レビュー一覧

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ARMORED CORE Ⅵ : FIRES OF RUBICON

アイスクライマー

アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ

アイドルマスター ポップリンクス

Assassin's Creed Origins

Assassin's Creed Shadows

Assassin's Creed Valhalla

ASTRAL CHAIN

ABZÛ

Vampire Survivors

嘘つき姫と盲目王子

ウマ娘 プリティーダービー

ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!

Echocalypse -緋紅の神約-

SDガンダム Gジェネレーション エターナル

SDガンダム Gジェネレーション クロスレイズ

SDガンダム バトルアライアンス

ELDEN RING

大神

オクトパストラベラー

オクトパストラベラー0

オクトパストラベラーⅡ

 

カービィのエアライダー

ガールズメイドプディング

ガンダムブレイカー4

機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINY

グランディア

Grand Theft Auto Ⅲ

絢爛舞踏祭

幻影異聞録♯FE

原神

幻想水滸伝

こちら、母なる星より

Ghost of Tsushima

Ghost of Yōtei

 

三國志13

三國志14

The Elder Scrolls V: Skyrim

実況パワフルメジャーリーグ2009

シャドウハーツ

シャドウハーツⅡ

真・三國無双8

真・三國無双 ORIGINS

じんるいのみなさまへ

スターオーシャン セカンドストーリー R

スターオーシャン ブルースフィア

Star Fox

スターフォックス64

Starlink : Battle for Atlas

ステラソラ

聖剣伝説2

聖剣伝説3

聖剣伝説3 Trials of Mana

聖剣伝説 Echoes of Mana

聖剣伝説 Legend of Mana

聖剣伝説 Visions of Mana

SEKIRO : SHADOWS DIE TWICE

ゼノブレイド

ゼノブレイド2

ゼノブレイド3

ゼノブレイドクロス

ゼルダの伝説 知恵のかりもの

ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom

ゼルダの伝説 時のオカリナ

ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス

ゼルダの伝説 Breath of the Wild

ゼルダの伝説 ムジュラの仮面

ゼルダの伝説 夢をみる島

ゼルダ無双 封印戦記

ゼルダ無双 厄災の黙示録

戦場のヴァルキュリア4

ゼンレスゾーンゼロ

ZOIDS SAGA

ZOIDS 邪神復活!~ジェノブレイカー編~

ZOIDS ~白銀の獣機神ライガーゼロ~

ZOIDS VS.Ⅲ

 

大貝獣物語

Dark Souls

Dark Souls Ⅲ

旅人ソフィア

テイルズ オブ アライズ

テイルズ オブ ヴェスペリア

Death Stranding

Death Stranding 2 : On The Beach

DAEMON X MACHINA

DAEMON X MACHINA : TITANIC SCION

天穂のサクナヒメ

Dorfromantik

トモダチコレクション わくわく生活

TRIANGLE STRATEGY

ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ(HD-2D)

ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…(HD-2D)

ドラゴンクエスト モンスターズ テリーのワンダーランド

ドラゴンクエスト モンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅

Dragon's Dogma

Dragon's Dogma Ⅱ

ドンキーコング

ドンキーコング バナンザ

 

ナツノカナタ beyond

 

Harvestella

鋼の錬金術師 Mobile

バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海

Baldur’s Gate 3

百英雄伝

百英雄伝 Rising

ファイアーエムブレム エンゲージ

ファイアーエムブレム ヒーローズ

ファイアーエムブレム 封印の剣

ファイアーエムブレム 風花雪月

ファイアーエムブレム無双 風花雪月

ファイナルファンタジーⅥ

ファイナルファンタジーXVI

ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル

FANTASIAN Neo Dimension 

Fate/Samurai Remnant

Fallout 4

プリンセスピーチ Showtime!

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ペルソナ5 スクランブル ザ ファントムストライカーズ

冒険家エリオットの千年物語

冒険ダンジョン村

ポケットモンスター 赤/緑/青

ポケットモンスター スカーレット/バイオレット

ポケットモンスター ソード/シールド

ポケモン スリープ

Pokémon Trading Card Game Pocket

ポケモン レジェンズ アルセウス

ポケモン レジェンズ Z-A

星のカービィ

星のカービィ スターアライズ

星のカービィ ディスカバリー

ホワイトライオン伝説 ピラミッドの彼方に

 

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マリオカート ワールド

マリオテニス ACE

マリオテニス フィーバー

Metal Gear Solid

Metal Gear Solid V : The Phantom Pain

Metal Gear Solid Δ : Snake Eater

メダロット2

メダロットサバイバー

モンスターハンター ストーリーズ2 ~破滅の翼~

モンスターハンター ストーリーズ3 ~運命の双竜~

モンスターハンター ライズ

モンスターハンター ワイルズ

 

ユニコーンオーバーロード

ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~

妖怪ウォッチ4 ぼくらは同じ空を見上げている

よるのないくに2

 

ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~

ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~

ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術師と秘密の鍵~

Rise of the Ronin

ラストストーリー

リアセカイ

リバース:1999

龍の国 ルーンファクトリー

LOOP8

ルーンファクトリー5

Red Dead Redemption 2

LOST EPIC

Lost Ember

ロックマンエグゼ

 

ワギャンランド

わるい王様とりっぱな勇者

【レビュー】ブルーアーカイブ

かつて、あなたも歩んだ物語

ブルーアーカイブ(以下、ブルアカ)は韓国のゲームメーカーNEXON Gamesが開発し、日本に本社を持つ中国系パブリッシャーYostarが運営するスマートフォン向けゲームだ。
ブルアカはキャラクター人気が非常に高い作品であり、2020年代では二次創作を中心に非常に活発なファンコミュニティーが構築されている。
また、使用されているBGMも定評がありどこかで聴いたことがあるという人も少なくないだろう。むしろ、広く使われ過ぎており元ネタが本作だと認知していない人もいるハズだ。

筆者もブルアカ自体は知っていたし、ゲームコミュニティー内でも話題にあがる事があり、興味はあったもののプレイできない状態でいた。
そんな中でいくらかの配信者がプレイしている姿を観て流石に触ろうと思ったのがきっかけである。

 

bluearchive.jp

 

ストーリー

全てが虚しくとも、最善を尽くさない理由にはならない

学園都市キヴォトスに連邦捜査部シャーレという組織に所属する先生として赴任したのがプレイヤーだ。
キヴォトスは基本的に複数の学校とそこに所属する生徒達の自治によって成り立っている連合都市となっている。
物語の大枠をイメージしやすいように非常に大雑把に記載すると、キヴォトスでは様々な混乱によって生じた生徒間での内紛状態があり、それをプレイヤーである先生が解決する…というものとなっている。
服装や背景のビジュアルはほぼ完全に日本の学校・学生となっているが、学園都市キヴォトス内に点在する学校や部活・委員会という比喩を用いて世界の縮図を再現しつつ、そこで繰り広げられる葛藤や苦悩はティーン世代らしいものを表現している。
つまり、国や組織内の対立という側面を描きつつも、それを学校や部活に置き換えることで世界観の親しみやすさと理解のしやすさの土台にし、しかしあくまでもストーリーの中心はキャラクター自体を軸とするジュブナイルを描いてプレイヤーが共感しやすいストーリーラインとしての満足感が高まるようにバランスを整えているのだ。

このキヴォトスで描かれるストーリーにおける設定は神話や宗教的モチーフを数多く用い、そして物語で描くテーマには近現代哲学をベースにしており、各学園はモチーフとなった神話が伝わる国や地域の歴史も僅かに内包した作りにしている。
例えば、プレイヤーが最初に担当する事になるアビドス一帯はかつては非常に栄えた街だったものの、現在では砂漠化が進み人々が離れていきアビドス高等学校は廃校寸前だ。
これはそのままエジプトの歴史でもあり、アビドスという名称自体もエジプト古王国時代の神話および要地である。
エジプトもかつては砂漠ではなく木々も生い茂るサバンナ地帯であり、しかし時代と共に砂漠化して紀元後にはもはやピラミッドやヒエログリフについて知る者が激減してしまった。
より深い楽しみ方としてこういった側面でも物語を読み解いていく事が可能になっているのも本作の魅力になるが、大前提としてこれらの事前知識がなければ楽しめないという事は全くないので安心して大丈夫だ。

これらで構築される物語としての満足感は非常に高いものになっている。
その理由は物語としての「山と谷」という基本構造を忠実に採用してカタルシスを生み出せるように構成している事が大きな要因だ。
何気ない日常をしっかりと描き、その上で谷へと突き落とすような展開に転がり、最後に問題解決に向けた山場へと持っていくという手法(三幕構成)は基本に忠実であるが故の満足感が高い構成なのである。
また、物語展開が飛躍しているような事はなく、しっかりとキャラクターの描写や心の移ろいを描いているため、物語が一段落した時のカタルシスとしての満足感が非常に高いものになっている。
ただし、各章の物語構成はどれもこの三幕構成的パターンである事が多いため、満足感は変わらず感じつつも進行の定型化も感じることになるだろう。

物語の演出にしてもテキストだけに留まらず、戦闘を用いて表現することも少なくないが、それに加えてキャラクターチュートリアル的な意味合いも含まれている。
メインストーリーやイベントストーリーで発生する戦闘は多くの場面でパーティーメンバーが固定されている。
そのため、キャラクターの個性や使い方と言った部分がある程度は把握できるような作りになっているのだ。
キャラクターが多いだけに、どのキャラクターが、どういった面で優れているのかを試遊させてくれる機能をストーリーにもしっかりと用意している。

