ヒット時に仲間キャラクターに切り替えるとハイタッチのようなSE、スロー演出と共に強力な連続攻撃が行える。
実際にリンクアタックを行っているのが上図である。
構造自体はシンプルながら、プレイヤー有利な連続攻撃が、専用の演出と一緒にテンポ良く繰り出され、高揚感を与えてくれるのだ。

探索を楽しませる様々な要素

メインストーリーでは遺跡の探索の他にも町の復興を1つの目標としており、町に活気が出て来ることで徐々に施設にアクセスできるようになっている。
そうする事で物語全体をミニマルに収めながらも、徐々に機能を解禁させていくチュートリアル的側面を与える役割として成立するようにデザインしているのだ。

施設にアクセスできるようになると、装備品をアップグレードしたり、ステータスを永続的にアップすることが出来る料理を作って貰う事が出来る。
そこで必要になるのが素材である。

素材はフィールドでは敵を倒すのはもちろんだが、フィールド内のオブジェクトを破壊する事で入手できる。
入手できる素材は確率でグレードの高いものが手に入り、高品質なものを入手しやすくするようなアクセサリーなども存在する。
これらの素材は道中でポンポン手に入るため、進行テンポの良さを感じさせてくれるものになっている。
なお、素材入手のうち魚に関しては釣りのミニゲームも用意されており遊び心が感じられる。

勿体ない要素

本作は戦闘や探索などなどは基本的に良く出来ているのだが、痒い所に手が届いていない部分は勿体ない。

戦闘を爽快にさせてくれるリンクアタックであるが、それが行えない序盤の戦闘が単調な戦闘になってしまうのは勿体ない。
二人目の操作キャラクターが仲間になってから解禁されるが、それまでの期間に戦闘の楽しさを感じるのはやや難しいのだ。
もう少しリンクアタックが行えるようになるタイミングを早めても良かったように感じられる。

敵にはそれぞれに弱点属性が設定されている。
しかし、余程手軽に属性を切り替えられるシステムでない限りは、この手のゲームでは活かせない要素だ。
わざわざメニューを開いて、弱点属性になる装備に変更して…というのはアクションゲームに求める難しい。
その上、弱点属性でなくともダメージはそこそこ入るため、意識すること自体がほとんどない状態になってしまっている。
操作キャラクターである魔法使い的ポジションのイーシャに関しては装備した属性に応じて攻撃方法自体に変化があるが、その他の操作キャラクターに関しても類似の変化があれば属性に対しての意識は少し違うものになったかも知れない。

メトロイドヴァニア型の作品である本作では各操作キャラクターが、メインストーリー進行や装備品アップグレードによってキャラクター毎に特性の異なるアクションが増えていく。
それによって踏破できる地形が増えたり、敵への攻撃手段が拡張されるのだが、どのキャラクターがどういった特徴を持ち、どういった行動が行えるようになっているのかが一括で確認することが出来ないのは少し不便だ。
特に時間が経ち過ぎて操作方法を忘れてしまった状況になるとわかりにくい。
一応、表示されるチュートリアルを再確認することはできるのだが、キャラクターの特性などが1つ1つ説明されるものである。
その時点で行えるキャラクターの操作に関して包括的に説明する機能があると親切だったのではないかと思う。

 

グラフィック

シンプルながら美しさのあるビジュアル

百英雄伝 Risingではキャラクターは2Dの関節制御ベースとなっており、背景などは彩度が豊かな美しいビジュアルになっている。
モダンな美しさの中にクラシックな雰囲気のキャラクターを入れる事によって作品の志向性を表現しているのではないかと感じられる。

主人公であるCJはお宝の噂を聞いてやってきたよそ者だが、しばらくすれば自宅を与えられる。
これ自体は嬉しいのだが、室内に入れないのは少し寂しいところだ。
というよりも、本作では1軒として室内に入ることはできない。
せめて自宅の中だけでも見られるようにして生活感をより感じられると嬉しかった。

細かい配慮もされている

ビジュアル面では細かな配慮も見受けられる。
キャラクターがオブジェクトに隠れてもシルエットが映るようになっているのだ。
操作に支障が出にくいようにしっかりと作られている。

 

サウンド

本作で最も印象に残るのは拠点となる町ニューネヴァーのBGMではないだろうか。
ニューネヴァーは発展度と共にBGMに変化があるため、そこも聴きどころになるだろう。

 

総評

百英雄伝 Risingは「遺跡の宝を発掘するかの如く」古き良きテイストを残している作品だ。

クラシックな少年マンガの雰囲気を持ったストーリーやキャラクターは非常に魅力的で、メトロイドヴァニアARPGの部分も良く作られている。
エンドコンテンツが充実している訳ではないが、それでも楽しく遊ぶには十分過ぎる一作になっている。

 

外部記事

『百英雄伝 ライジング』開発陣に聞く。「アクションが得意ではない人でも楽しめるゲームを目指した」 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

「百英雄伝」は,“トラディショナルなJRPG”を追求し,新たなRPGの形を作り上げる作品に。制作チームの中心人物にオンラインインタビュー

「幻想水滸伝」シリーズのクリエイターによる新作JRPG『百英雄伝』特別インタビュー

[動画インタビュー] ジャパニーズRPG『百英雄伝』成功の秘密 | KickstarterNavi

【レビュー】星のカービィ ディスカバリー

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可愛さの暴力

星のカービィ ディスカバリーはシリーズとして初となる本格的な3Dプラットフォーマーだ。
カービィといえばホバリングや吸い込み、コピー能力などが特徴で、何よりも老若男女向けであるというシリーズだ。
これらは2Dプラットフォーマーだからこそ成立させやすい部分も少なからずあり、3Dプラットフォーマーとしてどのように成立させるのか気になる所となっていた。

 

星のカービィ ディスカバリー -Switch

星のカービィ ディスカバリー -Switch

  • 発売日:2022/3/25
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

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謎の廃墟でのカービィの冒険

本作では冒頭にカービィワームホールのようなものに飲み込まれポストアポカリプスのような廃墟の世界に辿り着くところからスタートする。
カービィよりも先に飲み込まれ、廃墟の世界で暮らしていたワドルディたちはビースト軍団に捉えられてしまっており、彼らの村も破壊されてしまっていた。
ワドルディたちを助けるのが今回のカービィの冒険だ。

物語を進めていけばわかる事にはなるのだが、本作は正しくはポストアポカリプス世界ではないようだ。
しかし、そこに住んでいた住民は今やいない。
当時の住民たちがどのような文化で、どのように暮らしていたのかが明確に語られるような事はないが、環境ストーリーテリングとして感じ取れる部分があるように作られているのは面白い部分だろう。

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世界設定も記載されている収集要素

ステージではカプレルトイのようなコレクションアイテム「ガチャルポン」が入手できる。
カプレルトイにはテキストも用意されているものがある。
テキストには世界の設定部分が記載されている場合もあり、気になる人は確認しておくとより楽しめる。

 

システム

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快適な操作感ながら手応えもしっかりとある

星のカービィ ディスカバリーの3Dアクションは非常に手触りが良い。
走る、ジャンプ、ホバリング、コピー能力による攻撃など、どれもが軽快でレスポンスが良い。
更に攻撃時にはヒットストップ演出もあるなど爽快な手応えも感じさせてくれる。
そのため、動かしているだけで楽しいものになっている。

カービィの代名詞とも言えるコピー能力は種類こそ多いという訳ではないが、どれもそれぞれの特徴がある能力が選出されているため個性の異なる立ち回りが楽しめるようにしっかりと差別化された選出だ。
また、シリーズ同様に駆け引きのバランスをあえて整えず、プレイヤーの操作による爽快感を重視し、3Dゲーム慣れしていない初心者プレイヤーへの配慮としてカメラ側視点ベースのヒット判定を行っているなど、老若男女が楽しめるように工夫されている。
例えば、操作に必要なボタン数は少なめで、操作自体も簡単になるように構成しているのだ。
しかしながら、そこにはプレイヤーの工夫の余地があり、コピーした能力はジャンプ中の攻撃やガード時の攻撃など様々な小技が用意されている。
他にも回避の行動が行えるのだがジャスト回避もあり、タイミングよく回避できるとスロー演出が入り反撃が行えたりもする。

ゲーム慣れしていないプレイヤーは単純な攻撃を行うだけでも良いし、ゲームに慣れているプレイヤーは様々なテクニックで立ち回る事ができるようになっているという懐の深いデザインになっているのだ。

コピー能力は強化できる

本作のコピー能力で特徴的なのはRPGのような強化要素がある点だ。
強化するためにはステージに隠されているアイテム「せっけい図」を手に入れる必要がある。
強化を行うと攻撃力など利便性が向上する事はもちろん、見た目や特殊な効果、特殊な技が使えるようになったりする場合もあり、コピー能力が強化されるたびに色々と試したくなってしまうだろう。
そして、そういった楽しむがあるためにステージで”せっけい図”を入手できる事に嬉しさがある。

しかし、コピー能力の分母の少なさはプレイを続けていくうえでは少し勿体なさがある。
コピー能力は全体から見ればそこそこの序盤で種類自体は出揃ってしまうため、目新しいコピー能力に出会うというワクワクさに欠けるのだ。
序盤・中盤・終盤とそれぞれに初めて発見できるコピー能力を用意してくれていると更に楽しさが増した事だろう。

ステージ構成もやりがいが豊富だ

ステージ構成も良く出来ている。
ステージにはステージ毎にミッションというタスクが設定されており、これをクリアする事でワドルディを助けることが出来る。
タスクの一部は最初は隠されており、何がタスクになっているか不明な状態となっている。
タスクをクリアしたタイミングで開示されるが、ステージクリア時にも達成できなかったタスクが開示されるようになっているため、何度かプレイすれば全タスクを消化する事がしやすくなっている。
最初から開示されていないタスクを用意する事によってプレイヤーにステージ内の探索を促しており、その上でタスクとは関係のない隠し要素も隠している事で探索する事の楽しさを感じやすい構造としているのだ。

その他にも様々な初心者向けの配慮や詰み防止の配慮が見て取れる。
カメラワークやレベルデザインによる配慮はもちろん、やられてしまっても残機制ではないため復帰は行いやすかったり、万が一にも地形にハマっても安全な位置に自動で戻される。
初心者や3Dになったフィールドをあちこち探索したいプレイヤーに対しての配慮がされている。

