【レビュー】SEKIRO : SHADOWS DIE TWICE

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成すべき事を成す

SEKIRO : SHADOWS DIE TWICE(以下、隻狼)は”死にゲー”と形容されるサブジャンル「ソウルシリーズ」の総本山フロムソフトウェアの作品だ。

世界観はソウルシリーズでは西洋の中世/近世ファンタジーであったが、本作では戦国時代をベースとした和風ファンタジーへと大きく変化したのが特徴的だ。
また、RPG要素の大半が撤廃される事も事前に告知がされていたため、「時間をかければ多くの人がクリア可能」であったソウルシリーズとは異なるプレイになる事も予想された。
筆者としては「新たな武器の獲得」などのRPG要素がプレイのモチベーションでもあったため、隻狼のゲームプレイに対して期待半分不安半分であったのが正直な所だ。

また、ダークソウルをプレイしているユーザーならばピンと来た方もいるかも知れないが、「狼」「左手が機能しない」と言うキーワードからアルトリウスを彷彿させるようなファンサービス的な設定も気になるポイントであった。

今回は隻狼のレビューを行っていこうと思う。

 

SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE PS4版

 

 

ストーリー

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明瞭に存在するストーリー

隻狼のストーリーは日本の戦国時代における「葦名」と言う架空の国の物語だ。
とある剣聖の武力により国を興したものの、時が経ち葦名は存亡の危機にさらされる。
葦名はその危機を救うために「御子」と呼ばれる人物が持つ異形の力「不死の力」を得ようと身柄を拘束した。
主人公である「狼」は御子に仕える忍びであり、御子を助けるべく行動を開始する。

ストーリーの導入(動機付け)は比較的オーソドックスな「マイナス」から開始されるものが採用されている。
本作で言えば御子様が連れ去れる事がそれにあたり、主人公の行動は御子様の救出を動機としているのだ。
しかし、御子様の救出がプレイヤーに対しての動機付けとまではなってはいない。
何故ならプレイヤーは開始直後では御子様の事を知らないからだ。
一般的には万人が立ち位置を置き換えやすい家族や友人、恋人がその役割を担う訳だが、御子様はそのどれにも該当しない。
そのため、御子様を失った事の重大さが伝わりにくいのだ。
本作をストーリードリブンなゲームとして捉える(ストーリー目当てにプレイする)のは間違っていると思うが、少なくともストーリーがゲームプレイを牽引するには弱いと言える。

ストーリー全体では日本の時代劇を彷彿とさせる設定やシチュエーションが用意されているのだが、ソウルシリーズ独特のセリフ感が失われた訳では無い。
その独特な威圧感や底知れない雰囲気を持ったセリフ回しは健在で、例え登場回数が少なかったとしても各キャラクターを非常に魅力的にさせている。

本作のストーリーはダークソウルやブラッドボーンなどの”ソウルシリーズ”と形容されるようになった作品群と比べて明確な、そして明瞭に訴えてくるストーリーが存在している。
もちろん、それはあくまでも「ソウルシリーズと比較した場合」であり、0から100まで丁寧に描かれているという訳では無いのだが、それでもソウルシリーズとは全く異なるストーリーの描かれ方だ。
これは狼と言う明確な主人公が存在しているが故に実現できたことだろう。

 

システム

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殺陣のような立ち回りを再現したチャンバラバトル

隻狼のバトルシステムではチャンバラを実に見事に再現できている。
チャンバラと言って連想できるものと言えば、やはり剣劇の「剣と剣で戦いあう」ものだ。
攻撃は剣で行い、防御も剣で行う。これをゲームプレイとして落とし込めているのだ。

まず隻狼では生命力となるHPの他に「体幹」と呼ばれるゲージが存在している。
上図では敵の上にゲージがある事が見て取れるだろう。
赤いゲージは体力で、その下にある黄色またはオレンジ色に変化しているゲージが体幹ゲージだ。
この体幹ゲージはスタミナにも近い概念のゲージで、蓄積しても時間経過と共に徐々に回復していく。しかし、このゲージが最大値まで溜まると残HPの量に関係なく一撃必殺の攻撃「忍殺」が行えるようになるのだ。
上図でもゲージが最大値まで溜まった際に敵の心臓付近に真っ赤なマーカーが発生しているのがわかるだろう。
この状態で攻撃ボタンを入力すれば忍殺が行われ、上図のように敵のHPが満タンであっても一撃必殺なのだ。