生徒達を好きになるのはもちろんだが、それ以上に先生を好きになる

物語を進めていくと生徒達よりも先生に惚れていってしまうのも本作の大きな魅力である。
先生は一応はプレイヤーの分身であるが、ストーリー上ではしっかりと自身の信念を持って生徒達に接する大人でもある。
そのため、必ずしもプレイヤーの代弁者という役回りではなく、生徒達の先生として、子供達を支える大人として行動する事が少なくない。
そのため、プレイヤーとしては先生よりも人間関係に悩む生徒達への共感の方が強くなるハズであり、その悩みに寄り添ってくれる先生に魅力を感じるようになっていくのだ。

キャラクター別のストーリーも用意されている

何よりもキャラクターが重視されている本作ではキャラクター毎のストーリーもしっかりと用意されている。
キャラクター作りには一貫して「ギャップ」が意識されており、第一印象と実際の人となりに差異があるようにデザインされている事が非常に多い。

 

システム

操作自体は難しくないが奥深さもあるリアルタイムストラテジー

ブルアカの戦闘はRTS的な内容になっている。
RTSとなると戦場を包括的に管理していく事が必要になる事から奥深さはあるものの、管理する対象・要素が刻一刻と変化するため比較的高いプレイヤースキルが求められがちで敷居が高くなりやすいジャンルでもある。
しかし、本作では管理する要素を絞る事によってRTS的な楽しさをある程度は維持しながらも、そのハードルを下げる事に成功している。
では、プレイヤーは何を管理するのかだが、それはスキル回しただ1つである。
上の画像を参照して貰うとキャラクターが移動などをしているのが確認できると思うが、移動や通常攻撃は全て自動で行われる。
対して、右下の顔アイコンがスキルであり、これをいつ、どのタイミングで、どの位置に使うかをプレイヤーが制御する。
例えば、攻撃力をバフしてくれるスキルを発動した後に、強力な攻撃のアタッカースキルを発動するようにスキルを回せば効率的に敵に大ダメージを与えられるし、敵の強力な攻撃やデバフを対処するために防御や回復のスキルを使用するなど、変化する状況を見極めながらスキルを使うことになるのだ。
スキルを発動させること自体は難しくないのだが、それを発動させる順序やタイミングを考慮して運用するのはプレイヤースキルが必要になるという「操作自体は難しくないが、実際にやるのはちょっと難しい」というバランスにしているのは見事である。
なお戦闘はオートにすることも可能だが、オートでは一定の順序でスキルを発動するだけであるため難易度の低いコンテンツ専用だと思った方が良いだろう。

こういったメカニクス・シーケンスで戦う事になる戦闘の編成メンバーは戦闘員4名とサポート要員2名での合計6人となるが、コンテンツによっては更に大規模な編成が可能なものも存在する。
編成するメンバーには大雑把に書けばアタッカー、サポーター、タンクといった役割が設けられており、これらをある程度はバランス良く編成するのが基本になる。
例えば、アタッカーは火力は高いが体力に難があるケースが多い。それをカバーするためにタンクを編成して敵からの攻撃を受け止める。そしてアタッカーの火力やタンクの耐久性を高めるためにサポーターを編成するようなイメージをするとわかりやすいだろう。
しかし、注意点として特定コンテンツによっては効果的なキャラクターがいないと攻略が難しいケースも少なくない。
ゲームを始めたての場合にはクリアが難しいため戦力が整うのを待つ必要がある事は知っておいた方が良いだろう。
コンテンツ攻略が手荷物検査やドレスコードのようになってしまうのは確かに不快に感じられる部分はあるものの、逆に言えば各種コンテンツは実装されている様々な特徴の生徒を使い分けるように意図して作られている良い側面もある。
そのため、一見すると普段は使う場面に乏しいスキル効果を持ったキャラクターが輝ける舞台を用意してくれているのは良いデザインとも言える両側面あるものとなっている。

ギミック理解必須の戦闘における導線がかなり弱い

本作のゲームプレイ部分において気になるのはエンドコンテンツ周りの比較的高難度のコンテンツに対しての説明不足と導線不足に尽きるだろう。

エンドコンテンツに該当するような戦闘では攻略のためにギミックを理解してスキル回しなどをするケースが大半になってくる。
しかし、どのようなギミックなのかがゲーム内の情報だけでは全くわからないのは問題だ。
では、ボスと一度戦えば対策方法が理解できるような初見殺し系なのかというとそういう事でもない。
戦ってもギミックがわかりにくいのである。
例えば、説明が不足していてもゲーム画面を観れば攻略に必要なスキルや手順がある程度把握が可能に作られていればまだ良いのだが、視線誘導などを含む導線が非常に弱く、何が理由で攻略が上手くいかないのかが把握できない。
ある程度のパターンはあるものの、何も下調べもせずに挑むと意味がよくわからないギミックが発動して、いつの間にか敗北しているといった不親切さが目立ってしまうのは難点だ。
攻略に関しての情報がユーザーコミュニティーに丸投げされてしまっているのは問題だろう。

 

ハウジング

ハウジング要素のカフェ

本作にはカフェというハウジング要素も存在する。
家具を自由に配置する事が可能で、配置した家具のスコアに応じて収入を得ることが出来る。
収入では各種行動に使う事ができるいわゆるスタミナが回復するので、こだわりがない人でもある程度はハウジングをした方がゲームプレイへの音家になるだろう。

配置する家具は特定のキャラクターとの関連性も設けられている。
特定の家具と特定のキャラクターの組み合わせで専用のアニメーションが用意されているのだ。

 

グラフィック

スチルなどは美しくADVとして楽しみやすい

戦闘やハウジングでは3DモデリングされたSDキャラが採用されるが、SDながらもキャラクターの個性をしっかりと表現した待機モーションや攻撃モーションなどの各種専用アニメーションが作られているのは魅力的だ。

また、ストーリーではいわゆるスチルの他、キャラクター個別のストーリーを読むことでアンロックされるメモリアルロビーではLive2Dが使用されている。
このLive2Dはある程度のインタラクション要素もあり、例えば頭を撫でるとリアクションをしてくれたり、周囲をスワイプすると目で追ったりしてくれる。
その他にもキャラクター次第で専用のインタラクションが設けられているケースもあるなどこだわりが感じられる1枚になっている。

 

サウンド

全体的に日本の往年のADV的なテイストを彷彿とさせるBGMが多いように感じられる。
ストーリー中ではボイスの使用は限定的である事から、ストーリーを彩る要因としてBGMの比重が強くなるのだが、それに相応しい何度か聴いただけで記憶に残るような魅力的な楽曲が多数使用されている。
筆者の気に入っている楽曲を一部だけ紹介させて欲しい。

メインテーマ的に使われ、作中での使われ方も感動的な「Constant Moderato」

もはやブルアカを知らずとも聴いたことのある「Unwelcome School」

可愛らしい電子音が印象的な「After The Beep」

ノリ良いテンポ感が頭から離れない「HIGH5LANDER」

不気味で威圧的な「Interface (Hard Arrange)」

圧迫感のあるオルガンがイントロから流れる「Gregorius I Symphony」

慈悲を求める歌「Kyrie Eleison」

初期に聴くBGMのアレンジでもあり、静と動による緊迫感を出した「RE Aoharu」

 

総評

ブルーアーカイブ -Blue Archive-は誰もが共感しやすいジュブナイルと、簡単ながら手応えもある戦闘によって構成されている名作だ。

ストーリーでは政治や宗教や神話や哲学といったモチーフをフレームワークにしながら、難解な内容にならないように各種要素を学園と部活に置換する事でユーザーがイメージしやすくしている。
そしてキャラクターに大きくフォーカスしながら、基本に忠実な三幕構成で仕上げている事で物語として王道な満足感が得られるハズだ。

戦闘では敷居が高くなりやすいRTS形式を採用しながらも、プレイヤー操作をスキル回しだけに絞る事で、操作自体は簡単だが攻略はちょっと難しいという良いバランスに仕上がっている。
ただし、エンドコンテンツ関連の戦闘ではゲーム内の情報だけではギミック理解が難しいのは問題だ。

 

外部記事

[NDC21]思わず恋するキャラ作り。「ブルーアーカイブ」のアートディレクター陣の講演レポート

日本初『ブルーアーカイブ』独占インタビュー: キャラクターは人間であり、作家は組織であり、虚構は真実であること

【レビュー】ゼルダの伝説 夢をみる島

キミはいつか、この島を思い出すだろう

ゼルダの伝説 夢をみる島(以下、ゼルダLA)はゲームボーイ向けに発売されたトップビューのいわゆる2Dゼルダだ。
本作はシリーズ初めての携帯ゲーム機向けのゼルダの伝説であり、ゲームボーイカラー向けに追加要素も加えたゼルダの伝説 夢をみる島DXも発売されており、更にNintendo Switch向けにグレッゾ開発によるビジュアルを一新したリメイクも発売されている。

筆者が本作と出会ったのはゲームボーイカラー版で、子供ながらにエンディングに衝撃を受けたことを鮮明に記憶している作品である。
今回はNintendo Switch版をベースとしてレビューを記載する。

 

ゼルダの伝説 夢をみる島 -Switch

ゼルダの伝説 夢をみる島 -Switch

  • 発売日:2019/9/20
  • メディア:Video Game
ゼルダの伝説 夢をみる島DX

ゼルダの伝説 夢をみる島DX

  • 発売日:1998/12/12
  • メディア:Video Game
ゼルダの伝説 夢をみる島

ゼルダの伝説 夢をみる島

  • 発売日:1993/6/6
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

リンクの不思議な島での冒険

ある日、航海をしていたリンクだが大嵐に巻き込まれてしまう。
気が付くと全く知らないコホリント島という場所にある村で目が覚める。
村娘マリンの話によれば海岸線で流れ着いていたリンクを助けたのだという。
リンクは漂着した場所に同じく流れ着いていた自身の剣を取り戻しにいくが、その際に不思議なフクロウから助言される。
「かぜのさかな を目覚めさせなければ、島から出ることはできない」
その言葉が意味するところを知るために、そして島から出るために、リンクが不思議な島を冒険するのが本作の導入である。