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ミニゲームももちろん実装

カービィシリーズではもはやお馴染みとなったミニゲームももちろん存在する。
プレイ可能なのはレース、釣り、アルバイト、パズルなどだ。
やること自体は理解しやすくサクサクと進められるが、それでもしっかりと歯応えのあるものとなっている。

 

グラフィック

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兎にも角にも可愛さが爆発している

本作は廃墟となっている土地ながら色彩が豊かで、可愛らしいキャラクター造形も非常に魅力的だ。
ただし、遠景のオブジェクトは露骨にフレームレートが落とされているため、少し気になるかも知れない。

フィールドやキャラクターの造形も魅力満点だが、その魅力を更に増強させているのがキャラクター達の多彩なリアクションだ。
例えば、カービィはジャンプは行うたびに右足と左足が交互に出るようになっており、連続ジャンプを行った時に自然にみえるように工夫されている。
その他にも、高い所から落ちたり、十字キーでアピールしたり、アピールをワドルディが返してくれたりと、とにかく細かい様々なリアクションが用意されているのだ。
非常に手が込んでいるのはもちろんだが、そのリアクションを観ているだけで心を和ませてくれる。
この余りの可愛さの暴風にスクリーンショットが捗ることだろう。

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”シアター”という形でカットシーンを再度観る事が可能

ゲーム内のカットシーンはいつでも見る事が可能だ。
「シアター」という施設で観る事ができるため、選択画面や観かたもそれらしいものになっている。

 

サウンド

歴代カービィのイメージをそのままに鳥肌が立つような優しく爽やかでテンポの良い素晴らしい楽曲揃いだ。
楽曲はメインのフレーズが多用され、単純接触効果による記憶にも残りやすい構造になっているのも好印象だ。

メインテーマともいえる希望で満ちあふれた子供頃のような冒険を感じる「新世界をかけぬけて」は「はじまりの地」において鳥の声のような形での環境音として中にも取り入れられているなどの楽曲面も様々な活用のされ方をしている。

更にステージ選択画面ではエリアが変化すると楽曲のアレンジが変化するが、それに関してもシームレスに変化する。
技術的に目新しいものではないとは言え、このようなインタラクティブミュージック的な活用方法も感動的だ。

SEに関してもスーパーデラックスのものが踏襲されており、手応えと爽快感のあるものになっている。

 

総評

星のカービィ ディスカバリーは可愛さを大爆発させつつも、3Dプラットフォームアクションとしても高い次元で成立させた傑作だ。

様々な方向でのディティールの作り込みが圧倒的で、エフェクト、フォント、カラー、質感、アニメーション、演出、音楽、ロード演出など表現できるもの全てで可愛いカービィの世界を表現している。
その上で、素人にも玄人にも手応えを感じさせるアクションは触っているだけで楽しいカービィをも実現しているのは見事と言う他ない。

 

外部記事

開発者に訊きました : 星のカービィ ディスカバリー|任天堂

『星のカービィ ディスカバリー』の仕事 キャラクターデザイン編 | ハル研究所

『星のカービィ ディスカバリー』の仕事 UIデザイン編 | ハル研究所

『星のカービィ』の物語はこの10年で何が変わったのか? カービィのストーリーテリングとその未来 - AUTOMATON

【ネタバレコラム】『星のカービィ ディスカバリー』のラスボスは過去作と大きく関わる根源的存在か──重大な設定を考察

【レビュー】TRIANGLE STRATEGY

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選択の葛藤、そして1本の不要な道

TRIANGLE STRATEGY(以下、トライアングルストラテジー)はスクウェア・エニックスより発売されたHD-2D採用のタイトルだ。

事前の展開としては本タイトルの制作チーム恒例の体験版からのフィードバックを行うなどが印象深く、またHD-2Dタイトルの2作目であるという事も期待値として高かったポイントだろう。
前作とは異なりSRPGであり、HD-2Dというスタイルとの親和性は悪いハズはないというのも注目ポイントだった。

今回はトライアングルストラテジーをレビューしていきたい。

 

TRIANGLE STRATEGY(トライアングルストラテジー)-Switch

TRIANGLE STRATEGY(トライアングルストラテジー)-Switch

  • 発売日:2022/3/4
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

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歴史ドラマとして王道な物語

本作はノゼリアという地方にあるグリンブルク王国、エスフロスト公国、聖ハイサンド大教国という3つの国の争いが物語を生み出していく事になる。
戦争の原因は塩と鉄と言う現実世界でも重要なリソースを巡るもので、ファンタジー世界でありながらどこか現実味を感じやすい題材を採用している。

主人公はセレノアというグリンブルク王国内のウォルホート領の領主のご子息だ。
国家間の対立を緩和を目的としてエスフロスト公国の公女フレデリカとの政略結婚、また同様の目的とされる3国共同の資源採掘も進んでいた。
しかし、当然ながらそのまま平穏になるハズもなく、とあるきっかけによって戦争状態へと突入してしまう。

ストーリーの題材はSRPGなどに多い大河ドラマ的な側面が強く、政治や経済と言った話もある程度はしっかりと作られているため説得力・納得感のある歴史ドラマを感じられるハズだ。
ストーリーはメインとサブが存在し、サブは時限制となっているので、しっかりとストーリーを確認したい場合には優先的にサブストーリーを参照する方が良い。
サブストーリーは「一方その頃…」のような同じ時系列での別の場所、視点での話が中心となっている。
もしもストーリーに全く興味がないなどの趣向がある場合には読む必要はないし、特に周回プレイをしたいと思っているプレイヤーの場合には既読の会話はスルーしたいケースも多いだろう。そんな時には重宝する構成だと言える。

本作のストーリー自体は比較的王道歴史ものといった様相だが少し気になるポイントを挙げるとすればエスフロストのタラースとエリカというキャラクターである。
地に足のついた物語展開やキャラクターが多い中で、タラースとエリカは絵に描いたような小物であり物語から浮いてしまっているのは勿体なく感じられる。

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選択がストーリーの行く末を変える

トライアングルストラテジーを特徴付けるのはBenefit、Moral、Freedomの3つの信念によってストーリーが変化する点だ。
これはタクティクスオウガなど類似のシステムを導入してストーリーテリングする作品もあるので想起しやすい人も多い事だろう。
信念はストーリー中に登場する選択のほか、戦闘方法でも変化がしていく。
この信念はストーリーに変化をもたらすものである事はもちろん、加入する仲間にも変化がある。

これら3つの信念をシステムとしてアウトプットしたシステムがゲーム内のキャラクター達の投票によってルートが分岐していく「信念の天秤」というシステムとなる。
上図の左を確認して頂ければ各キャラクターがどういった選択を行いたいのかの意思表示が参照できるかと思う。
プレイヤーはこのキャラクター達にアプローチをする事によって自分が進みたいルートへと変化を促す事が可能だ。
しかし、キャラクター達の説得は必ずしも成功するとは限らず、ケースによっては自分の意図しないルートに進んでしまう事もあり得る。
これがナラティブな体験を生み出す要素として機能していると言えるだろう。
なお、ストーリー分岐のフローチャートはゲーム内からいつでも確認できる。

キャラクターの説得する場合には、情報を保有している事で説得の選択肢が増える事があり、情報は街などを探索するパートで得る事になる。
しかし、得た情報は必ずしも有効に働くわけではないので、文脈をしっかりと確認してどれが適切なのかを判断して選択する必要がある。
そのため、ケースによっては全く不要な情報を掴まされると言う事になり物語としての説得力としては機能するが、ゲームとしては少し不親切に感じる事だろう。

この信念のパラメーターは隠しパラメーターとなっており参照することはできない。
ゲームクリア後の2週目以降のプレイで明示化されるので、参照できていないルートや仲間に出来ていないキャラクターなどを集めやすくなっている。

世界の掘り下げる読み物とストーリーを追う上での親切な要素

街を探索していたりすると「手記」というアイテムを入手する事がある。
これは世界設定を掘り下げる読み物で、より詳細に歴史や文化的な側面を知りたい場合には確認すると良いだろう。

また、話者の簡単な人物情報をいつでも参照できる親切設計も地味に嬉しいポイントだ。
この手のストーリーではキャラクターが多めに登場するため、人によっては顔と名前が一致しない事に焦りを覚える事もあるだろう。

β版である体験版の時点では会話のオート送りがなかったが、製品版になってオート送りが追加されたのも個人的には地味にありがたい。
これは筆者は会話のテンポや会話してる感を重視している傾向があり、ボイス付きの場合にはオート送りを必ず用意して欲しいと思っているためだ。
ただし、設定が保存される事はなく会話のたびにオート送りを実行する必要があるのは少々めんどうだ。

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サブキャラクターに焦点を当てたストーリーも

挿話というサブストーリーはキャラクターが加入したり、サブキャラクターの掘り下げが行われるものである。
サブキャラクターも物語としてもユニットとしても個性があるが、プレイヤーの部隊に参加する理由は必ずしも説得力のある理由ではない。
この辺りはゲーム的な都合に感じる部分も少なからずあるだろう。
とは言え、本編には余り関りの無いキャラクターが掘り下げられるのはありがたいことだ。

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選択する事をゲームの根幹とした事による弊害

ストーリーではほとんど常にジレンマないしトリレンマの選択を強いられる状況になる。
これは追い込まれた陣営を描くと言う意味ではリアリティは感じられる部分だろうし、何よりも選択する事をゲームプレイのコンセプトとしている本作ではその状況を作り続ける必要があり避けられない問題でもある。
しかし、そのような状況を作り出し続ける必要があった結果として物語としての起伏に乏しく、プレイヤーにとって見せ場や山場となるようなカタルシスを感じにくい単調なものになってしまうのは物語として勿体なく思えるポイントだ。
例えば、”ピーク・エンドの法則”を持ち出そうにもピークがどこなのか思い当たる部分がない。
基本的には山と谷を交互に続けることで物語的な面でのユーザーの興味を保ち続けるが、本作ではそれが乏しいのだ。
そのため、プレイヤーが本作の物語を長く記憶に留めておく、あるいは他人に物語の魅力を伝えるには少し難しいものがある構造となってしまっている。