この体幹ゲージは敵に攻撃をガードさせたり、敵の攻撃を弾く事で蓄積させる事が可能だ。
前者では体幹ゲージが蓄積する量が少ないため、「敵の体幹ゲージを回復させない」と言う用途がほとんどだろう。
そのため、体幹ゲージを蓄積させるのは後者の「弾き」が主役だ。
弾きはダークソウルシリーズにおける「パリィ」に相当するようなもので、敵の攻撃をタイミング良くガードする事で発生する。
このように書くと難易度が高い技術のように思えるかも知れないが、実際には弾きの受付時間は長めに設定されている。
また、本作の敵はスピードこそ速いものの初期のソウルシリーズと同様にほとんどの攻撃で前隙がしっかりと用意されているため、落ち着いて対処すれば弾くことは決して難しくは無い。

体幹ゲージを蓄積しての一撃必殺の忍殺は確かに魅力的だが、それが簡単に出来るようでは死にゲーにはならない。
この体幹ゲージは「HPの残量が多いと回復速度が速い」と言う特徴も見逃してはならないポイントだ。
HPが満タンの状態では敵の体幹ゲージは瞬く間に全回復してしまう。特にHP量が多いボスクラスでは忍殺はなかなか狙えないようになっている。
しかし、HPを30%くらい削っただけでも体幹ゲージの回復速度に雲泥の差が生まれるため体幹ゲージを蓄積させやすくなるのだ。

ここで更に注意するべきなのは、この体幹ゲージはプレイヤーにももちろん存在する点だ。
敵の攻撃を弾けずにガードだけになってしまった場合には体幹ゲージが大きく蓄積してしまうし、攻撃でダメージを受ければ体幹ゲージの回復速度が低下し、攻撃やダッシュやジャンプなどを行っている場合には体幹ゲージが回復しない。
そして、プレイヤーの体幹ゲージが最大まで蓄積してしまった場合には無防備な時間が長く発生してしまう仕様となっている。
最大蓄積時に敵とは異なり即死する事が無いのはアンフェアには感じるが、それでも自身の体幹ゲージが蓄積していってしまうのは緊張感がある。
特に体幹ゲージが蓄積してしまうのはHPが低下しているケースが大半であるため、その緊張感は倍増だ。
また、敵の体幹ゲージも放置していれば回復が始まってしまうため、自身の体幹ゲージの回復をせずに攻撃を行って敵の体幹ゲージの回復を阻止するか、それとも敵の体幹ゲージを回復されてでも自身の体幹ゲージも回復するのかというリスクとリターン(駆け引き)が生み出されている。

本作ではHPと体幹と言う2種類のゲージが存在しているが、これらは相互に影響を及ぼすパラメーターとなっているため、戦闘中の行動が無駄になりにくくなっているのは素晴らしい調整ポイントと言えるだろう。
もしもこれが相互関係の無いパラメーターであった場合には「HPを削る意味」が非常に薄くなってしまい、もはや全く別のプレイフィールへと繋がってしまった事だろう。
また、ブラッドボーンにおいては被ダメージを攻撃で回復できる事によってアグレッシブな戦闘を実現したが、隻狼においては防御行動とも言える行動すら攻撃手段として機能するように変化している。
見た目の「チャンバラらしさ」を実現しつつもゲームプレイとして高い次元で成立していると言う点を成し遂げた本システムは素晴らしいデザインだ。

しかし、基本的なバトルシステム自体の完成度は素晴らしいものの、壁際のカメラワークの劣悪さは強いフラストレーションだ。
本作では上記の通り、敵の攻撃を弾くような立ち回りが多く、必然的に敵の攻撃でノックバックが発生する事も多い。
であるにも関わらず、壁際までノックバックしてしまうとカメラワークが敵キャラクターはおろか、自キャラクターまで認識しにくい状態になってしまう。
特にボス戦は広さこそマチマチだが、閉鎖空間で比較的長時間にわたって戦う事になるため、壁際まで到達してしまう事もありがちだ。
なにより、この劣悪なカメラワークによって死んでしまった時のなんといえない理不尽さを感じずにはいられない。
この問題点はアクションゲームとしては痒い所に手が届いていないものであり、カメラワークの改善を行って欲しい所だ。
とは言っても、問題自体はピンポイントと言えるレベルであり、壁際にさえ行かなければ常に快適なプレイフィールだ。

 