本作はセリフの内容は非常に簡潔ながらも、しっかりと「夢をみる島」という世界が表現されておりストーリーゲームとして見てもある程度の面白い物語構造となっているのは魅力となるだろう。

物語進行に関しては基本的にはオリジナル版でも会話をしっかりと確認していれば攻略順序が把握できるように作られており親切だ。
ただし、会話をスキップしてしまったり、忘れてしまったりするとどこを攻略すれば良いのかわからなくなってしまい。
単純にダンジョンに直行していくのではなく、ダンジョンに行く前に何らかのフラグを回収する必要があるなど言われていた行き先を忘れてしまうと進行がやや難しくなりやすかった。
しかし、リメイク版では過去の重要な会話に関して再度確認できるようになっているので攻略がより行いやすいモダンな水準になっている。

細かなリアクションも用意されている

少しネタバレを含むが、あるタイミングになるとマリンを連れて各地を歩ける期間がある。その状態ではリンクの行動に対しての色々な専用のリアクションが用意されている。
これは単純に作り込みとして面白いし、この作り込みによって世界の実在感を高めてくれているのだ。

ビデオゲームが人々に与えられる夢

本作のストーリー構造が語るメッセージを読み解くうえでネタバレは避けて通れないため注意して読んでいただきたい。
気になる方は「システム」の項まで読み飛ばした方が良いだろう。

物語やNPCの会話などを読み進めていくと本作の舞台コホリント島、言い換えればリンク以外の存在は「かぜのさかな」の夢が作り出した世界である事が語られ、もしも夢から目覚めた時には全てが泡沫となることが匂わされる。
敵はそれを阻止するために立ちはだかるし、NPC達も何となくその事実を知っているようでもある。
そしてエンディングを迎える事でリンクと「かぜのさかな」は夢から覚め、コホリント島で出会ってきた全てが霧のように消えていってしまうのだ。
リンクは思うところがあるのか俯いていたが、最後には夢から目覚めた「かぜのさかな」の姿を見たことで笑顔を見せる姿でゲームは終わる。

この物語はビデオゲームという媒体自体の構造そのものである。
リンクというプレイヤーは、「かぜのさかな」というゲーム開発者が生み出した世界(コホリント島)を冒険する。
しかし、楽しい夢もいつかは覚めるように、楽しいゲームもいつかは終わる(エンディングを迎える)のである。
それでも、それは何も残らないという訳ではない。
確かにゲームという媒体が作り出した幻想の世界はいつか終わりが来てしまうが、それでも人々がゲームで体験した思い出は続いていく現実世界でも心と記憶に残り続けるという比喩なのだ。
だからこそ、リンクは最後のシーンで希望を感じさせる笑顔を見せてくれるのだ。
また、笑顔を見せるリンクに対して、全てが消えてしまった事に対しての喪失感を覚えるプレイヤーも少なくないハズである。この捻れもまた物語を記憶に残すものとして作用しているであろう。

「出会いと別れ」を物語のフォーマットとして採用している事が多いゼルダの伝説シリーズであるが、本作ではそのフォーマットにゲームというメディアの構造をレイヤーとして重ね合わせて描いているのである。

 

システム

導線が丁寧な2Dゼルダ

ゼルダLAはトップビュー形式のいわゆる2Dゼルダとなっているが、一部の場所ではサイドビューの状態になる事もある。
全体的な難易度はやや低めとなっており、若年層をターゲットとしたゲームボーイ向けである事も影響しているのであろう。
また、進行デザインも良くできており、自然な導線のチュートリアルもしっかりとある。
例えば、物語冒頭では助けて貰った村から漂着した浜辺へと赴いて剣を取りに戻る事になるのだが、これもアクションとして出来る範囲を絞る事で操作などの基本的な部分の習熟を促している。
それ以外でも入手したアイテムをすぐに使う場面を設ける事が徹底されておりメカニクスの理解を深められるように丁寧に作られている。

全体的には良くできているものの気になる部分も散見される。
後半の一部のダンジョンではマップ間の繋がりがわかりにくくなっており、実際の難易度以上に攻略に手間がかかるためフラストレーションに繋がりやすい。
しかし、それ以上に気になるのは今までにないギミックがいきなり登場してしまうラスボスの攻略デザインだ。
一応は時系列的関連性からシリーズの別作品を元ネタとしたボスを模しているのだが、元ネタがわからないと経験的・生理的・理屈的な根拠に欠けている事から突飛な攻略を強いられてしまう印象になってしまう。最低限として予め別のボスやダンジョン攻略なりで「こういう時にはこういう行動が有効となる」という導線は用意してくべきだったろう。

リメイクされたNintendo Switch版ではいくつかのシステムがモダンに改善されている。
最も恩恵が強く感じられるのは「一部のアイテムが入手後にパッシブ効果になる」という点である。
例えを出すには少しネタバレにならざるを得ないのでご了承いただきたいが、重いものを持つにはパワーブレスレットというアイテムを入手する必要がある。
しかし、原作においてはメニュー画面を開いてパワーブレスレットを装備し、装備位置に対応したボタンを押すことで初めてその効果を使用する事ができた。
これがリメイク版では入手した時点からパッシブ効果となって重いものを持てるように変わったため、毎回装備画面を開いてパワーブレスレットを装備するといった手間がなくなったのはモダンな快適さになっている。

また、便利になっているのはマッピングも同様だ。
マップを確認すると体力上限を上げてくれる「ハードのかけら」を獲得した場所が確認できるため、取得漏れしていても攻略サイトなどと比較すればコンプリートがしやすい作りになっている。

バランスも変更されており、例えばオリジナル版におけるマジックロッドは遠距離武器にも関わらず使用すればザコ敵は一撃で倒せるばかりか、コッコなどのキャラクターも倒せてしまう強力な特性を有していたが、本作では火力がかなり抑えられた。
それ以外でも一部のバランスが見直されているように感じられた。

 

ミニゲーム

ミニゲームも収録

ゼルダLAにはクレーンゲームや釣りといったミニゲームも用意されている。
釣りはシンプルながら寄り道として楽しむには十分な作りになっており、クレーンゲームも取れそうで取れない絶妙な難易度だ。
なお、リメイク版のクレーンゲームは内容が特に大きく変更されているため、オリジナル版を遊び倒していた人でも全く異なる感覚で遊べるだろう。
また、コレクション要素でフィギュアが追加されているのだが、このクレーンゲームで入手できるため、やり込み要素としての側面も付与されている。

 

ダンジョンクリエイト

部屋を繋げてダンジョンを作成できる

リメイク版にて追加された要素としてクリアしたダンジョンの謎解き部屋などの仕組みを流用、ツギハギしてダンジョンを作成できるダンジョンクリエイトが用意されている。
ダンジョンには攻略済みのボス敵を配置する事が可能なので、ボスラッシュ的なダンジョンの作成も可能である。
クリアしても恩恵がある訳ではないが、何度もプレイしなおしたい時にはありがたい要素だと言えるだろう。

なお、amiiboを読み込むことでダンジョン作成につかう部屋パネルを増やすことが可能なのでamiioを持っていれば読み込ませると良いだろう。

 

グラフィック

物語の設定とファンサービスが同居する

ゼルダLAで特徴的なのはゼルダシリーズだけでなく、マリオやカービィ、シムシティなど様々な任天堂作品から参戦しているキャラクターが登場する点である。
このようなキャラクター達が登場するのは本作の特異な世界観が故であるため、設定としての辻褄も一応は用意されている。

左:オリジナル(DX)版、右:Nintendo Switch版

オリジナル版はいわゆる完全なトップビュー形式の2Dゼルダであり、画面端に行くと画面がスクロールして次のエリアに行けるという方式だった。
対して、リメイク版ではエリア移動に関してはシームレスになっていることから、表現としても遊びやすさも向上している。

 

サウンド

本作では楽曲も印象的だ。
村での朗らかな楽曲もそうだが、剣を取るとメインテーマでありフィールドBGMでもある楽曲が流れるといった楽曲使用の演出も含めて良くできている。
本作の楽曲で語らなければならないのは何と言っても「かぜのさかな」になるだろう。
この曲は各地のボスを倒すことで入手できる楽器を集めて演奏する事になり、入手状況に応じた演奏をすることができる。他作品で恐縮だがMOTHERのエイトメロディーズ的な演出なのだ。
また、クリア順は推奨ルート通りにせずに攻略も可能であるため、楽器の入手状況に応じた楽曲としての差分がでるように作られている。

 

総評

ゼルダの伝説 夢をみる島は遊びやすいコンパクトな2Dゼルダながら必ず記憶に残る名作だ。

遊びは導線が丁寧に作られており、初心者が遊んでも楽しみやすい作りになっている。
リメイク版では更に遊びやすい調整が行われているためよりオススメしやすい内容だ。

そして何よりも不思議なコホリント島を舞台としたストーリーではビデオゲームであるからこその出会いと別れを描いている。
例えこの作品をクリアしても、いつかこの島を思い出すだろう。

 

外部記事

社長が訊く『ゼルダの伝説 大地の汽笛』(携帯機ゼルダの歴史編)

BLOG | ゼルダの伝説ポータル | Nintendo

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「ゼルダ」プロデューサー青沼英二インタビュー全文:『ブレス オブ ザ ワイルド』続編や『夢をみる島』のリメイクについて