また、NPCの投票による多数決で選択が決定し、時として自分が選びたい道にならない可能性も存在すると前述している。
これ自体は面白い試みだ。
しかし、主人公が選びたい道のために他人を個別に説得できてしまうという状況は、俯瞰して捉えると結局は「主人公は投票できない」「NPCが主体的に選択を行う」という世界設定である信念の天秤というシステムがやや形骸化している事を意味しており少し違和感がある。
全体での討論形式で各NPCの考えが変わるような描き方を行った方が本作の「信念の天秤」の世界設定にマッチしたように思える。

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選択する事が根幹であるにも関わらず、それを否定してしまう要素

本作は選択によっていくつかのエンディングへと分岐する事になる。
その分岐の多くは何かを得る代わりに、何かを失ってしまうようなビターなものだ。
しかし、詳細には伏せるが特定のルートのエンディングでは、その他のルートと異なり大団円に近い形となるものが用意されている。
これは本作のテーマ・コンセプトから言うと非常に問題がある設計である。
大団円…これは言い換えれば公式に「正解ルート」が暗に提示されてしまっているという事に他ならない。つまり、逆説的にそれ以外のルートに進む事を失敗のルートとして定義してしまう行為なのだ。
本作のテーマと言うのは「ジレンマないしトリレンマの中で選択を行い、その恩恵と苦悩を享受する物語」であり、言い換えれば「選択の責任と倫理観をプレイヤーに委ねる」という事であるハズなのだ。
であるにも関わらず、ゲーム側が正解ルートと失敗ルートがあるような状況を作ってしまうと、ユーザーに選択を強いて物語を紡ぐというナラティブなデザインそのものを破綻させかねない設計思想でもあり非常に危うい。

もちろん、大団円という形の安堵感やスッキリ感はあるのかも知れないが、それは同時に選択を強いる意味を喪失してしまう事に他ならない。
選択する事を主眼に置いているのであれば、選択したことによる責任と正しさ(倫理観)はユーザーに委ねるべきであり、その部分をゲーム側が決めて押し付けるべきではないし、それをしてしまうとテーマ性が変わってきてしまう。
大団円ルートを作ってしまいたくなる気持ちは理解できるが、UXを鑑みた上での英断を行って欲しかった所だ。

 

システム

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科学的な要素も絡むSRPG

トライアングルストラテジーSRPGだ。
将棋などのようにキャラクターユニットを盤面上に配置して、マップを攻略していくような形となる。
戦闘ではユニットの配置はもちろん、前方・背面、高度などの位置関係で攻撃の威力や命中に変化がある。
また、ユニットを挟み撃ちするように配置すると攻撃時に追撃が行われ追加ダメージが入るので、それらを考慮したユニット配置も大切だ。
そのため基本的には背面や挟撃で攻撃できるのが望ましいが、易々とはそのような状況にはしにくくデザインされているので、敵ユニットの性能や状況を鑑みて上手く誘引して撃破していく必要がある。

行動順に関してはユニットのパラメータに依存する形式を採用しており、自分のターンと相手のターンが交互に来ると言う事ではない。
そのため、ユニット配置は画面上部に表示される行動順を確認しながら、損害を最小限に抑えつつ最大のリターンが得られる配置をしていくのが良いだろう。

高い位置からは弓矢の飛距離が伸びるなど、地形も戦闘に影響がある。
更には属性による攻撃も科学的な変化が発生し、それらも戦闘に利用可能だ。
例えば、氷属性を使うと路面が凍結して移動コストを増やすことできる。
そして、凍結した路面の上で火属性を放つと水たまりになる。
水たまりのエリアには電気を流して範囲攻撃が行えるなど科学的な要素を取り入れている。

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ユニットの強化要素

本作ではユニット毎に長所と短所の個性がハッキリとしている。
SRPGでは一部のユニットのレベルが上がり過ぎたりすると一騎当千のような状況になる事もあるが、本作は適正レベル以上には上がりにくく、万能なユニットも存在しないため、適度な難易度で攻略できるようになっている。
逆に言うとSRPG初心者には少しだけ難易度が高く感じるかも知れないが、SRPG特有のマネージメントの楽しさを知るつもりで臨むのが良いだろう。
なお、ユニットは倒されてもロストしないので、その点は安心して良い。

ユニットには特性を決定づけている固有のジョブが設定されている。
このジョブは条件が整えば上位ジョブにする事が可能になる。
上位ジョブになれば新たなスキルが扱えるようになるため、メインで使っていきたいユニットは優先的に上位ジョブにしていくのが良いだろう。

ユニットを強化するのはジョブのランクアップだけでなく、武器鍛錬という要素もある。
武器鍛錬では基礎ステータスやスキルの強化が行える要素となっている。こちらも良く利用するユニットを優先的に強化していくと良いだろう。
武器には武器ランクというものも設定されており、ランクが向上すると強化できる項目が更に増えていく。
武器ランクは特定のアイテムを消費して向上させる事になるのだが、困るのは武器ランクを向上させてから出ないと具体的にどのような内容を強化できるのかがわからない点だ。事前知ることが出来るようにしなければ、誰を優先的に強化するべきかの判断材料に出来ないため不便に感じるだろう。

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カメラワークの劣悪さが、あらゆる部分に悪影響を与えている

本作のゲームプレイ部分に影を落とすのはカメラワークだ。
立体的なフィールドの視認性が悪く、オブジェクトに遮られるとかなり見にくい。遮られてしまうと本当に視認したい部分がぼやけてしまう。それがちょうど上図のような状態だ。
前作にもあたるOCTOPATH TRAVELERはカメラに関しては固定カメラであったため、視認性が悪くならないようなデザインが行いやすかった部分もあるのだろう。
しかし、本作ではカメラを移動できる事を考慮したデザインが徹底できていないため、ゲームを始めてから終わるまで常にストレスになり続ける。

そしてこのカメラワークは視認性だけでなく、操作性にも悪影響を及ぼしている。
カメラは自由に移動や回転が可能だが、基本的にクオータービューライクになるようにカメラが補正される。
しかし、マス目上にユニットを移動させる本作ではクオータービューのような斜めの角度から画面を表示させると上を入力したときに前方に進めるのか、側面に進めるのかがわかりにくくなってしまう。
例えば、上図もクオータービューのように表示されているが、この状態で上を入力したときに選択位置がどちらに行くのかが想像しにくいのが伝わるかも知れない。
クオータービューであってもカメラが固定であれば、上入力や右入力でどちらに移動するのかも固定化されるため問題にはならないが、カメラが移動可能であるためにこのような問題が発生してしまっている。
こちらもまたゲームを始めてから終わるまで常にストレスに感じ続けやすいかも知れない。

 

グラフィック

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HD-2D自体は美しいが、SRPGでは目新しさは余りない

HD-2Dの美しさは相変わらずだが、やや残念に思える部分もちらほらと見受けられる。
まずは前述の通りだが、カメラワークによる視認性の悪さやそれを考慮したフィールドデザインになっていない部分はゲームを始めてから終わるまで常にストレスになり続ける。
また、一般のRPGをHD-2Dにするのは目新しさがあるが、SRPGの場合にはクオータービュー形式のデザインも珍しくなく立体的な2Dドット表現でもあるHD-2Dの斬新さがやや薄いのも少し勿体なさがあるだろう。
更に探索パートではキラキラと光る部分を探すとアイテムが入手できるのだが、HD-2Dの画面はそもそもキラキラする傾向があり誤認しやすいのも少し迷惑だ。

 

サウンド

ストーリーが全体的に起伏が少ないと評したが、音楽面でもそういった展開にマッチするようにした影響からか同様の傾向が強い。
最終ステージ楽曲などは盛り上がるが、それ以外の場面では余り印象に残るようなものが少ないように感じられる。

 

総評

TRIANGLE STRATEGYは光る部分もありながら、要所を抑えられていないのが勿体なく感じる一作だ。

リアリティこそ評価できるが起伏に乏しいストーリーは魅力を伝えるのが難しく、更にはテーマ自体を否定してしまうようなルートを用意してしまったのは良いとは言えない。
また、魅力的なHD-2DのビジュアルスタイルもSRPGが題材では少し新鮮味に欠けてしまう印象だ。
ゲームプレイ部分に関してもカメラワークに伴う機能性・操作性の悪さが地味にフラストレーションを溜め続けてしまうだろう。

しかし、歴史ドラマとして地に足の着いたストーリー構造は王道であり、SRPGとして歯応えがしっかりある難易度は良く出来ている。
プレイして決して損する事はないだろう。

 

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【レビュー】Elden Ring

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永遠なる、私の王よ

Elden Ring(以下、エルデンリング)は「死にゲー」の宗家フロムソフトウェアより発売されたソウルシリーズの系譜を継ぐタイトルだ。

本作は過去作と異なり完全にオープンなフィールドになるとの情報が出され、一体どのようなプレイフィールになるのかが非常に興味深いポイントとなっていた。
また、暗喩的で意味深なストーリーテリングが主体のソウルシリーズだが、本作ではその世界観のベースを著名なファンタジー作家であるジョージ・R・R・マーティン氏が構築に参加しているとの事でその辺りもどのようになるのかも気になる所だった。

 

【PS4】ELDEN RING

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  • 発売日:2022/2/25
  • メディア:Video Game
【PS5】ELDEN RING

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  • 発売日:2022/2/25
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

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ゲームプレイを妨げないが、奥深さのある世界設定

エルデンリングのストーリーはソウルシリーズとしては相変わらずだが、ゲームプレイの邪魔はしない設計だ。
ジョージ・R・R・マーティン氏が参加しているものの、その部分のストーリーテリングには変化は余りない。
そのため、ゲーム側から明確に何かを伝えられる事はなく、メインの部分にしてもちょっとした会話やセリフがある程度で、カットシーンにしても何かしらの世界観を説明するようなものはほとんどない。

淡白な作りに感じられるかも知れないが、これは長所となっている事も忘れてはならない。
ゲームプレイ重視のユーザーは目の前の好奇心に従って行動すれば良いし、ストーリーも気になると言うユーザーはアイテムに書かれている説明文や数少ないセリフあるいは環境ストーリーテリング(建造物、敵の配置や行動パターンなど)から物語全体の繋がりを紐解いていく楽しさがあるだろう。
点だけを用意して、それらを繋ぐ線をユーザーに委ねているからこそ可能な、どちらのユーザーにも嬉しいストーリーテリングになっている。
これは2Dドットのような旧来の省略表現が主体だった時代のJRPGに多かった手法に近いものだ。