義手忍具

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忍者らしさを強くする義手忍具

ここまで隻狼の話を聞いただけでは主人公が「侍」だと誤解しそうなものだが、主人公は紛れもなく忍者だ。
それを強く印象付けてくれるのが「義手忍具」である。

主人公である狼は物語の最序盤で左腕を失う。
その失った左腕の代わりになるのが義手忍具だ。
義手忍具は忍者が使用する忍具を内蔵することが出来る義手の事で、これによって手裏剣や鉤縄と言った忍者らしいアイテムを使う事が出来る。
多くの義手忍具は使用するために「形代」と言うアイテムを消費する必要があるため、いつでもどこでも何度でも使用できる訳では無い事も注意が必要だ。

義手に内蔵されている鉤縄は忍者らしい動き、そして立体的な移動が1ボタンで簡単に可能になっている。
こちらは上図の中央がそれにあたり、鉤縄での移動では形代を消費する事は無い。
鉤縄はフィールドに設定されている特定のポイントに引っ掛ける事が可能で、ポイントが灰色で表示されている場合には距離が足りていない事を示し、緑色のポイントになればボタン入力で鉤縄を引っ掛けて移動する事ができる。
これは本作において必須の移動手段であり、場所によっては飛び降りないと距離が足りないように設置されている場合もある。

鉤縄を除くこれらの義手忍具は「特定の状況で強い効果を得る」ように設定されているものも存在する。
例えば手裏剣だ。
手裏剣は飛び道具として使う訳だが、その威力自体は非常に低い。
うっとおしい動物タイプの敵ならば一撃で葬り去る事もできるが、人型の敵は始末しきれない。
また、敵がこちらに気付いている状態ならばガードによって弾き飛ばされてしまう。
そんな手裏剣だが、空中にいる相手に当てると特効が発生する。
HPへのダメージもそうだが、体幹へも大きなダメージを与えられるようになっている。
全ての忍具にこのような特効が用意されている訳では無いのだが、対峙している敵に特効が利きそうなのであれば試してみても面白いだろう。

 

スキル

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数少ない成長要素

隻狼はダークソウルやブラッドボーンと比較すると圧倒的にRPG要素が少ない。
そんな中でも唯一と言える主人公の成長要素がスキルだ。
「なんで”スキル”は横文字なんだ」「代替するカッコいい日本語名は無かったのか」と若干思わなくもないが無粋だろう。

スキルでは敵に与える体幹ゲージへのダメージが上昇するものがあったり、上図の右のような「流派技」と呼ばれる特殊攻撃が習得できたりする。
特に前述のスキルは有用なものも多いため、早めに習得しておきたい。
そして後者の流派技だが、これは少々残念だ。
実戦に耐えうる流派技も一部存在するものの、その大半がゲームスピードが速い本作のような敵には全く機能しない前隙が大きい流派技なのだ。
その上、モノによっては前述の義手忍具でも使用する事になる”形代”を消費して発動する有様で割に合わない。
スキルは敵を倒したポイントを消費する事で習得していく事になるのだが、決して安くは無いポイントを消費して使い道がほとんどない技を獲得してしまうのは悲しい所だ。
例えば「隙は大きいが、当てられれば敵の体幹ゲージ回復を一定時間停止できる」など、前隙の大きさに見合った(もしくはそれ以上の)大きなリターンがあるのであれば使用する事もあっただろう。
見た目が派手なだけで、使い道のない流派技が多いのは嘆かわしい。

ここでやはり気になるのは、RPG要素の大半が撤廃されているために冒頭に記載した発売前の印象通りの気になるポイントに繋がっている事だろう。
まず、RPG要素が無くなってしまっているためにダークソウルやブラッドボーンのように時間さえかければ多くの人がクリアできるとは言い切れない。難易度を調整するような機構も存在していないため尚更だ。
近年ではクリアする事の重要性自体は低くなっているが、だからと言ってクリアがしにくくなっている事に目を瞑る事は出来ない。
そして、RPG要素の撤廃によりキャラクタービルドや武器防具収集がプレイのモチベーションに繋がっていた筆者のようなプレイヤーには小さくは無いマイナスだ。

 

ボス

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強さとしてやや淡泊なボス達

隻狼のボスのキャラクター性は非常に魅力的だ。
特に本作ではカットシーンなどでキャラクターのセリフがしっかりと用意されているボスも多く、底知れない雰囲気を持ったセリフ回しから漂う圧倒的な強者のオーラは非常にカッコいい。
しかし、人間に近い体格をしたボスが大半を占めているため、インパクトは少々見劣りすると言わざるを得ないだろう。