【レビュー】ZOIDS SAGA

ゾイドのオールスターRPG

ZOIDS SAGAはゲームボーイアドバンス(以下、GBA)で発売されたZOIDS(以下、ゾイド)シリーズのゲームタイトルだ。

筆者は子供の頃に初代のアニメZOIDSを観てめちゃめちゃハマり、その後もゾイド新世紀/ゼロも視聴しているなどゾイドというコンテンツにかなり沼っていた。
その頃に発売されていたゾイド関連のゲームもいくらか購入してプレイしている中で、ゾイドのオールスター的な本作が登場する事を知り、これは絶対に購入したいと思ったのだ。

今回はZOIDS SAGAのレビューを書いていきたい。

 

ZOIDS SAGA(ゾイドサーガ)

ZOIDS SAGA(ゾイドサーガ)

  • 発売日:2001/11/30
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

ゾイドのオールスター的な作品ながら物語自体の満足度も維持されている

へリック共和国とガイロス帝国の戦争終結から数十年後、中立を保っていた小さな島国アーカディア王国だが、突如としてファントム騎士団を名乗る謎の勢力によって占拠されてしまう。
王子アトレーと臣下3名は何とか逃げ延びるが、遺跡にあった時空転送装置を発見する。
これを用いて様々な時代の様々な土地へと赴いて戦力を整え、占拠された国を奪還するのが本作のストーリーだ。

多くのゾイドが登場する本作だが、それ以上に大きな特徴となるのはゾイドシリーズの各作品のキャラクター達と出会うことが出来るというオールスター作品であるという点に尽きるだろう。
アニメのゾイドおよびゾイド新世紀/ゼロ、ゲームで展開していた白銀の獣機神ライガーゼロといった作品群のキャラクター達が登場し、仲間になってくれるのは魅力になるだろう。

では、原作アニメ・ゲームを知らずにプレイした場合にはどうだろうか。
結論を書いてしまえば原作込みの物語として楽しむハードルは少し高くなるだろう。
何故なら本作で描かれるストーリーは原作の一部を抜粋した話をベースに構築していたり、あるいはエンディング後の時間軸であったりと、どうしても前提となる知識がないと背景設定がわかりにくい事は否めないのだ。
とはいえ、概ねの世界観がわかるようには構成されている事から、ディティールまでは理解しきれないまでも「恐らくこういう感じなのかな」という想像できる範囲内には落とし込まれているため全く楽しめないという事はないハズなので安心して大丈夫だろう。

また、アーカディア王国やファントム騎士団などのオリジナルキャラクター達も、オールスター作品故の引き立て役に留まらないようにしっかりと個性的なキャラクター性が立っている。
全体的なセリフ量としても簡素・淡白ではなく、純粋にロボットアクションものの物語を楽しむことを目的としても満足できる水準の内容が用意されているのは版権ものゲームとしては見事な着地をさせていると言えるだろう。

 

システム

ゾイドを編成し、ターン制で戦う

本作の戦闘はシンボルエンカウント方式で、ターン制コマンド選択式となっている。
ゾイドは最大で6機編成可能となっているのだが、各ゾイドは2 x 3のマスのどこかに配置する事になる。
この配置にも意味合いがあり、武装によって射程距離が設定されているのだ。
高火力だが射程が短い場合には前列に配置する方が良かったりするので、ゾイドの武装に応じた配置が好ましい。

また武装には攻撃範囲も設定されている。
ゾイドはマス目状に配置されている事から、縦3マス攻撃や横2マス攻撃などのマス目の範囲上に範囲攻撃ができるようになっているのだ。
非常に強力なため重用する事になるのだが、強力な武装である程にエネルギー消費も激しい傾向が強い。
ゾイドにはRPGに多くあるMPのような位置付けのエネルギー(EP)があり、これは道中で回復手段には非常に乏しいことから、ボス戦まではある程度の温存をしておくようなマネージメントも必要になるだろう。

このようにゲームとしてはRPGらしい「強くなる楽しさ」「工夫する楽しさ」が用意されており、ゾイドというIPを知らないような思い入れがない人であっても楽しめる土台がしっかりと構築されている。

難易度に関しては全体を通してみればそれほど難しいものではないのだが、序盤が一番難しいだろう。
最初の章のボスは飛行ゾイドとなるのだが、飛行ゾイドは回避率が高めに設定されている事から攻撃を安定して当てる手段が限られているためだ。
何度もゲームオーバーになる程の困難さではないが、序盤が一番難しいのはやや難易度曲線としては歪とは言えるだろう。

ゲーム継続的にプレイする事で気になるのは戦闘アニメーションのスキップが中途半端である事だろう。
上の画像では戦闘アニメーションをフルに流しているが、これは一応はスキップできる。
しかし、スキップされるタイミングは砲撃が発射されてから、攻撃の被弾アニメーションになってからと、おおよそ全体の2/3程度のアニメーションが流れてからスキップできるためやや長いのだ。
クリア時間まではそう長いものではないので煩わしさが極まる程ではないが、ユーザーが戦闘アニメーションをスキップしたい時はどういう時なのかはもう少し考慮しても良かったかも知れない。

装備する武装が見た目にも反映される

本作では多くのゾイドが登場する。
アニメで活躍したゾイド達はもちろんだが、そうではないゾイド達も多数収録されているのでゾイドシリーズのファンにとっては嬉しいだろう。
また、アニメしか観てなかった人にとっては知らないゾイドを知る機会にもなり得るハズだ。ただし、旧ゾイドとも言われるアニメ放映前の時代にプラモデルが発売されていたゾイドからの参戦数は少ないため、かなりの古参ファンからすると少し寂しい部分もあるかも知れない。
様々なゾイドを開発して活躍させられるのはRPGとしての楽しさであることはもちろんだが、ロボット系作品が好きな人にとっても刺さる部分になるハズだ。

このゾイドを製造して使うにはZiデータとゾイドコアが必要となる。
これらを手に入れるには基本的にはフィールド上にポップしている該当ゾイドを倒した際のドロップが頼りになる。
しかし、ここで少し問題となるのはこれらを確実に入手できる手段がないことだ。
狙ったゾイドが欲しい場合には試行回数を増やすしかないためやや大変だ。
この辺りは容量的制約の多かった携帯ゲームでボリュームを嵩増しのためのデザインである可能性もあるだろう。
また、一部のゾイドのZiデータは物語が進行してしまうと入手機会が喪失してしまうなどの取り返しがつかない要素があることもこの手のゲームとしては気になってしまうところだ。

本作の特徴は数多くのゾイドが収録されているという事なのだが、それを更に楽しくさせてくれる要素として「武装の装着」が行えるという点だ。
少し前述しているが強力な武装ではエネルギー消費が激しいため経戦能力に欠けるところがあるので、ザコ敵用とボス敵用などの用途に応じた武装構成にするなどの工夫も楽しめる。
更に武装の大半に固有の見た目が用意されている点も非常に嬉しい点になるだろう。
ただし、設定ミスなのか極一部ではあるが敵しか使えない武装があるのは少しだけ気になるところだ。

こういった要素によってゾイドや武装のカスタマイズは楽しめるものの、自分の好きなものを使い倒すことは困難が伴うのは注意が必要だ。
スペック自体が強力な機体を使用する事が要求されるが、序盤に登場するような弱いゾイドを後半でも強く使う手段がないのだ。
自分の好きな機体が強ければ気にならないだろうが、その逆であれば版権ものゲームとしては足を引っ張る部分にもなりやすいだろう。

それ以外の部分でもRPGとしての楽しさがある

RPG的な楽しさがあるのはカスタマイズできるゾイドだけではない。
レベルアップ時に主人公のステータスを割り振る事ができる。
基本的には攻撃力と命中値を中心に上げていけばストーリーで困る事は少ないが、プレイヤーの好みが反映されるのはRPGとしての楽しさに繋がっている。

主人公以外の仲間キャラクター達のステータスに関しては2種類あり、臣下であるアーカディア三銃士達は主人公のレベルアップに伴って一定の法則性を持って自動でステータスが上昇する。
対して、バンやレイヴンといった別作品から参戦したキャラクターのレベルが上がらず固定のステータスになっている。
後者はストーリー上で登場するタイミングでは高いステータスではあるものの、主人公のレベルが上がっていくと見劣りしてしまうのはゾイドシリーズが好きなユーザーにとってはなかなかモヤモヤする仕様だ。

 

グラフィック

ゾイドも迫力があり、装備にも固有のデザインが作られている

キャラクターのグラフィック自体もそうだが、何よりもゾイドの造詣が丁寧に表現されているのは嬉しいポイントになるだろう。
また、装備する武装毎に固有の見た目が設定されており、カッコよくカスタムできる点もこういったゲームとしては非常にユーザー層とマッチしていると言えるだろう。
戦闘アニメーションはエフェクトのみとなるのは寂しく感じるところだが、当時のGBAのゲームの水準としては決してマイナスが付くほどではない。

 

サウンド

BGMは全体的にロボット作品らしい猛々しくカッコいいものが揃っている。
曲数自体もそう多くない事から単純接触効果により印象にも残るハズである。
特にタイトル画面のメインテーマは非常にカッコよく、ストーリーの盛り上がる場面でも使用してくれるので本作を代表するBGMと言えるだろう。

 

総評

ZOIDS SAGAはゾイドシリーズのRPGとしてプレイするべき作品の筆頭候補となり得る作品の1つだ。

収録ゾイドはメジャーなものから、マイナーなものまで概ね満足のいくランナップが取り揃えられている。
そして、ゾイドだけでなく武装の見た目がゲーム内でもビジュアルとして反映されるのもこういったゲームとしては非常に嬉しい要素となる。

ストーリーでもしっかりとキャラクターの魅力が感じられる作りとなっており、RPGとしてもバランスはそう崩れておらず遊びやすいため、オススメしやすい高い品質に仕上がったゾイドRPGだ。