基本的には説明的なセリフやカットシーンはないものの、おおよそSEKIRO程度のカットシーンとセリフの使い方となっている印象だ。
例えば、ダークソウルシリーズではボス戦などのカットシーンでセリフが発生するようなケースは非常に稀である。
対して、SEKIROでは多くのボス戦にてセリフが付随していた。そのセリフにしても物語を詳細に説明するようなものではないが、何らかの意志やバックボーンが確実に存在するものだと感じさせるようなものとなっている。
本作においても後者のような何かを感じさせるようなカットシーンの使い方だ。

また、意図しているものかは不明な部分も存在するが過去のソウルシリーズを彷彿とさせるファンサービスと思えるような要素や構造もチラホラと散見される。
過去シリーズを遊んだプレイヤーはその点に関しても楽しみの1つにできるだろう。

 

システム

本作のシステム面の要素について記載していきたい。

 

ビルド

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多様性の増したビルド

エルデンリングが歴代のソウルシリーズと異なるポイントを挙げるとするならば、まずはビルド面は欠かせない。
本作では非常に多様なビルドが行えるようにデザインされている。

まず、武器には”戦技”というものが設定されている。
これ自体は過去のソウルシリーズにも同様のものが存在したが、本作では戦技を自由に付け替える事が可能になった。
自分好みの武器で、自分好みの立ち回りが出来るカスタマイズ性が拡張されている。
ただし、ユニーク武器には固有の戦技が設定されており、それを変更する事は出来ない。
また、全ての戦技がバランスが整っているかというとそういう訳ではない。
強さ、使いやすさにはムラがあるため、結局は特定の戦技に頼りがちにはなるだろうという点は注意が必要だ。

エルデンリングのビルドにおいて最も特筆すべきポイントは魔術系統の台頭だ。
従来のダークソウルシリーズであれば戦闘のオプションとしての立ち位置が強く、主戦力として扱いにくかった。
しかし、本作では魔法が種類自体が豊富になっているだけでなく、その多くが非常に優秀な性能になっているのだ。
発生も早く、弾速も速く、ホーミング性能も良くなるなど、主力として扱うには十分すぎる程の性能だ。
また、敵は物理には強いが魔法系には耐性が低めな敵も多く、火力としても出やすい。
その上、武器の適正ステータスもある程度の魔法系ビルドのステータスが要求されるものも多い。
本作では特別なこだわりがない限りは脳筋一辺倒ではなく、魔法がしっかりと扱えた方が攻略が行いやすいバランスにデザインされている印象だ。
器用貧乏になる事を恐れずにビルドをしても問題ないだろう。

その他の細かいビルド部分も紹介しておきたい。
一部の防具は外套をオミットして軽装化することが出来る。
軽量化すると防御力も少しだけ弱くなるが、自身のビルドの重量を考慮してオミットしてみるのも選択肢として存在する。
もちろん、オミットした後に再装着させる事もできるので安心して大丈夫だ。
見た目や重量や性能面を考慮して装備を設定するのも楽しいだろう。

回復アイテムの1つである「霊薬」というものがあり、こちらは使用時の効果をカスタマイズできる。
霊薬は一度の使いきりで、チェックポイントで休憩しない限り再使用はできない回復アイテムとなっている。
この霊薬は体力の回復効果を設定できる事はもちろん、一時的に攻撃力を高める効果を設定できたりする。
自分のビルドにマッチした設定や戦う相手にマッチした設定を霊薬に組み合わせる事が可能になっている。
なお、設定できる効果の種類もフィールドの探索を行っていくうちに増えていく事になる。

 

バトル

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より幅広い立ち回りができるようになったバトル

ここでは本作のアクション面での要素について記載しておきたい。
まず、シリーズ同様に基本的な攻撃要素は健在だ。
装備している武器に応じたモーションでの攻撃を弱と強とで使い分ける事となる。
そして、敵と立ち回る際には回避や盾を装備しているならガードするのも有効だ。
ソウルシリーズの代名詞とも言えるパリィからの致命の一撃ももちろん健在で、腕に覚えがあるならば積極的に活用するのが良いだろう。
印象的なSEから大きなダメージを叩き出すのは非常に爽快だ。
なお、これらの要素は全てが必須という事ではなく、自分のビルドにマッチした行動だけ選択すれば問題ない。特に初心者は無理に全ての要素を駆使して戦おうとせずに、まずは特定の行動の練度を上げていくのが基本だろう。

基本的な操作感はダークソウルシリーズ路線の本作だが、SEKIROを彷彿とさせるような要素も加わっている。
まず、ジャンプ用のボタンが割り当てられており、任意のタイミングでのジャンプが行える。
敵の攻撃を回避する事に使える事はもちろん、ジャンプ攻撃も行いやすい。
特にジャンプ攻撃を強攻撃で行った場合には扱いやすさの割には相手を怯ませる性能が高いため、装備している武器によってはジャンプ強攻撃での一撃離脱などもオススメできる。

更にステルスアクションも存在する。
草むらに隠れたり、ゆっくりと背後から近づいたりする事で致命の一撃(バックスタブ)を取る事が可能になっている。
フィールド探索や攻略の際には敵の巡回ルートの把握なども重要なファクターになっている。

本作が過去のソウルシリーズと明確に異なる立ち回りの要素は「遺灰」だ。
遺灰はNPCの仲間を任意に召喚できる要素である。
これは自身の能力値に関係なく、FPさえ消費すれば仲間NPCを召喚して共闘して戦えるというものだ。
過去シリーズではオンラインで他プレイヤーと協力プレイが行えたり、あるいは特定のボスや特定の条件を満たした場合に仲間NPCと共闘できたりしたが、本作では任意に呼び出しという形でNPCと共闘が行えるようになっている。
遺灰には多数の種類があり、遺灰によって戦い方の個性が異なる。自分の戦術にマッチした遺灰や自分好みの遺灰を活用すると良いだろう。
また、遺灰は強化も行えるのでお気に入りの遺灰があれば積極的に強くするのが望ましい。
NPCと任意に共闘できるため、攻略における強力な手助けとなるが、いつでもどこでも召喚できる訳ではない。
召喚可能ポイントが地味に限られており、ここぞというポイントでは使えなかったりと余り頼りにならない事も多い。
強化をしておくに越したことはないが、ゲームプレイの終始を遺灰によるNPC召喚前提で攻略しようと考えるのは無理があるだろう。
あくまでボス戦でのヘイト管理や時間稼ぎのつもりで考えておく事が大切だ。

なお、かなり簡易的ではあるがチュートリアル用のステージも用意されている。
以前にはテキストからどのボタンがどういったアクションなのかを読んだりするだけのケースもあり、そこから考えれば少しだけ親切になっている。
しかし、実戦的なチュートリアルと言う形ではなく、ケーススタディー的な側面が強いため、結局は習うより慣れろと言う荒療治の状況にはなるだろう。
数多く死に、数多くの試行錯誤を行い、操作の練度を高めていく事となる。
この辺りも「ストーリー」と同様に旧来のデザインをベースとしたルネサンス的な側面が強い設計思想だ。

 

フィールド/ダンジョン

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マップを駆使して探索する事になるオープンフィールド

エルデンリング最大の挑戦はフィールド構成だ。
フィールドはオープンワールド的なフィールドと点在するダンジョンによって構成されている。
大雑把に説明すれば広いオープンなフィールドは点在するダンジョンへのハブとしての役割であるが、ダンジョンやアイテムが様々な場所に隠されているためフィールド探索の能動的な楽しさが強調されている。
また、フィールドが広大になった関係から戦闘状態にならない限りは走り続けてもスタミナを消費しないようにもなっていたり、落下ダメージが抑えられていたりと探索重視のデザインの意図がしっかり汲み取れる。
目新しいものでこそないが、本作ではフィールド探索⇒キャラクター強化⇒更なるフィールド探索といったようなプレイサイクルの魅力が強烈に感じられるだろう。

シリーズ初となるオープンワールドの死にゲーと言う事で、それを考慮したフィールドの攻略フローチャートも大まかにデザインされているように見受けられる。
例えば、最初の地リムグレイブに隣接した土地は北のリエーニエと東のケイリッドがある。
リムグレイブの北には大ボスが存在しており、その先にリエーニエが存在しているという立地関係である。
これはリムグレイブの大ボスを倒すことを最後のチュートリアルとして位置付けているという事であり、それを乗り越えた先にリエーニエを始めとした更に広がる土地に行くことが出来るようにしているのだ。
ケイリッドは序盤でいくには明らかに敵が強く、暗に「今のお前が来るべき場所ではないエリアもある」ことをチュートリアルしている。
これによってプレイヤーに別の地域への探索を促す、あるいは逆説的に序盤でありながらかなりハードルの高い探索ポイントを用意していると言う事になり、このような構造にする事によって歴代ソウルシリーズのリニアに近い構造とは異なるオープンワールドの死にゲーである事を表現していると考えられる。

フィールドの全体はマップで確認する事が可能だが、そのエリアの地図を入手していない場合に関してはマスクされたような状態で表示される。ちょうど上図の右を参照するとイメージしやすいだろう。
しかし、地図未入手の場合でも、マスクされたマップから地図のある位置がなんとなく確認できるようになっている。
まずは地図のある位置を目指すようにすると良いだろう。

そして地図と言う要素は本作では非常に重要だ。
本作のフィールドは巨大な黄金樹や城・砦のような巨大構造物を除外すると、なかなかランドマークのようなものは見つけにくい。
黄金樹はともかくとして、興味を引きやすい城や砦が視界に入る間は良いものの、そのような構造物が常に見える訳ではなく、そのような場合にはマップが非常に頼りになる。
マップ上には明確ではないが探索のヒントとなるような書き込みも多数されている。
そのため、マップを確認してマーカーを付けて能動的な探索をするようにデザインされているのだ。
もちろん、マップ上からファストトラベルも可能だ。

この広いフィールドの移動を楽にするために霊馬トレントといわれるものに乗って素早く移動することが可能だ。
トレントは単純に移動を高速化する事はもちろん、特定ポイントで崖を一気に登るような移動ギミックもある。
また、トレントは呼び出せばすぐさま騎乗状態になるため非常に快適だが、これは騎馬戦にアクセスしやすくするための配慮だろう。