見劣りするのは見た目だけでは無い。その強さに関しても同様だ。
ボスのHPは2ゲージ分以上あり、1本分を削り切ると攻撃パターンが数個追加されるケースは度々あるのだが、戦闘方法が一新されるような「第二形態」が存在する事は非常に珍しくなっている。
そのため、ボスの攻撃パターンを覚えきってしまうのが早く、HPゲージが2本分あろうともプレイヤーがやる事には変化は生まれず、問題なく…否、問題になるポイントすら無く倒せてしまう。
ブラッドボーンやダークソウルⅢにおいては第二形態がある事が当たり前ですらあった事もあり、この物足りなさは強く感じた。

「筆者の場合では」と言う前提で記載するが、敵の攻撃パターンや特徴を覚えて機械的に処理しきってしまう事が多く、操作やボタン配置に慣れた中盤頃からはボスであっても多くて2~3回の挑戦で撃破できてしまう事が大半であった。
そのため、義手忍具を活用する(色々な事を試してみる)必要性に迫られる事が無く、ボス戦における義手忍具と言う要素に「わざわざ感」を強く感じた。
3D系ゼルダの伝説のような「特定の義手忍具を使わないと(ほとんど)太刀打ちできない」くらいのパズル的な攻略方法にするべきかは議論の余地があるが、少なくなった”第二形態”の代わりに「敵の攻撃方法の動的変化」などを導入してみても面白かったのではないかと思っている。
攻撃方法の動的変化とは、敵のHPゲージを1つ削り切った段階でのプレイヤーの行動傾向から、HPゲージの2本目からはそれに対して対策となりうる攻撃パターンが解禁される…と言ったものだ。
例えば、突き攻撃に対して左右に回避するような立ち回りをしがちなプレイヤーに対して、HPゲージ2本目からは薙ぎ払うような攻撃が解禁されたりするイメージをして貰えると伝わりやすいだろうか。
つまり、プレイヤーの行動傾向をフィードバックして敵が立ち回ってくるようにしてみてはどうか…という事だ。
これで本当に面白くなるのか(多くの人に受け入れられるか)は保証できないが、あくまで筆者の好みとしてパターンを覚えて精度良く行動をするだけのゲームよりも、状況に応じて臨機応変にアドリブ性をもって行動できるゲームの方が達成感が強いのだ。

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人権の無いボスも多い

序盤で登場したボスと類似した見た目でほとんど同様の技を使うボスが中盤頃から度々登場する点も少々気になる所だ。
本作のような動的変化の無いアクションゲームは元も子もない事を書いてしまえば「覚えゲー」だ。
敵の行動パターンを知り、その隙を理解する事で倒す事ができる。
しかしそれは違う言い方をすれば「一度理解した敵に人権は無い」に等しい。
攻撃パターンや大きな隙が生まれるタイミングを熟知している敵はもはや相手にすらならない。
フロー理論」と言うものをご存知の方もいるだろう。
フロー理論とは「没頭する事に対する再現性を研究したもの」だと思って貰っても良い。
フロー理論によれば、人が没頭する条件の一部に「不安や緊張感があること」「自分よりも僅かに高いスキルを要求されること」と言うものがあるのだ。
初めて挑むボスならば勝てるかどうかもわからないため不安だろう。
そして、ソウルシリーズや隻狼などは(僅かであるかはさておき)高い精度のスキルを要求される事も多い。
確かに、フロー理論における”没頭”の条件に合致しているように感じる。
しかし、以前に勝利した事のある相手の場合ではどうだろうか。
「勝てるとわかりきっている相手」では不安や緊張感は無く、「既に乗り越えた相手」は自分のスキルレベルよりも低いのだ。
ダークソウルやブラッドボーンにおいてはボスが使いまわされる事は非常に稀であっただけに、何故このような敵の使い方をしてしまったのかはわからないが残念と言う他ない。

 

死と回生

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噛み合いきらない生と死

隻狼は死にやすいゲームだ。
そのため、「死」と言う事象をゲームのシステムに組み込もうとしている。
考え方としてはダークソウルやブラッドボーンと同様だが、そのアウトプットは少々異なるものに変化している。