【レビュー】Star Fox

新生スターフォックス再始動

Star Foxは1997年にニンテンドー64向けに発売されたスターフォックス64をフルリメイクした3Dシューター作品だ。
このスターフォックス64は3Dシューターの金字塔的な作品でもあり、以前にもリマスターに近い形で3DS向けに移植がされているほか、WiiU向けには大まかには踏襲しつつも内容に変化を加えたスターフォックス ゼロも発売されているなど、シリーズでみても非常に大きな影響力のあるタイトルである。
そんな作品が今回、今までとも異なる完全なフルリメイクという形で復活したのだ。

かくいう筆者もスターフォックス64にはかなりの思い出があり、プレイしていた当時には全てのステージの全てのパターンの全てのセリフを頭から丸暗記していたレベルでプレイしていた。
しかし、近年はスターフォックスシリーズは音沙汰がない状態が続いており、久しぶりの新作が名作のリメイクという事でどのようになるのかに注目していた。

 

Star Fox (スターフォックス) -Switch2

Star Fox (スターフォックス) -Switch2

  • 発売日:2026/6/25
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

海外の3Dアニメ映画のよう

ライラット系第4惑星コーネリアは悪の科学者Dr.アンドルフの作り出した兵器を危険視、アンドルフを惑星ベノムへと追放した。
数年後、ベノムから発せられた謎の信号を解析するために調査任務を請け負った遊撃隊スターフォックスのジェームズ・マクラウド達は、メンバーのピグマの離反により窮地に立たされジェームズを失ってしまう。
その後、スターフォックスはジェームズの息子フォックス・マクラウドによって再編され新生スターフォックスとして活動を始めるが、そんな中でライラット系がアンドルフ軍による侵略によって次々と星系が陥落している戦況になっていた。
コーネリアの将軍ペパーはスターフォックスにアンドルフ軍に抗するために再度スターフォックスに任務を依頼、本格的な反攻作戦が開始される。

本作のストーリーはニンテンドー64のオリジナル版の流れをそのまま汲みながらも、ストーリーとしてのディティールを大きく加筆しているのが特徴的だ。
例えば、ゲームの初回起動でそのままストーリーとチュートリアルから始まり、基本操作の学習が任意だったオリジナル版から比べると導入がしっかりとストーリーと紐づいた形で用意されている。
全体として特に大きく変化しているのはブリーフィングシーンで、オリジナル版においてはペパー将軍とフォックスによる一言二言の会話だけだったものが「どうしてその領域に攻めに行く理由」という物語としての説得力を明確にユーザーに伝えるように変化している。
そのうえ、ステージのギミック的な説明もしっかりとブリーフィングの段階で行われるようになっており、原作では会話が簡素過ぎて伝わりにくかった部分もわかりやすくなっている。

全体としては海外の3Dアニメ映画を観ているような気分させてくれるような作りに変化している。
演技方針もそのような傾向へと変化した事からオリジナル版で大きな特徴ともなっていた印象的なセリフの数々は非常にマイルドなものへと変わったため、同じ味を期待している場合にはミスマッチではあるだろう。
しかし、物語自体のディティールが向上した事からキャラクター同士の関係性の解像度が上がっているためストーリーとして楽しめるようになっている。
特に主人公フォックスは今までのシリーズと比べると性格が変化しており、今までのシリーズではどこか真面目なイメージがあったが、本作では遊撃隊という傭兵らしく報酬をしっかりと要求したり、そして若者らしいヤンチャさが垣間見える。これによってスターフォックス内でも屈指のパイロットであるファルコとの悪友感が増しており、スターフォックスチーム内での日常のコミュニケーション風景が想起しやすいキャラクター性になった印象だ。

 

システム

手触りの良さはそのまま

本作はオリジナル版と同様にレーザーによる通常攻撃と、ボムによる範囲攻撃、加速や減速、宙返りなどを駆使した3Dシューターになっている。
3Dシューターもスクロールシューターと3Dフライトシューターの2種類が用意されており、スクロールシューターでは敵配置などを覚える必要性が高く、3Dフライトシューターでは自機操作精度を高めることが要求される。それぞれで要求されるプレイヤースキルが異なることからやり込みがいのあるシューターになっている。
レベルデザインと操作感に関しては概ねオリジナル版同様でクセがほとんどなく非常に快適なプレイフィールで、操作自体に慣れてしまえばストレスに感じる部分はほとんどない。これに関してはオリジナル版の完成度の高さを改めて感じる部分でもある。

本作のシステム部分において変化したのは一部に留まるが、その中でも大きな影響力があるのは宙返りやUターンなどのテクニックがボタンアサインされた点だ。
オリジナル版ではスティックと減速など同時入力で行えたアクションだったのだが、ワンボタンで可能になったため同時入力が苦手なゲームにまだ慣れていないユーザーであっても再現させやすくなっている。
また、少し細かい部分では追尾性能のあるチャージショット攻撃の性能がオリジナル版よりも高性能化しているようだ。当時のハード的制約との兼ね合いだと思われるがオリジナル版ではチャージショットが画面外に行ってしまうと消失してしまっていたが、本作ではモダンなゲームらしく画面外でもしっかりと追尾して攻撃を行ってくれるようになった。また、チャージ速度や射程が少し向上しているようで、敵機を撃墜しやすくなっておりオリジナル版と比べてもステージで一定スコアを獲得する事で得られる勲章が獲得しやすくなっている。

また、「やりなおし」のハードルが下がった点はスコアアタックにおいてフレンドリーになった。
オリジナル版では自機の強化状態を全て解除した状態でステージの最初からプレイする機能であったことからハイスコアを狙う場合に使う意義がかなり薄く、その結果として最初から最後まで全てのステージでノーミスかつ最適化した立ち回りでプレイする必要があった。
しかし、本作では残機消費なしにステージに入った段階の強化状態でステージ最初からやり直せるようになったためハイスコアが狙いやすく、ステージの練習自体が行いやすくなったのだ。
また、別モードではあるがチャレンジモードとして任意のステージを再プレイできるようにもなり、ストーリー後半ステージであっても気軽に練習できる環境が整ったのはありがたい点だろう。

 

バトルモード

ドッグファイトが楽しめる対戦モード

スターフォックスチームかスターウルフチームになって対戦するモードで、指定された領域を奪い合うドミネーションルールなど、いくらかの試合形式が存在する。
操作感が非常に良い3Dシューターで、他ユーザーとのドッグファイトが楽しめるのは嬉しい要素だ。
スターフォックスチームで出撃した際にはアーウィンを操作する事になるが、スターウルフチームで出撃した際にはウルフェンⅡに乗ることもできるのは地味ながら嬉しいポイントだ。

ただし、オリジナル版にあったようなランドマスターやパイロットでの対戦は行えないのはバランスの面では致し方ないが寂しい気持ちもある。

 

グラフィック

美しい惑星や宇宙空間にフルリメイク

オリジナル版にかなり準拠しつつも非常に美しいディティールに仕上がっている。
現代的なゲームと比べると作り込むべき範囲が限られていたからなのか各ステージは磨き込まれた美しさは目を見張るものがある。

キャラクターデザインに関しては今まで様々な媒体で登場したスターフォックス作品と比べても頭身が上がっており、既存のイメージと大きく変化しているため驚くかもしれないがこれはこれで悪くないように感じられるデザインだ。

 

サウンド

名曲揃いだったオリジナルのBGMがアレンジされて使用されているのが特徴であり、原曲のイメージをかなり踏まえていることからオリジナル版のファンも「うおお!あのBGMのアレンジだ!」と感動できるだろう。

 

総評

Star Foxは3Dシューターの金字塔を改めて現代に、現代の技術で忠実に復古させた作品である。

ストーリーに関してはオリジナル版のような迷セリフの数々は鳴りを潜めてしまったが、それはそれとしても3Dアニメ映画のような空気感になっており新しい味として楽しめる。
また、自機を自在に操縦できる操作感はストレスフリーを超えて爽快ですらあり、BGMも印象的でカッコいいものが揃っているのも最高だ。

ただし、本作の素晴らしい要素の大半はオリジナル版自体が素晴らしいが故のものであり、オリジナル版の凄さを改めて感じるに過ぎないともいえる。

 

外部記事

Star Fox Direct 2026.5.7 - YouTube

【レビュー】冒険家エリオットの千年物語

ストーリーと遊びの分裂

冒険家エリオットの千年物語はスクウェア・エニックスのHD-2D作品として初となるARPGだ。
初報のPVが公開された際にも「2Dゼルダライクなのか」「聖剣伝説ライクなのか」という話題もそこそこあったように記憶している。余り詳しくない人からすれば何が違うのかという話かもしれないが、簡単に書いてしまえばRPG要素が強いのか否かというところだ。特に同社は聖剣伝説シリーズを有しているため、聖剣伝説シリーズのノウハウが活かされるのかとも期待されたのではないかと思う。しかし、実際には2Dゼルダライク方面のゲームになっており、同社としては比較的野心的な作品であると言えるだろう。

筆者はというと作品自体には可能性を感じるものの、タイトルのキャッチーさが弱く覚えにくい印象があることが足を引っ張らないかが気がかりであった。
普通に「エリオットの冒険」というタイトル名が覚えやすくて良かったのではないかと思うのだ。後はテーマに即した副題がある程度にすればIPとしてシリーズになった際にも困らなかったように感じてしまう。

 