オープンなフィールドでは探索要素のほか、素材を収集してアイテムを作成することが出来るなど、近年のオープンワールド型のRPGの潮流もかなり意識して踏襲している。
素材は主張が控えめであるため、風景に溶け込んでしまうようなものもあるのでしっかりと確認した方が良い。

また、フィールド内にあるダンジョンは大まかには大型のものと小型のものの2種類で構成されている。これらのダンジョンはシームレスに出入りが可能だ。
入り組んだ大型のダンジョンは過去のソウルシリーズ同様に探索のやり応えがあるようにデザインがされており、小型のダンジョンは比較的サクッとプレイできるようになっている。
ダンジョンには様々なアイテム落ちていたり、宝箱に入っていたりと探索のやりがいが抜群だ。
その上、偽物の壁や見えない床などの一見するとわかりにくいギミックによって隠されているようなケースもあり、それらもまた能動的な探索を行おうと言うプレイヤーの意欲に直結している。
なお、入手できる一部のアイテムの説明文が探索や攻略の補助になるものもあるので、たまにでも確認してみると良いかも知れない。

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敵同士が敵対しているケースも

フィールドやダンジョン内には当たり前だが、手強い敵が跋扈している。
歴代のソウルシリーズから考えると一度に描画される敵の数が非常に多いシチュエーションが目立つ。
敵が10人以上の部隊として行動している事も珍しくないのだ。これは少し目新しさを感じられるポイントだろう。

また、敵同士にも敵対関係が存在する。
上図はまさに敵同士が争っているような状況なのだが、こういった混乱した状況を利用して戦わずに進行できるような場所もある。
敵同士はダメージ補正がかかるのか、ダメージ値はかなり低いので、漁夫の利を狙おうとしてもそこそこ時間がかかってしまうのでゲームプレイにとして非常に旨味があるようなものではないが、環境ストーリーテリングとして機能している側面が強いだろう。

更にフィールド上には敵とはまた異なる存在として動物達もいる。
鳥や猪といった動物達も存在しており、それらを倒す事でアイテム作成に役立つ素材を入手する事が可能だ。
ゲーム的な側面はもちろんだが、このような存在がいる事でも同様に環境ストーリーテリングとして世界観を表現しようと言う心意気も感じさせてくれる。

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自由な探索が可能となった弊害も

エルデンリングではかなり自由で能動的な探索がプレイヤーの心を鷲掴みする一方で、それによって少し困った部分も存在する。

本作はフィールド探索をかなり重視するような構造となった影響から、前述の通り落下ダメージがかなり軽減されている。
つまり、崖を降りていって探索するようなケースも多いのだ。
しかし、パッと見で通行可能な地形なのかがビジュアル上ではかなり曖昧になっているのは少し困ったものがある。
一見すると降りる事が可能な高度に見えても実は着地不可の地形だったり、足場として利用可能に見えるちょっとしたせり出し部分が実は足場として機能しない設定になっていたりと、どこまでが探索可能な領域なのかが視認だけでは判断しにくいのだ。
ここまで広いと細部までの対応は難しいのは重々承知だが、プレイヤーに「踏破できるかも」という変な期待をさせないように作った方が無難だろう。

ソウルシリーズはクリア後に周回が行えた。それは本作も同様だ。
しかし、本作はオープンワールド型で探索を重視している作品になっている事もあり、特に初見の1周にかかる時間は非常に長いものになる。
そのため、周回要素は本作との相性は良くないのが実態だ。
用意されていること自体は嬉しいが、周回プレイはあくまでもオマケの側面がより強くなっている。

 

ボス

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ダンジョンはもちろん、フィールド上も徘徊しているボス達

手強いボスが数多く登場することも忘れてはならない。
ボスのパターンは大きく分けて2種類で、通常通りのダンジョン内に鎮座しているもの、フィールド上を徘徊しているものだ。
特にフィールドを徘徊しているようなボスは無理に戦う必要はなく、敵対しても逃げ切る事も可能だ。

本作で少しユニークなのは新たな中間ポイント「マリカの楔」だ。
ダークソウルシリーズでは篝火を中継にしていたが、これは本作では「祝福」と呼ばれるものとなっている。
しかし、本作ではこれとは別のリスポーンポイントとしてマリカの楔といわれるものが用意されている。
マリカの楔はファストトラベルの地点としては利用できないが、リスポーン地点として利用することが出来る。
これは簡単に書けばボス戦専用の復帰ポイントとなっており、再戦のしやすさを強化するものとなっている。

ボスは明確な第二形態が存在するような相手は少なくなっているが、一部のボスは行動制御の意図が見えてこない雑に思えるようなデザインが散見される。
「難しさを売りにする」という事でその雑さを誤魔化しているのではないかとすら思える部分があるのは少々気になる所だ。
例えば、複数体と相手をする事になるボス戦において死角から容赦なく突撃してくるのは難易度が高いとは言えるが、果たしてこれはプレイヤーが自分の立ち回りに問題があったという納得感があるのだろうか。
「死にゲー」「難易度が高い」という言葉に甘えて、難しくなる条件だけ整えて設計しているようであれば問題だ。

 

グラフィック

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世界のディティールの良さはシリーズ随一

過去のソウルシリーズと比較してもフィールドのディティールが非常に細かくなっている。
全体的には退廃的な部分が多いが、大自然が非常に豊かに描かれているのは特徴的だ。

オープンワールドの概念を取り入れた事に併せて、近年(2020年前後)のトレンドに多いHUDの主張が少なくなるように最低限の情報以外は自動非表示となるように設計されている。

プレイヤーが装備する事になる武器・防具も非常に多く魅力的だ。
歴代と比べても種類が多く、自分の好みの装備が見つけられるのではないだろうか。

 

サウンド

オープンワールドとなった影響から過去のソウルシリーズよりもインタラクティブミュージック的な側面がより強くなっているのが特徴的だ。
基本的には環境音が流れているが、道中でボスと遭遇すればBGMが変化したり、更に第二形態に突入したりすると曲の盛り上がりも最高潮になる。
これらの戦闘曲も緊迫感がありつつも神秘的あるいは不気味な雰囲気のものも多く作品の空気感にも非常にマッチしているものばかりだ。

 

総評

Elden Ringはルネサンス的思想に基づくソウルシリーズの伝統を守りながら、その長所を大きく伸ばした傑作だ。

歴代ソウルシリーズ同様に奥深くも押し付けて来ないストーリーは興味のある人にも興味のない人にも親切だ。
能動的な探索が広大なフィールドでシームレスに行える事で止め時を失わせる。
そして探索によって手に入れた経験値や装備品によって作り上げるビルドも多様な方向性が成立するようにデザインされており自分好みのプレイスタイルが実現できる。
しかし、それでも凶悪な敵達が行く手を阻み、幾度となく死ぬ事となるだろう。
設計がイマイチに感じられる敵も存在するが、それを補って余りある強みが本作を輝かせている。

 

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【レビュー】ポケモン レジェンズ アルセウス

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遥か昔の、ポケモンの世界へようこそ

ポケモン レジェンズ アルセウス(以下、ポケモンレジェンズ)はポケモンの25周年記念の放送にて公開された衝撃を今も覚えている。
ポケモンが全く新しい方向性として広いフィールドとアクション性を取り入れている事は映像の時点で確認でき、どのような体験になるのか非常に興味深かった。

今回は新たなる挑戦であるポケモンレジェンズのレビューをしたい。

 

Pokémon LEGENDS アルセウス -Switch

Pokémon LEGENDS アルセウス -Switch

  • 発売日:2022/1/28
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

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人がポケモンを知っていく物語

ポケモンレジェンズは現代から過去の世界へと移動してしまったアバターが主人公となる。
謎の場所で神とも呼ばれる伝説のポケモンアルセウス”に「全てのポケモンと出会え」と言われ、それだけを頼りに過去の世界で冒険をする事になる。
その時代ではモンスターボールも開発されたばかりであり、更には人とポケモンの関係性も全く構築されておらず、ポケモンは人々を襲う畏怖の存在として扱われている時代となっている。
実際にポケモンに襲われて村が壊滅したり、死人も出ているようで、作中においても「死んでしまうぞ」といった内容が何度も言われるのだ。
また、過去の時代であるためか、人々は従来のポケモンシリーズでは考えられない程に排他的な雰囲気も印象的である。
ポケモンシリーズにおいてこれ程までにポケモンという存在を警戒し、「死」という概念も前面に表現しているのは珍しい。

物語ではメインやサブのクエストを消化する事でポケモンを畏れる人々が徐々にポケモンと共存し、仲良くなっていく姿を見ることが出来るのが本作の興味深いポイントになるだろう。
そして、ほんのりと語られる設定もダイアモンド/パールを筆頭に過去のポケモンシリーズの情報や出来事とリンクしているのではと思わせる部分が多く、シリーズファンにとっては考察するのも楽しいハズだ。

 

システム

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ポケモン初のシームレスな捕獲と戦闘

ポケモン レジェンズではオープンなフィールドでシームレスに捕獲や戦闘を行うのが最大の特徴で、歴代のポケモンシリーズにおいても夢に見たような要素だ。
この広いフィールドに行くにはコトブキムラという人々が暮らす拠点がハブとなり、そこから各フィールドに赴くと言う形式を採用している。
他作品の例えで恐縮だがモンスターハンターのような構成をイメージすると伝わりやすいだろう。
そのため、オープンワールドというよりはセミオープンワールドのようなイメージをするのが正しい。
また、広いフィールド内ではファストトラベルももちろん可能で、実際に実行しても非常に高速に処理されるためストレスフリーである点も素晴らしい。

広いフィールド内には多くのポケモンが闊歩している。
フィールドで出会う野生のポケモン達はプレイヤーを見つけると逃げ出すようなものもいれば、好戦的で攻撃を仕掛けてくるものもいる。なかには「オヤブン」と呼ばれる強力な個体も存在しており、ストーリーを始めた序盤からでも高レベルのポケモンとしてフィールドを徘徊しているため「森の中でクマやイノシシに出会う」ような怖い雰囲気も味わえるだろう。
更に草むらなどに隠れてポケモンに見つからないように観察していると昼寝を始めたりするケースもあったり、昼夜の概念もあるため夜にしか出会えないポケモンもいたり、他にも特定のポケモン固有の行動が確認できるケースもあり、何よりもそれらが全てシームレスに表現されているのは嬉しいポイントだ。
しかし、様々な形でポケモンの「らしさ」を表現しようと言う心意気は感じられるのだが、濃密なインタラクトや生態系・生活感と言った相互関係性という側面においてはまだまだ途上であり、その点に関しては今後の展開に期待したい部分だと言える。