冒険家エリオットの千年物語 -Switch2

冒険家エリオットの千年物語 -Switch2

  • 発売日:2026/6/18
  • メディア:Video Game
冒険家エリオットの千年物語 -PS5

冒険家エリオットの千年物語 -PS5

  • 発売日:2026/6/18
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

時代を超える冒険

ある時、蛮族といわれる魔物がはびこるヒューザー王国を魔力によって守るヒューリア姫の負担を軽減するために危険な遺跡の調査をすることになった。
その調査を行うにあたり野外での調査経験をかわれ主人公・冒険家エリオットが招かれる。調査の中で時を超える「時の扉」の存在が明るみとなり、それを用いて新たな歴史を作ろうと大臣カイフリードが独断で過去の世界へと渡ってしまう。カイフリードを止めるべくエリオットもまた時の扉をくぐり、その中で妖精フェイと出会い、時代を巡る冒険がはじまるのが導入となっている。

本作では王国周辺の様々な過去の時代へと遡り、過去の文明の栄枯盛衰の歴史に触れていく。その中で王国の歴史を知っていく事になる。
物語としては(曖昧な言い方ではあるが)王道なものとっており、多くのプレイヤーにとって起承転結のしっかりとある満足感のあるストーリー内容になっているだろう。
時代を巡って、それぞれの時代の人々の問題を解決し、そして手を取り合って悪に立ち向かうような非常にわかりやすいものになっているのだ。

ロアもいくらかある

また、街などでは歴史書などのテキストを入手することができる。
読まないと話を理解できないようなものにはなっていないので安心して大丈夫だが、読んでおくと解像度が少し高まった状態でストーリーを読み進められるくらいには直接的に関係するような内容が記載されていることが多い。

NPCとの会話の中にも歴史の繋がりを感じる

NPCとの会話の中には時代の繋がりを感じさせるものも少なくない。
そのため会話を聴いているだけでも「ん?このキャラクターってあのキャラクターの先祖/末裔なのか?」と汲み取ることができるハズだ。
ある程度は会話を聴いて回った方が物語に入り込みやすいが、NPCとの会話は既読になれば吹き出しにチェックマークがつくのでわかりやすい。
ただし、ミニマップ上からは既読なのかが確認できず痒い所に手が届いていないのは少々勿体ない部分だろう。

また、サブクエストもいくらか用意されている。
サブクエストをクリアする事で爆弾の所持数を拡張できるなどの機能的恩恵があるため、サブクエストは積極的にクリアする事が望ましい。
特にサブクエストは時限性であるため、ストーリーが進行すると回収できなくなってしまうので注意が必要だ。メニュー画面のクエスト一覧から未受注も含めて確認できるため定期的に確認しておくと良いだろう。
このサブクエストではストーリー上で登場したサブキャラクター達の掘り下げ的な側面も持ち合わせているためストーリーをより深く楽しみたい場合にはクリアを目指すと良いだろう。

 

システム

2Dゼルダライクなゲーム体験

本作はトップビューのいわゆる2Dゼルダライクな作品であり、同社の聖剣伝説シリーズと比較するとレベリングや装備品の高頻度なアップグレードといったRPG要素は少ない作品である。
ゲームとしては剣や爆弾などを駆使してフィールド上に徘徊しているモンスターを倒しつつ、ちょっとした謎解きのあるダンジョンを攻略するような形になっているまさに2Dゼルダライクといった様相である。

一風変わった要素としては妖精フェイをRスティックを用いて操作できるという点だ。
一般にはRスティックはカメラ操作となる事が多いが、トップビューの本作ではそういった要素がなく、代わりにフェイを操作できるという機能がアサインされている。
フェイを移動させればドロップしたアイテムを回収できるほか、敵に体当たりのような形で接触すれば僅かに攻撃もできる。特に重要となるのはフェイは冒険の中で魔法を使えるようになり一部にはギミック攻略的な機能もある点になるだろう。左スティックでエリオットを、右スティックでフェイを操作するというのは比較的珍しい仕組みになっている。
ただし、2つのキャラクターを同時操作できないと攻略がかなり厳しいといった場面はほとんどないので、良い言い方をすれば忙しくなく取っ付きやすいが、悪い言い方をすれば個性を活かしきれていない感はある。

ダンジョン攻略をして物語を進行していく

各地にはダンジョンが用意されている。
ダンジョン内では敵を倒したり、謎解きをしたりするため、やはり2Dゼルダライクの印象が強い。
同じダンジョンでも時代が違うと地形が変化するのだが、時代を超えたギミックがある訳ではない。逆に各種ダンジョンは特定の時代でないと攻略が行えないようにレベルデザインされているのが特徴となっており、その特定の時代でない場合には宝箱が1つ配置されている程度となっている。
また、攻略可能な時代のダンジョンであったとしても、ユニークアイテムなどの有用性の高いものが入手できるという事ではない。そのため、いずれにしてもダンジョン攻略自体のモチベーションを高めてくれるような要素は少ないと言わざるを得ない。

キャラクターの強化要素もある

数少ないRPG要素として武器スロットに装着して性能を上げるような「魔石」が存在する。
魔石には各種武器の使用感を大きく変更するようなものもいくらかあるので、それらを組み合わせて強力な攻撃手段にすることができる。

この魔石は敵を倒してドロップする素材を消費する事で魔石を作成することが可能なので道中の敵を倒していけばゲットできるだろう。
しかしこの魔石、プレイヤーの好みを反映できるような仕組みである事は楽しめるものになっているものの、その入手手段のハードルの低さがダンジョンの宝箱の価値も下げてしまっているのはモチベーションの妨げになってしまっている。
どういう事かというとダンジョンなどの宝箱に入っている魔石であっても、敵を倒した際に入手できる素材を用いることでゲットできてしまうのだ。そのため、わざわざダンジョン攻略をするような報酬的な意味合いが薄いのである。
「ダンジョンは特定の時代でしか攻略できず、その他の時代では宝箱が1つある程度」と前述しているが、もしもその宝箱にある魔石は生産できないようなものになっていれば積極的に色々な時代のダンジョンを攻略するモチベーションになり得ただろうが、そうではない以上は各時代でのダンジョン攻略のモチベーションはほとんど希薄なものとなり下がる。

物語都合だけで作られており、遊びとしてどうあるべきかが精査されていない

基本的なゲームプレイは2Dゼルダライクをイメージすれば概ね間違っていないが、本作では遊びの面では大きな個性は残せていないのが実態だ。
その理由は本作の物語で用いられる設定がゲームプレイ部分では全く活用されないためである。各種設定が物語のためだけに存在しており、ゲームにした場合にはどうあるべきなのかが落とし込まれていないままになっているのだ。

本作では「時間を超えた冒険」がテーマとなっており、確かにメインやサブの物語としては過去を行き来する事で情報を入手して進行するなど設定に即しているし、過去を変えることでNPCのセリフが変化することもある。
しかし、過去の時代にいける事が遊びには全く繋がっていないのである。
例えば、現在は橋が崩れて先に進めないが、時代を過去にすることで渡れるようになる…といったような誰しもが思いつくような非常に簡単なギミックすらもないのだ。
では、どのように描かれているのかというと「時代を超えてもほとんど何も変化がない」のだ。
時代を経ても大きく変化しているのは街並みだけでそれ以外は木々や草木の色合いが変わっただけのフィールドであり地形的な変化は全くないレベルといっても差し支えない。そればかりか出現する敵すら同じであり、違いがあったとしてもコチラもせいぜい色が違うくらいである。
各地にあるダンジョンはどうなのかというと、前述の通り各時代でもアクセスはできるものの特定の時代でないと宝箱が1つ置いてある程度であり「攻略する」という単語を用いることもはばかられるような遊びしかない。そのため複数の時代にまたがってダンジョンが存在している意味が全くないのである。
これだけ変化に乏しいと「本当に数千~数百年単位の時代をジャンプしているのか?」と疑問に思ってしまうレベルである。

ゲーム全体を通して物語としての都合だけでゲームが作られているように感じられ、「ストーリーはこういう流れだが、遊び的にはこういう事ができるべき」といった物語と遊びがお互いに協議した内容であるように感じられない。
その結果、2DゼルダライクのARPGである必要性も薄くなっており、ストーリーを読ませることに比重のある今までのようなJRPGでも良かったし、ともすればもっとストーリーに特化したADVのような形式であっても成立してしまうような内容に思えてならないのだ。
決して全体として悪い作品だという事はないが、もっとできること、やるべきことがあったように思えてならない。

 

ミニゲーム

能力を活用したミニゲーム

妖精フェイを操作してスコアを稼ぐようなミニゲームがいくらか収録されている。
一応、フェイが行使する魔法の練習的な側面もあるにはあるのだが、そもそもそこまで複雑な操作を要求する魔法はないので息抜き程度にプレイしてみても良いだろう。
なお、これをプレイする事でゲーム内のBGMを聴くことができるようになる。

 

グラフィック

美しくはあるがHD-2D感は薄い

本作はHD-2Dを冠してはいるものの、3Dモデルのフィールドに2Dドットのキャラクターという古来から広く使われる形式でありHD-2D感としては弱いと言わざるを得ないが、それはそれとしても綺麗なロケーションではある。
「システム」の項でも記載したが本作では時代を移動できるが、時代が変わっても街並み以外は基本的な景色はほとんど変化しない。そればかりか出現するモンスターも変化に乏しい。
そのため、実態がどうあれプレイヤー目線としては使いまわし感が非常に強く、プレイしていて余り良い気分はしないだろう。

 

サウンド

本作ではいくらか良いBGMもあり、ミニゲームをクリアする事で楽曲を聴くことができるようになるが、それよりも特筆すべきは冒険のバディとなるサポートキャラクターのフェイだ。
フェイは道中で色々と喋ってくれるのだが、非常に多彩なシチュエーション会話が用意されている。メインやサブの物語進行に応じたセリフはもちろん、特定のアイテムを入手した際には専用ボイスが流れるなど、とにかく様々な状況に応じたセリフが用意されているのだ。

 

総評

冒険家エリオットの千年物語は「時代を超えた冒険」というロマンある設定はあるものの、ストーリー上でしかその設定が活かされておらず遊びが蔑ろにされている印象が強くなってしまっている作品だ。

決して悪い作品ではなく物語としての満足感は一定あるのも事実だが、本作がゲームである意義、ARPGである意味とは強く結びついていない。この舞台設定であればこのゲームである必要がなく、このゲームであればこの舞台設定である必要もないのだ。
最低限でも時代を超える(時間操作)という設定を遊びのギミックとして用意するべきであり、どうして2Dゼルダライクというジャンルを採用したのか、ストーリーと遊びが混然一体となるように今一度深堀して練り直した方がよさそうだ。

 

外部記事

『冒険家エリオットの千年物語』開発インタビュー | コラム | SQUARE ENIX

『冒険家エリオットの千年物語』開発者インタビュー。“懐かしのスクエニらしさ”を取り入れたくてローカル2Pプレイに対応。気になる『ブレイブリー』シリーズとのつながりは? | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

スクエニ新作“HD-2D”初のアクションRPG『冒険家エリオットの千年物語』開発インタビュー「壮大な千年の世界を巡る冒険を、幅広い層の方に楽しんでもらえるよう尽力」 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

【レビュー】スターフォックス64

決して諦めるな。自分の感覚を信じろ!

スターフォックス64はニンテンドー64にて発売された3Dシューティングの金字塔的な作品だ。
スターフォックスはスーパーファミコン用ソフトとして1993年に専用チップを搭載したROMカセットによって簡素ながらも3Dポリゴンを用いた挑戦的な3Dシューティングとして登場した。続編であるスターフォックス2はほとんど完成間近だったものの、発売時期的な関係から発売中止となってしまった(後年となる2017年にニンテンドークラシックミニ スーパーファミコンに収録、2019年にはNintendo Switch Onlineのサービスで配信)。
本作はそんなスターフォックス2で予定されていたシステムやキャラクターを一部採用しつつ、ノウハウを活用してより本格的な3Dシューティングに落とし込んでいる。

なお、本作は3Dモデルなどをアップグレードし、声優などを一新した移植版であるスターフォックス64 3Dがニンテンドー3DSにて発売されているが、今回はオリジナル版であるニンテンドー64版のスターフォックス64のNintendo Switch OnlineのNintendo Classics Nintendo 64で配信されているバージョンをプレイしている。

 

スターフォックス64

スターフォックス64

  • 発売日:1997/4/27
  • メディア:Video Game
STARFOX64 3D(スターフォックス64 3D)

STARFOX64 3D(スターフォックス64 3D)

  • 発売日:2011/7/14
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

物語自体は非常に簡潔だが、個性あふれるセリフが記憶に残る

悪の科学者アンドルフはかつてライラット系第4惑星コーネリアに対して化学兵器による侵略を企て、その危険さから辺境の惑星ベノムへと追放される。
5年後、不穏な情報が惑星ベノムより発信されている事が明るみとなり、ジェームズ・マクラウド率いる遊撃隊スターフォックスチームに調査が依頼されるのだが、チームメンバーのピグマがアンドルフ勢力に内通・寝返った事で作戦は失敗。
同じくチームメンバーであったペッピーはかろうじて戦線離脱できたものの、ジェームズはMIA(消息不明)の状態になってしまう。
以降、アンドルフ軍は惑星コーネリアに向けて侵攻を開始し、ライラット系の惑星達は次々と占領されコーネリア軍は劣勢に追い込まれてしまっていた。
コーネリア軍は一縷の望みをかけてジェームズの息子であるフォックス・マクラウドによって再編成された新生スターフォックスチームに協力を要請。アンドルフ軍に対しての反撃作戦が開始される。
これが本作の物語としての導入の設定だ。

このようなストーリー背景はあるものの、任天堂作品らしくストーリー主導のゲームではない。
戦闘前にはブリーフィングはあるもののセリフは非常に簡潔で一言二言のやり取りである。
そのため、ストーリーの前後関係を深く知らなくても、その場の雰囲気だけでも楽しいものになるように配慮されている。
また、ゲーム中の戦場ではスクリプトされたタイミングや条件によって自動で無線会話が繰り広げられるが、その会話内容にしても状況を伝えるような簡潔なセリフに留めている。
これは状況が受動的に変化するスクロールシューターにおいては非常に親和性の高い構成だと言えるだろう。
スクロールシューターのインゲーム状態で会話の重要度が高いセリフが出てしまうようだと、プレイヤーは会話の内容を理解する事に脳のリソースを割く必要が出てしまい、ゲームプレイへの集中の妨げになってしまうのだ。

繰り返し遊ぶことで自然と覚えてしまう迷言の数々

このように書くとストーリーには期待しない方が良い作品であるように受け取られかねないが、実際には角度はやや異なるが誤解である。
本作を単なる3Dシューターの域から脱して、記憶に残るユニークな作品たらしめているのは各キャラクター達のセリフの数々なのだ。
特にクセの強い個性を持った敵キャラクターが多く、有名な「ごめんちゃい」を始めとして簡潔なセリフながらインパクトが強い。
そのうえ、ゲーム開始からクリアまで概ね1時間程度である事から、周回プレイも気軽に行いやすいため、繰り返し個性的なセリフを聴き続ける事でその印象がより強まるのである。
本作をある程度プレイし終わった頃にはゲーム内容よりもゲーム内のセリフの方が真っ先に記憶に蘇るくらいだ。

 

システム

覚えゲーのスクロールシューターとプレイスキルの3Dフライトシューター

スターフォックス64は戦闘機アーウィンを操作し、通常のレーザー攻撃とシューターに多いボムによる強力な範囲攻撃を駆使しながら、ローリングやバレルロールなどで敵機からの攻撃を回避して戦う3Dシューターだ。
操作にはなれる必要はあるだろうが、操作感自体はとても良くできており、手に吸い付くようにスムーズに操作できるため一度慣れてしまえば操作の面でストレスに感じる事は少ないハズだ。

これらの基本操作を用いた戦い方は大きく2種類に大別される。
それは「スクロールシューターモード」と「3Dフライトシューターモード」だ。
スクロールシューターモードでは敵機が出現するタイミングは固定となるため「いつ、どこで」を覚えられればスコアが伸ばせるような作りとなっている。
対して3Dフライトシューターモードでは3D空間を全方位に自由に飛び回って戦う事になるため、自機を操って敵機に追撃していくようなアドリブ性(プレイヤースキル)が要求される。
このようにステージ構成を覚える事と、プレイヤースキルを磨くことの両方が遊びになっているのである。

この2つはステージによって「スクロールシューターしかない」「3Dフライトシューターしかない」「道中はスクロールシューターだが、ボス戦になると3Dシューターに移行」といったバリエーションが設けられている。

高難度のエクストラモード

本作では一定の撃墜数を超える事で貰える勲章を全ステージで達成すると難易度の上がったエクストラモードで遊ぶことができるようになる。
エクストラモードでは敵機の量が増えるほか、敵の攻撃の激しく、また弾速も速くなるため被弾しやすいなどいくらかのバランスが変化している。
ハイスコアを狙う場合であればこのエクストラモードをプレイする事になるだろう。

この辺りの仕様で少しだけ気になるのは通常モードでもエクストラモードでも勲章獲得までに必要な撃墜数が変わらないという点である。
通常モードはエクストラモードと比べて敵機が出る量が控え目である事から、通常モードの方が勲章を取るのが難しいケースがややあるのだ。難易度が高いハズのエクストラモードの方が勲章は獲得しやすい…というのは少しバランスがおかしいような気がしてしまう。

スコアアタック関連はなかなか難しい仕様

ステージクリア型で進行する本作だが、欲を言えば特定ステージだけを練習・遊べるようなモードがあればより嬉しいところだ。
何故なら後半ステージを練習したい場合には練習するために前提となるステージを攻略する必要があり効率はかなり悪い。

練習効率が悪いことに加えて更にスコアアタックの難易度を高めてしまっているのは「ほぼ一発クリアが必須」であるという点だ。
どういう事かというと、例えばステージ途中で「この動きだとハイスコア出ないなぁ」と感じたてステージを最初からプレイしようと思うと「ステージを最初の時点からプレイしなおせる」のではなく「自機の強化状況やボムなどの個数なども初期状態にしてステージを最初からプレイしなおす」ことになってしまうのだ。
そのため、初期状態でもハイスコア更新が狙えるようなステージでもない限り「やり直す」という意味が薄く、ハイスコアを更新しようと思えば全てのステージを一発クリアして、その一発でベストな立ち回りをしていく必要があるのである。

ただし、これはスコアアタックを目指すやり込みプレイを求めないのであれば特に気になるようなデメリット足り得ないだろう。

画面分割での対戦も可能

本作はシングルプレイだけでなく、画面分割による対戦も用意されている。
強制的に4分割の画面となるため1つ辺りの面積が小さい事から視認性は余りよろしくないが、友達とドッグファイトが楽しめる。

このモードはシングルプレイで特定の実績をあげることで、戦車ランドマスターやパイロットキャラクターの操作も可能になる。
これらに関しては対戦として考えるとバランスが良いとは言えないが、少し変わったシチュエーションでの戦闘は楽しめる。
特にパイロットキャラクターを操作できるのはこの対戦モードのみなので、アンロックはやや大変かも知れないが1つのマイルストーンとして目標にしても良いだろう。

 

グラフィック

現代水準では簡素な3Dモデルではあるが雰囲気は十分に作り上げられている

3Dの黎明期であるため簡素な3Dモデルおよびテクスチャーではあるものの、惑星や宇宙空間の雰囲気は十分に作り上げられている。
慣性や重力加速度などの物理挙動も違和感なく実現されており、細かな部分まで雰囲気が感じられる演出にできている。