これらのポケモンモンスターボールをシームレスに投げる事で捕獲する事も可能である。
モンスターボールはしっかりとエイムして投げる事になるが、レティクルが表示されるため狙いを定めて投げる事は決して難しいものではないので不慣れな方も安心して大丈夫だ。
捕獲の際にはポケモンの背面からモンスターボールを当てられれば捕獲の確率が上昇するが、油断した状態であれば更に捕獲しやすくなる。
油断した状態とは前述の昼寝しているときの事だったりするが、能動的に油断を誘うためにはエサを投げて食事をさせる事も有効となる。
これらを駆使して上手く立ち回る事で効率的に捕獲していく事が可能なハズだ。
また、本家シリーズのようにポケモンバトルに持ち込んで弱らせた状態で捕獲する事ももちろん可能である。
その場合、モンスターボールを狙って当てる必要がなくなってしまう。その点に関しては一長一短に感じられるポイントだろう。

ポケモン以外にもフィールドには様々な場所に素材が落ちておりフィールド探索への導線としている。
これらは自分が捕まえたポケモンを用いる事で入手する事も可能となっており、例えば木の実などはポケモンの力を借りる事で採取することが出来る。
ポケモンの協力によって入手した素材は、エサとして利用できるものも多いが、モンスターボールを始めとした道具をクラフトするために活用するのが基本となる。
そのため、大量に素材を取る事になるが、1つ1つの入手は非常に軽快であり、またポケモンを駆使すれば複数に作業分担するような形でアイテムを採る事もできるのでかなり軽快だ。

フィールドの構造自体も探索したくなるデザインになっている点もポケモン捕獲や素材入手のモチベーションにも繋がっているのだろう。
例えば、一定の斜面であればプレイヤーは踏破する事が可能なのだが、それを駆使してなんとか無理矢理突破できないかをついつい試したくなってしまうのだ。
ストーリーが進行すればポケモンに乗ったりする事で移動が拡張されていくのだが、移動方法が拡張されるたびに「だったらこういう事できないかな」と試行錯誤していく楽しさもある。
とは言え、最終的には空を飛んで移動が出来てしまうため、そこまで移動方法が拡張されてしまうと快適である反面、試行錯誤可能な範囲がグッと下がってしまうのは少々寂しく感じられるかも知れない。空を飛んだ状態であっても、なにかプレイヤーに試行錯誤ができる余地を残したフィールドデザインとなっていると更に嬉しかったように思える。

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細かなタスクについつい手を出したくなる

広いフィールドの探索の導線もさることながら、本作において最も止め時を失わせるのは「図鑑タスク」という要素だ。
図鑑タスクとは「たくさん捕まえる」、「特定の技を使用する」などポケモン個別に設定されたタスクが用意されており、それを完了する事で研究レベルが向上し、図鑑が追記されていく要素となっている。
このような1つ1つは非常に簡単なタスクがポケモン個別に用意されているために、進捗のフィードバックのサイクルが早くがみるみると進んでいく感覚が得られる。
その結果として「ここまで来たらこっちのタスクも完了させてしまおう」がエンドレスに発生するのだ。
なお、このタスクは未捕獲のポケモンであっても完了するが、捕まえた状態にしていないと埋まった扱いにはならない事は注意が必要だ。
そして、ポケモンをたくさん捕まえるとフィールドで捕まえたポケモンに応じて報奨金が貰え、これが本作のマネタイズにもなっている。

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従来とは少し異なる戦闘

攻撃を仕掛けてくるポケモンがいると前述したが、本作ではポケモンがプレイヤーを直接襲ってくる。
そのため、人間であるプレイヤーにもダメージの概念があるのだ。ただし、プレイヤーは明確な数値的なHPがある訳ではなく、ダメージを喰らうと画面の隅が墨の縁取りのようなものが表示され、戦闘状態が解除されると時間経過で回復する。シューター系列の仕組みのイメージを持つと伝わる人もいるかも知れない。
攻撃を貰わないための行動として回避を行う事ができる。回避は無敵フレームの発生も早く、持続も非常に長いため相手の攻撃をいなすのも難しいものではない作りだ。
とは言え、被弾してしまいヤバいと思った場合には逃げてしまうと良いだろう。
もしも、プレイヤーが倒されるといくらかのアイテムを喪失するが、失ったアイテムはネットワーク上の別のプレイヤーが拾ってくれる事で返却される緩めに繋がるオンラインの要素となっている。
逆に、誰かが喪失したアイテムを拾うとアイテムと交換ができるポイントをリワードが貰える。

フィールド上にいるポケモンに対して、手持ちのポケモンを投げると戦闘が開始される。
戦闘は背後からボールを当てれば有利を取れるため積極的に狙うのが好ましい。
ポケモンバトルは本家とは少しだけ異なり、純粋なターンベースではなく行動順を意識するものとなっている。
最も単純なものでは素早さが高いと行動順に影響があり、ケースによっては二回連続行動すら可能だ。
更に、「でんこうせっか」などの技には行動順にも影響を及ぼせるものがあり、そのような行動を選択する事でも二回連続行動が行える可能性が出来る。
更に更に、各種技は条件が整えば早業と力業の2つが選択可能になる。
早業は威力に欠けるがその後の行動順が早くなり、力業は威力はあるがその後の行動順が遅くなるという、ベースになる技に特性を追加させる事が出来る要素もある。
これによって例えば、早業によって二回行動を可能な状態にして、二回目の行動の際には力業によって強烈なダメージを与えるといった戦術を取る事ができる。
もちろん、このような戦術は相手も行って来るので行動順には常に気を配る必要がある。

二回連続行動が行えると言う事は、本作は素早さなどによって行動順が決定してからコマンドを選択する形式であるという事である。
これは本家ポケモンのようなコマンドを選択した後に素早さ参照による行動順の判定が行われる構造の場合には、レベル差などによって素早さに大きな差があると一方的に蹂躙されるしかないが、本作の場合には自分のターンには必ず何かしら行動が行えると言う事である。
言い方を変えれば、どこかで必ず自分がのターンが巡ってくるのだ。
つまり、これを駆使すれば10~20レベルの差がある相手でも無傷では難しいがジャイアントキリングが十分に可能となっているのは大きな違いだろう。

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細部にも取り扱いが少し異なる

本作ではその他の従来の要素の扱い方も少し異なるものになっている。

例えば技の取り扱いにも変化がある。
覚えられる技の数は変わらず4つなのだが、使える技に関してはメニューからいつでも入れ替え可能になっている。
そのため、どの技を使用するかを臨機応変に気軽に選択しやすい。
また、弱点タイプにおけるいわゆる4倍弱点なども弱化されており、相対的にタイプ一致技の重要性も増しているので、技を選出する際の目安とすると良いだろう。

ポケモンの進化方法に関しても少し変更されている。
ポケモンの進化にはレベルだったり、懐く度合いだったりが必要になるケースが多く、その条件自体はそれほど大きな違いはない。
しかし、進化する時には条件を満たした場合に任意に進化させる形となる。
これはゲーム側からシームレスな体験を分断しないようにするための配慮だろう。

このように色々な面でプレイの快適さに繋がる工夫がなされている。

 

グラフィック

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美しさのある魅力的な環境

ポケモン レジェンズの映像表現面では解像度がやや低くジャギー感があり、またLODが少し粗い。
また、遠景のポケモンのフレームレートは生成初期頃(?)はフレームレートが極端に落ちるのも少し気になるが、少し時間が経てば安定するようだ。
とは言え、草木や空・雲などの美しい自然は素晴らしいポイントだ。

操作時には基本的に三人称視点となるが一人称視点にも切り替えられる。
一人称視点では等身大のポケモン世界が見られるのはもちろん、HUDが全て非表示となる点も嬉しいポイントだ。
また、芸が細かいポイントとして急な反転、坂では歩きが専用のものに変化するほか、室内では靴を脱ぐ。
雨が降れば手で雨粒を確認するような仕草を行い、水に濡れればテクスチャーにも変化が見て取れる。この辺りも地味ではあるが世界への没入を一段階上げてくれる大切な部分だと言えるだろう。
プレイヤーキャラクターに関しても髪型や髪色、衣装を変更できるので、好みのオシャレをすると良いだろう。
しかし、セーブ画面に表示されるアバター画像が初期設定のままで、設定した髪型や髪色が反映されないのは少し寂しい仕様だ。

ポケモンに関しても数値的な能力面だけでなく、体格にも微妙に差異がある。
また、背面からモンスターボールを当てたり、戦闘中にはポケモンが力業や早業で攻撃するとヒットストップのような演出があり爽快な手応えがあるのも良いエッセンスとなっている。
手持ちのポケモンはフィールド上に出す事が可能だが、話しかける程度のインタラクトしかなく、連れ歩けたり、エサをあげられたり、撫でられたりといったインタラクトが欲しかった。

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部屋の雰囲気も良い

コトブキムラには自室が用意されている。
外装はもちろんだが、内装も和風で、囲炉裏や布団や畳などの古風なレイアウトはどこか居心地が良い。

この自室にはコレクションアイテムのようなものを入手する事でオブジェクトを増やせるやり込みのような要素もある。

 

サウンド

基本は環境音が主体であるが、和ロック感ある戦闘BGMやフィールド上で状況に応じて流れるポップなBGMや少し神秘的で不気味なBGMは印象的だ。
細かい演出の部分では草むらに潜んでいるとBGMもくぐもった感じになる。
SEは室内ではリバーブするなどの違いも見て取れるが、ややリバーブが強すぎるように感じなくもない。

本作のBGMはダイアモンド/パールのアレンジないしフレーズが随所に引用されている。
例えば、終盤に聴く事になる「戦闘!ディアルガパルキア」のアレンジBGMは最高だ。
何度も聴く事になる笛の音はダイアモンド/パールのタイトルで聴く事のできるSEになっているなどファンサービスが豊富である。