 

サウンド

スターフォックス64のサウンド面で最も記憶に刻み込まれるのは魅力的なセリフの数々だろう。
ゲームプレイはステージクリア型でスコアアタックしていく周回プレイというシューター系ゲームのスタンダードなっているのだが、その周回プレイを下支えしてくれているのは間違いなくキャラクター達のセリフである。
セリフはカッコいいものもあるが、迷言と言われるような思わず言いたくなってしまうようなものが非常に多い。
また、当時のトレンドとされていた誇張が強めに入った演技の仕方がセリフの内容以上のものに引き立てている。
それらの魅力的なセリフの数々が周回プレイによる単純接触効果によって更に強くプレイヤーの記憶に刻み込まれ、本作特有の大きな魅力になっていくのだ。

BGMも戦闘機によるドッグファイトに華を添える非常にカッコいいものが揃っており、周回プレイする事が前提となっている事も記憶に残りやすい。
筆者の特に気に入ってる曲を一部記載しておきたい。

穏やかで睡眠導入にも効果がありそうなメニュー画面曲「セレクト」

決戦を思わせるような「エリア6」

シーンよってアレンジが微妙に異なるが強敵の威圧感が演出されている「ボスB」

西部劇のようなテイストも感じさせるイントロからサビまでずっとカッコいい「スターウルフのテーマ」

劇中BGMを聴くことができる

シングルモードで特定の実績をクリアすればサウンドトラックを聴けるモードがアンロックされる。
劇中曲を聴くことはできるものの、曲名まではこちらではわからないので注意が必要だ。

 

総評

スターフォックス64は3Dシューティングにおける遊びとしての楽しさと、印象的なセリフの数々が記憶に残る名作だ。

覚える事で上達するスクロールシューターと操作によって上達する3Dフライトシューターの2つの遊びによって構築されている。
遊びは何度も周回してプレイしていくシューターらしいゲームプレイを前提としており、その周回プレイを支えているのは何と言っても迷言の数々だ。
簡潔ながら何度もプレイしても聴き飽きないようなセリフ、そして何度もプレイするからこそセリフも覚えていき記憶に刻まれていくのである。

 

外部記事

社長が訊く『スターフォックス64 3D』|ニンテンドー3DS|任天堂

『スターフォックス』4人の"記号性"の凄さを改めて元デザイナー・今村孝矢氏が語る。どんなタッチでも4人揃えばすぐわかる認識性の高さ | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

【レビュー】星のカービィ

まるくてカワイイ食いしん坊

星のカービィは1992年にゲームボーイ向けにハル研究所が開発、任天堂が販売した作品だ。
本作のディレクターは桜井政博氏で、本作が初のディレクション作品となっている事も広く知られている。
桜井氏はゲーム開発において最も影響力のある人物と言っても過言ではなく、その最初の船出が本作なのだ。
最初に手掛けた時点から「自分が好きなゲームではなく、クライアントとエンドユーザーに求められているゲームを作る」というゲーム業界全体を見据えた上でのゲームデザインを徹底しており、そういった開発哲学や体系化された理論に加えて言語化能力も高い事から業界を問わずに敬意の眼差しを向けられる事が多い人物でもある。

本作は当初「はるかぜポポポ」という名称が内部で使われており、それが「ティンクル・ポポ」という名前でゲーム雑誌などのメディアに公開され、後のカービィとなるキャラクターも「ポポポ」という名前で紹介されていた。
その名残りは現在でもデデデ大王、プププランド、ロロロ&ラララ(元ネタは1985年発売のエッガーランド)などの命名法則からも確認できるだろう。
しかし、色々あって任天堂パブリッシングとなる事をきっかけに海外展開も考慮してか宮本茂氏からの提案から「星のカービィ」と名称変更された経緯がある(その他、カートリッジROM容量が2倍になり追加要素を増やすなどの変更もあった)

今回はNintendo Switch Onlineで配信されているものを利用してレビューを行う。

 

星のカービィ

星のカービィ

  • 発売日:1992/4/27
  • メディア:Video Game

 

ストーリー

細かいことは気にしない

カービィが住むプププランドにて王を自称するデデデ大王が国中の食べ物と秘宝きらきらぼしを奪ってしまう。
それらを取り戻すためにカービィがデデデ大王の居城に向かうというのが本作のストーリーである。

大まかなストーリー自体はあるものの、全体的には理屈を理論立てて考えるようなものではない。
あくまでもゲームプレイが中心に考えられており、冒険のシチュエーションがコロコロと変化するように作られている。

 

システム

「吸って、吐く」という生理的に理解できるシンプルな機能性

本作では「敵を吸い込んで、それを吐いて敵を倒す」という非常にシンプルな仕組みを用いた2Dプラットフォーマーであり、特に当時のゲーム初心者を見据えた作品であることでも知られている。
吸ったものを吐き出すことが攻撃手段となる操作感は生理的にも理解しやすい手続きである事はゲームに馴染みのない初心者にとってもプレイしやすい恩恵のあるものと言えるだろう。
また、当時としては比較的珍しい体力制であるうえ、空中を浮遊する能力があるなど、全体的にリスクを抑えながら進行する手段を有しているというのが特徴である。
なお、後にカービィシリーズの代名詞となる敵の攻撃手段を奪える「コピー能力」は次作「夢の泉の物語」からの登場で、本作はよりプリミティブな遊びであることは留意されたい。

ゲーム初心者がクリアしやすいのはカービィ自身の性能だけに留まらない。
本作の敵の挙動は接地判定が設けられていない事が語られており、そのことからフィールド上での敵の動作が固定となっているのだ。
つまり、ランダム性がほとんどないため敵の配置と挙動さえ覚えられれば対策は簡単であり、ゲームに不慣れなプレイヤーであってもある程度のリプレイを重ねればクリアしやすいものになっている。

全体的にゲームスピードも遅くクリアまでも短いが、ゲームをクリアした人向けには難易度を上昇させたエクストラモードが用意されている。
エクストラモードでは敵配置・敵の挙動などが大幅に強化されており、本編よりも慎重に進めなければ序盤からやられてしまうくらいには難易度が上がっている。
ゲームに慣れたプレイヤーが達成感を感じてもらうための要素も用意されている。

シリーズの初代となる本作には後作では余り見られなくなったものも登場する点は逆に新鮮かもしれない。
例えば、カレーを食べれば空気砲が打ち放題になり、イモを食べると空中機動が高くなる。
後作ではコピー能力が採用される事から現在では見られないような専用の攻撃手段が存在する。

 

グラフィック

ファンシーでどこか不思議な世界観が特徴的

本作は当初512kbit(現代で標準的なbyte換算では64kbyte)ROMを想定して制作されていた事から、キャラクターなどのチップを節約しながら量を出す工夫が随所にあり、これはディレクターである桜井政博氏本人からも幾度か語られている
これ自体は当時の容量が少なかったゲームではある種、当たり前の工夫の1つであり各社の各開発者が様々な工夫で少ない容量の中でやり繰りをしていたのである。

前述の通り敵の接地判定処理を行っていない事から敵の挙動は固定であるが、その恩恵として動作の軽快さが向上しているとのことである。
確かにキャラクターそれぞれで設置しているかのコリジョン処理を挟むのと、予め指定された通りに動くだけであるのとでは処理の重さは異なるだろう。
とは言え、オブジェクトが多くなるとスプライトオーバーや処理落ちも発生するため、レベルデザイン的な粗さもやや感じられる。
また、ゲームボーイと言うグレースケールベースでの濃淡で表現されているため仕方がない側面もあるが、フィールドが接地可能な判定の地形なのか否かがパッと見でわかりにくいケースがある点も少し気になるところだろう。

 

サウンド

現代のカービィシリーズにも続くポップで明るい楽曲が印象的であり、また現在でもアレンジを変えて使われるようなBGMも少なくない。
作中のBGM使用方法もこだわりが感じられ、ステージBGMのイントロの終わりとゲームの開始がマッチするように配慮されている。

サウンドテストも用意されており、劇中の楽曲を確認できる点もありがたい。
ただし、楽曲名は表示されないため曲名まで知りたい場合には別途調べる必要がある。
筆者の好きな楽曲も一部紹介させて欲しい。

今やカービィの代名詞的な楽曲の1つ「GREEN GREENS」

明るいエンディング曲「あしたはあしたのかぜがふく(エンディング)」

現在のカービィ作品においてもアレンジされて使用される事も多い曲が多く聴き馴染みがあるのではないだろうか。

 

総評

星のカービィは素人から玄人まで遊ぶことを可能にすることを目指し、ビデオゲームを大衆コンテンツに引き上げる流れを作った作品の1つである。

「吸って、吐く」という生理的に理解しやすい仕組みをゲームメカニクスの中核にしたうえで、全体的にリスクを低減させながらリワードが得られるようにしており、当時のアーケード文化と容量不足から来る高難度化に対しての明確なアンチテーゼをテーマとした事には革新性があったといって良いだろう。

とはいえ、後のシリーズから考えればゲームメカニクスがプリミティブなもので構成されているため、現代ゲーマーの視点からすれば物足りなさがあるのは仕方がないだろう。

 

外部記事

星のカービィ 【企画コンセプト】 - YouTube

初代『星のカービィ』開発秘話 【雑談】 - YouTube

人気キャラ・カービィの魅力に迫る! - 任天堂(アーカイブ)

社長に学べ! <おとなの勉強は、終わらない> 07 修羅場を救ってくれたもの。 - ほぼ日刊イトイ新聞

桜井政博氏が語る、初代『星のカービィ』開発秘話。当時の企画書に、あのゲームの原点があった? - ファミ通.com