その他の音声関連で印象的なのはピカチュウイーブイの鳴き声が昔のような電子音へと回帰した点だろう。
特にピカチュウに関してはかなり久しぶりに電子音版を聴いたため非常に懐かしい気持ちになった人も多いのではないだろうか。

 

総評

ポケモン レジェンズ アルセウスは様々な面でポケモンの新たな挑戦を行った作品だ。

ポケモンを畏れる人々を描くストーリーは今までのシリーズにはない角度でのポケモンの表現となっている。
広いフィールドでシームレスにポケモンを捕獲するという今まで夢に見たような体験は嬉しいだけでなく、非常に細かいタスクが用意されている事によって止め時を失ってしまう中毒性もある。

ARPGポケモンシリーズとして是非とも今後の展開にも期待したくなる1作だ。

 

外部記事

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【公式】『Pokémon LEGENDS アルセウス』プロモーション映像 - YouTube

【レビュー】Dark Souls Ⅲ

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火は陰り。王たちに玉座なし。

Dark Souls Ⅲ(以下、ダークソウル3)は「死にゲー」の総本山フロムソフトウェアが開発したダークソウルシリーズ最後の作品だ。

筆者にとってはPS4自体もBloodborneも同様に「ソウルシリーズをプレイしたいがために購入した」と言っても過言ではなく、非常に待ち遠しかった一作だった。
また、本作がダークソウルシリーズの最後となる予定である事が公表されており、寂しい気持ちになっていた事も確かであった。

今回はダークソウル3のレビューをしていこう。

 

DARK SOULS III 特典無し [PlayStation4] - PS4

DARK SOULS III 特典無し [PlayStation4] - PS4

  • 発売日:2016/03/24
  • メディア:Video Game
 

 

ストーリー

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シリーズファンが喜ぶ集大成

本作のストーリーは過去作のシリーズと同様にストーリーを理解しなくても、サクサクと進める事ができる。
もしも、本作の退廃的な世界観に興味を持っているのならアイテムなどのテキストから見られる無数の点を繋ぐようにストーリーの背景を想像して楽しむことが出来る構造になっている。
ゲームプレイを邪魔する事の無いストーリーの描き方は評価されるべきポイントと言えるだろう。

本作は過去作と同様にストーリーの語り方は「プレイヤーが察すること」が主体となっている。
時にはNPCのセリフ内容から、時にはアイテムに記載されているフレーバーテキストから、時には敵の出現位置や行動などから察するのだ。
何故このセリフを言うのか、何故このアイテムにこの人物の名が登場するのか、何故ここでこの敵が出て来るのかなどなど、様々な要素に"点"が残されており、それらの点をユーザーが想像しながら線を結ぶように構築されている。
2Dドット全盛だった頃のJRPGのようなプレイヤーに委ねる部分が多いストーリーテリングは印象的だろう。

ダークソウル3特有の大きな特徴としては歴代のダークソウルシリーズのキャラクターやアイテム、あるいはそれを彷彿とさせる存在が登場する点だろう。
シリーズファンが喜ぶ要素がふんだんに散りばめられた集大成のようなストーリーはゲームを進めていく事で感慨深い気持ちになる事は間違いないだろう。
特にゲームの中盤頃に訪れる事になる「とある場所」は初代ダークソウルをプレイしていたプレイヤーにとっては鳥肌ものの感動があるハズだ。

このような書き方をすると初心者プレイヤーは付いていけるのかと心配になるかも知れないが、その点に関しても全く問題ないと断言できる。
前述の通り、ダークソウルシリーズではストーリーの理解度の大小が体験に大きな影響を及ぼすものではないため、シナリオを全く理解しない状態であっても十分に楽しいゲームプレイ体験する事は十分に可能だ。

 

システム

本項ではシステム関連について記載する。

 

フィールド

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探索しがいのあるフィールド

ダークソウル3においてもダークソウルシリーズ特有の探索しがいのある魅力的なフィールド設計は健在だ。
じっくりと探索して見つける事が出来た宝箱を開ける瞬間のワクワク感はダークソウルシリーズにおいて最もワクワクする時間の1つだろう。
本作では過去シリーズと比較すると見えない壁に遮られた隠し部屋などは少なくなり、しっかりと探索していればある程度は網羅可能になっている印象を受ける。
とは言え、探索のやり応えが減ったという事はないので安心して大丈夫だ。

篝火と言うチェックポイントの設定も変わらずだ。
篝火とはボスを除いた全ての敵がリスポーンする代わりにHPなどが全回復して休憩できるチェックポイントのようなもので、ダークソウルシリーズでは篝火から次の篝火を目指すまでを1つのゲームプレイサイクルとしている。
本作の篝火は最初からファストトラベルを行うことが可能で、一本道のように進行していくゲームプレイでありながらも、火継ぎの祭祀場というレベルアップやショップといった機能を有した場所を疑似的なハブのように利用する事もできる構造となっている。

初見殺しのようなフィールド設計もある程度は健在だ。
とは言え、全体的には陰湿すぎるような敵配置や状態異常攻撃は控えめになっている印象で、比較的素直な構造になっている。
詳しくは後述するが、本作ではアクション面が強化されているため、そのバランスを鑑みた結果としてフィールドでの陰湿なレベルデザインは抑えたのではないかと思える。
つまり「数々の初見殺しによって死にゲーにする」のではなく、「純粋に強い敵を用意して死にゲーにする」ようにシフトしているのだ。
この路線のシフトは後作である「SEKIRO」がより顕著に反映されているといえるだろう。

本作ではフィールド探索を助ける要素が追加されている点は興味深い。
フィールド上の敵を倒すと確率でHPを回復するためのアイテムであるエスト瓶の使用回数が復活する事があるのだ。
ダークソウルシリーズでは上述した篝火から次の篝火へと進むようなA地点からB地点に行くという行為はHPの消耗戦と等しかったが、この要素によって次の篝火までの希望の道筋が見えたように錯覚させてくれる事もある。
この要素は本当の意味での希望の光ではなく、「行けるかも知れない」という期待感を煽ってくれているのだ。
本要素は微々たるものではあるものであり、ゲームが劇的に変化するような内容では無いのだが、フィールド攻略に一役買っている要素の一部だとは言えるだろう。

 

バトル

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スピード感の上がった到達点となる戦闘

ダークソウル3の戦闘は本作よりも先に発売されたBloodborneのノウハウが活かされたのか、全体的にスピード感が増したアクションに変化を遂げた事が特徴だ。
自分も敵もより自然でキビキビとしたモーションとなり非常に見栄えがカッコ良くなっている。
その代わり、全体的にキビキビと動くようになった影響で予備動作となる前隙が短くなり攻撃や回避、パリィなどの難易度は若干上がっている印象で、ダークソウルシリーズの中では最もアクション部分の難易度は高いだろう。
特にパリィからの致命の一撃はソウルシリーズの代名詞とも言える要素であり、爽快感や敵に対しての征服感が満たされるためガンガン成功させたい所ではあるが、見極めが難しくなったため過去作程は行動としてホイホイとは採用しにくい。
例えば上図は敵の攻撃をパリィしている所だが、過去作においては予備動作をしっかりと見極めれば初撃をパリィする事も容易かったが、本作では「初撃を盾で受け、二撃目をパリィする」といった手段の方が比較的パリィをしやすいように感じる。
また、過去作のダークソウルでは敵をロックオンした際の回避方向が前後左右の4方向だけだったが、本作では斜め方向にも回避が行えるため、細部のアクションが快適なプレイフィールとなっている。

本作は上述の通り歴代の中でもスピーディーな戦闘になっているため難易度も上がっているし、そもそもとしてダークソウルシリーズと言えば難易度が高い「死にゲー」と言う印象が先行しがちだろう。
しかし、実際にはレベルアップによってステータスをアップさせられたり、武器が強化できたりといったRPG要素のおかげで懐が深い設計である点は相変わらずだ。
過去作と同様に時間さえかければ多くのプレイヤーがクリアまで到達する事が可能だと思って良いだろう。

本作の戦闘においては攻撃、ガード、キックの三竦みの重要度が増している。
この三竦みは格闘ゲームにおける攻撃、ガード、投げの関係に等しいものだ。
ダークソウルではHPとスタミナを管理していく戦闘システムとなっている。
攻撃は想像の通り「相手のHPを削る」という役割を持った行動だ。
ガードは相手の攻撃を防ぐ役割を持っている。
そしてキックは相手のガードを崩す役割を持っている。
連続攻撃を仕掛けてくる相手には盾でガードを固めつつ後隙を攻め立て、盾を構えるガードが堅い敵にはキックなどで切り崩し、キックでガードを崩そうとしてくる相手には攻撃で出ばなをくじくのだ。
この三竦みが全ての敵で成立するとは限らないが、基本的には…特に人型の敵に対してはこの関係性がベースとなっていると考えて良いだろう。

本作の問題点を挙げるとするならば思い付くものはただ1つで、それはロード時間だ。
サクッと死にやすいという本作のゲームプレイの性質を考えると、死んでから復活するまでのロードがやや長いのはストレスに感じてしまう事は多いだろう。
これは誤解をしないで頂きたい部分でもあるのだが、本作はロード時間自体が特別に長い訳では無い。むしろロード時間は一般的なレベルだ。
しかし、トライ&エラーを繰り返す事が主体の本作においては「普通のロード時間」では残念ながらストレスに繋がってしまう。
もう少しロード時間が早く出来れば本作に死角は無かった事だろう。

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初心者に洗礼を与えるチュートリアル

本作のチュートリアル部分も興味深い構造だ。
ゲームプレイがスタートすると必要最低限の操作方法だけを提示され、そこから少し進めば早くも最初のボス「灰の審判者 グンダ」が登場する。
このチュートリアルのボスである灰の審判者を攻略しない限りプレイヤーはレベルアップをする事も、武器を整える事も許されない。
しかし、この灰の審判者グンダはチュートリアルとは思えない初心者を谷に突き落とすようなボスなのだ。
HPが半分ほど削れると当たり前のように第二形態になり攻撃パターンが変化するなど、攻撃やガード、回避と言ったダークソウルの基礎の操作がしっかりと身に付いていなければ攻略する事は出来ない。
かなり荒療治な手法ではあるが、この灰の審判者グンダを倒せている頃には一通りの操作は自然と出来るようになっているハズだ。
むしろ、灰の審判者グンダさえ倒せれば、本作をクリアするのに必要なスキルと知識は整った状態になっていると言えるだろう。

ストーリーテリングの手法も同様だが、この辺りのデザインも古来のゲームデザイン的でありルネサンスの一面があると言えるだろう。

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第二形態が当たり前となったボス達

前述の灰の審判者グンダも然り、ダークソウル3のボス戦では「第二形態」が存在する事が当たり前になっている点は特徴的だ。
HPが半分になったり、HPを削り切ると復活したりして第二形態へと移行する。
第二形態では攻撃パターンが増えたり、攻撃方法が変化するため立ち回りの仕方をより多く覚える必要がある。

ボス戦も前述の通りスピード感が上がっており、初見では隙が見出せず手も足も出ないような場合もあるが、何度も戦ううちに相手の攻撃が見切れるようになっていくのは自身のプレイヤースキルの向上をハッキリと感じられる本作の醍醐味の1つとなっている。
もちろん、攻略が厳しいと感じるのであれば自身のレベルを上げる事で幾分かは楽に戦えるようになるので、自身の技術と天秤にするのが良いだろう。

 

Ashes of Ariandel

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ダークソウルシリーズの限界点

ダークソウル3DLC第一弾として登場したのが「Ashes of Ariandel」である。

このDLCでは新たなボスはもちろんのこと、本編には無かったような一癖のある武器が多く用意されているのも特徴的だ。
フィールド構造も探索しがいのある仕掛けが用意されており、プレイヤーの好奇心を掻き立ててくれるハズである。

少々ネタバレとなってしまうため気になる人は読み飛ばして欲しいのだが、このDLC第一弾での最大の驚きはソウルシリーズとして初となるボスの第三形態の実装だ。
これまでのボスは全て第二形態までであり、「やった。倒した。」と思ったのも束の間、まさかの第三形態となってプレイヤーの前に立ちはだかる時の絶望感は衝撃的だ。
第三形態のボスと言うのは純粋な強敵となるが、とは言えこのようなゴリ押しの難易度上げという方向性に関してはシリーズとしての限界も感じさせる。
もしも続編が制作されたとして、その続編において第四形態が登場したとしても、純粋に敵が強化されていくという要素には目新しさも無くなってしまい、逆にどんどん単純な強さだけがインフレしていくという環境はプレイヤーの間口を狭める結果にしかならないからだ。
そのような意味として本作をシリーズのラストとするのも頷ける。
まさに「ソウルシリーズの限界を出し切った」と言えるだろう。

 

The Ringed City

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ダークソウルシリーズの集大成

ダークソウル3DLC第二段として登場したのは「The Ringed City」だ。

このDLC第二段はシリーズファンにとって嬉しい要素が満載になっている集大成のような追加要素となっている。
初代ダークソウルやダークソウル2で登場したステージの成れの果てを感じさせるものが多く、感慨深い思いが湧く事だろう。
シリーズファンでなくとも更なる装備の追加や探索しがいのあるフィールドの追加といった面で楽しめる内容は多く用意されているが、シリーズファンであればより深く楽しむ事が出来るようになっており必ずプレイして欲しい要素だといえる。

 

グラフィック

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儚く美しい退廃的な中世ファンタジー

ダークソウル3でも退廃的な中世ヨーロッパの雰囲気は健在だ。
全体的なグラフィックも過去のダークソウルシリーズから大きく進化しており、絶望的でありつつも美しい世界観を見事に表現している。

 

サウンド

死闘を演出するボス戦BGMは健在だ。
特に二段階変化が当たり前となった本作ではBGMの変化も聴きどころだ。

その他、室内ではSEの残響など質が変化するような細かいポイントもしっかりと作られている。

 

総評

ダークソウル3はダークソウルシリーズの完成形であり、限界点であり、集大成でもある作品だ。

難易度の高さこそあるものの、ステータスや武器の強化が可能であるため幅広いプレイヤーが自分のペースで進めていく事ができる懐の深さは魅力的だ。
また、探索しがいのある妖しさ満点の退廃的で美しいフィールド構造も素晴らしい。

シリーズファンであれば必ずプレイして欲しい作品に仕上がっているのはもちろんだが、シリーズ初心者が「シリーズの美味しい部分だけを堪能したい」と言うのであれば本作だけをプレイする事もオススメできる内容にもなっている。

 

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【レビュー】Lost Ember

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駆けろ

Lost EmberはドイツのインディーメーカーであるMooneye Studiosが開発した狼を代表として様々な動物になってフィールドを走り回れるゲームだ。
狼(動物)となってフィールドを走り回れる作品と言えば大神やゼルダの伝説 トワイライトプリンセスが大好きだった筆者には嬉しい要素だった。
そんな要素に惹かれてプレイしようと思った作品なのだ。

今回はLost Emberについて紹介したい。

 

 

ストーリー

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人の足跡を辿る物語

Lost Emberのストーリーの主軸は人間の親子の物語だ。
ストーリーでは人間たちの機微を中心として構築されているが、その描き方は言葉を解さない動物たちを介している点は面白い。
プレイヤーが操作する事になるのはオオカミだ。
オオカミは偶然に、いや運命的に出会う事になった人間の魂と共にかつて存在した人間の足跡を頼りに各地を巡り、人間がいた時代に何が起きたのかという謎を紐解いていく。

本作の世界観では人間が死後にヴァルハラのような世界である「光の都」に行く事になるのだが、それに至る事が出来なかった者が光の都を目指して旅をする事になる。
ストーリーではなぜ光の都に行く事が出来なかったのかを人間の魂が語り掛ける形で知っていく。
ストーリーは一本道でフィールド上にあるポイントを巡る事で進行するオーソドックスな構成だ。

人間の魂が進行をナビゲーションしてくれる立ち位置ではあるのだが、魂が進行方向を教えてくれたり、喋りかけると何をすれば良いのか教えてくれるという事はほとんどない。
難易度が高いという事はないのだが、ナビゲーションはそこまで親切ではないため、次にどこに進めば進行するのか少々わかりにくいと思う事はあるかも知れない。

ストーリー進行の一部にはQTE的な操作を要求される場面があり、失敗すると直前のチェックポイントまでやり直しとなってしまう。
猶予時間は非常に長く、入力するボタンも簡単であるため、非常に易しいQTEではあるが少々面倒な仕様だと思う場合もあるだろう。

本作には一応は上述のようなストーリーらしい部分があるにはあるのだが、ストーリーがメインディッシュとなるようには作られていない点は知っておくべきだろう。
様々な動物となってフィールドを駆けまわる雰囲気を味わう体験こそが中心であり、ストーリーはあくまでもオマケの側面が強い。

 

システム

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大自然を駆ける

Lost Emberは様々な動物を操作して大自然のフィールドを駆けまわる事が出来る。
メインの操作はオオカミであるが、オオカミには「魂替え」という能力が備わっており、これを使用する事で様々な動物に移り変わる事ができる。
魂替えが可能な動物は陸棲のものや鳥、魚まで可能で、様々なシチュエーションでの体験できる。
陸海空とプレイシーンがシームレスに移り変わるが、その操作性は非常にシンプルにデザインされているため、どの動物に変わってもストレスなくプレイできるのは良く出来ている操作性だ。

各種動物は食事や休息するといった操作をする事ができる。
これらの操作は実行して何かリワードがあるという訳では無いが、動物が生きる世界観に厚みをもたらしている。
非常に可愛らしいアクションも多いので、やってみると和む事だろう。

本作はストーリードリブンな一本道なゲームではあるが、フィールドは適度な広さを有しており、動物で走り回ったり、鳥で飛び回るのには十分だ。
フィールド上には宝物やキノコなどの収集要素が隠されており、美しいフィールドを隅々まで探索するだけでも楽しめる。
しかし、探索は楽しいのだが勢いに任せてあちこちを走り回っていると地形にハマってしまう事がままあり、そうなってしまうとチェックポイントから再開しなくてはならない事があるのは気になる所だ。

本作は「様々な動物を体験できる」という雰囲気を楽しむ事に主眼を置いた作品だ。
そのため、ゲームらしい”駆け引き”を楽しむようなものではない点は注意が必要だ。

 

グラフィック

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美しい大自然のフィールド

キャラクター造形はスタイライズされたモデリングを行っているが、大自然のフィールドはフォトリアルとスタイライズの中間的な映像表現になっている。
フィールドは草木が生い茂る大地から、砂漠のような地形まで様々に用意されており、そのフィールドを様々な動物になって駆け回ることが出来るのは爽快だ。
人間がかつて暮らしていた都市(遺跡)はマチュ・ピチュのような山岳都市を彷彿とさせる構造になっておりエキゾチックな雰囲気を感じさせる。
GUIやHUDは最小限に構成されており、どこを見ても美しく映える。

動物たちのモーションもとても良く出来ている。
動物はスティックを急転換するとブレーキするような動作になるなど細部まで作られている。
リアクションも良く、強風が吹いている場所では風の向きに合わせて体を傾け風を受けないようにしているなど芸が細かい。

なお注意点も記載したい。
筆者は今回、Nintendo Switch版を購入してプレイしたのだが、最適化がやや不足している印象を受けた。
ゲームが一瞬ハングしたようにフレーム落ちが発生する事があるのは勿体ない。

 

サウンド

全体的なBGMは安らぎのある落ち着いたものが多い印象的だ。
特に最終盤にはBGMにシームレスにボーカルが入るように演出されるインタラクティブな作りも印象的だ。

 

総評

Lost Emberは大自然を動物になって走り回る爽快さの体験にフォーカスした作品だ。

オオカミとなって草原を駆け、魚となって水中を泳ぎ、鳥となって荒野を飛ぶ。
様々な動物となってフィールドを探索する内容はコンセプトに忠実でシンプルにまとめ上げられ、操作性もわかりやすくストレスなくプレイする事ができる。
また、動物たちが活き活きと走り回れる大自然のフィールドも魅力的と言えるだろう。

ストーリーも用意されてはいるが、ほとんどオマケ的な側面が強い。
ゲームプレイ部分においても、駆け引きが存在する訳では無い。
そのため、ゲームらしい要素も少し用意されてはいるのだが、それを目当てに購入するのはミスマッチだろう。
あくまでも様々な動物となる雰囲気を体験できる作品である事は忘れてはいけない。

 

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