まずゲームプレイ中のタイムスケールとして最も短いサイクルである「回生」だ。
回生とはプレイヤーが戦闘中にHPが0になってもHPの最大値の半分で復活ができるシステムだ。
回生を一度使うと、リスポーン位置に戻る(死亡含む)、または忍殺などを行わないと再使用はできず、その状態でHPが0になると死亡となる。
一見ありがたい仕様のようにも感じるが、結局はHPの最大値の半分という非常に半端な状態での復活であり、「最後のあがき」と言う側面が強い要素だ。
しかし、HPゲージが2本あるボス戦において1本目のゲージを奪う前に回生した場合には、HPゲージ1本目を奪う際に忍殺を行うためボス戦中に再度回生が行えるチャンスが巡ってくるケースもある。
そのため、ボス戦で早々にやられてしまったとしても、トータルで見た場合には必ずしも不利が付きまとう事は無いようになっており、「ゲージを奪えばまた回生できる」と言う気持ち的な仕切り直しにも役立っている。

次に冥助と言うシステムだ。
冥助はプレイヤーが死亡してリスポーン位置に戻った際に確率で発生する。
通常死亡した場合には経験値とお金は所持の半分となるのだが、冥助が発動すると「経験値やお金がロストしない」のだ。
だが、ハッキリ言って本作のゲームプレイからしてこれは全く意味を成していない。
根本的に死亡回数が多い本作のようなゲームにおいて冥助が発動した頃にはロストするものが無いくらいスッカラカンである事がほとんどだ。
冥助の発生確率は10~30%なのだが、これはもはや「確率がもっと高ければ…」とかそういう次元の話では無い。
ストーリーテリングの面からも全く機能していないため、根本的に全く意味のないシステムなのだ。
このようなシステムにするくらいなら「確率でアイテムが貰える」にしてくれた方がまだ実用性があるくらいだ。

最後に死のデメリットも説明しておこう。こちらはタイムスケールとしては少しロングスパンな要素となっている。
プレイヤーが死に過ぎた場合には「竜咳」と言うものが発生する。
竜咳とは簡単に書くとプレイヤーの不死の代償として周囲の者に発病するものと説明され、これが酷くなるとNPCとのイベントなどが滞ってしまうなどのデメリットが発生する(あと一応、冥助の確率が下がる)。
確かに、プレイフィールとしては自身が不甲斐ないせいで善良なNPCに迷惑をかけてしまうのは申し訳ない気持ちにはなるうえ、最初のうちは死ぬ事へのデメリットがあると言う事実だけでもプレッシャーが生まれる。
しかし、ゲームシステムとしてはそこまで強烈なデメリットでは無く、次第に竜咳が蔓延しても余り気にする事が無くなってしまうのは折角の設定が活かし切れておらず勿体ない。

冥助や竜咳と言う「死」へのアプローチは「死ぬ事にフィーチャーしているからにはシステム面でも何か組み込まなくては」「今までのソウルシリーズとは異なる方法にしなくては」と言う打算的な考えから導入されてしまったような気がしてならない。

 

フィールドアクション

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RTAを意識したかのようなフィールド設計

隻狼では前述の通り鉤縄を使用した立体的な移動が可能になっているほか、草むらに隠れて敵から見つからないように移動する事もできる。
また、主人公は無尽蔵のスタミナを有しており素早く走り続ける事ができ、壁キックによる追加ジャンプもできるのだ。
ん?普通の人間はそんなことできない?主人公は忍者であるためこれくらい出来て当然だろう。

これらによって道中の敵の大半を無視して進むことが可能になっている。
前述の義手忍具・鉤縄を駆使して立体的に移動してしまえば敵の追跡は簡単に撒けるし、無尽蔵のスタミナで走り抜けてしまえばこっちのものだ。
ボス戦に関しては流石に無視して進むことはできないようになっているが、逆に言えばボス戦以外は無視する事は容易い。

ソウルシリーズではRTA(リアルタイムアタック)が行われる事も多かった。
本作のフィールドではそのようなプレイも見越した様々なルートの設計が行われているように感じる。

 

グラフィック

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戦乱による荒廃と神秘的な和を感じさせるフィールド

隻狼のグラフィックは美しい。
キャラクターの造形にはフロムソフトウェア特有のクセが感じられるものの、フィールドのデザインは戦国自体の戦いによる荒廃と日本らしい神秘的な美しさが融合しており素晴らしいの一言だ。

フィールドには瓦屋根の上を走ったり、床下や天井裏など忍者あるある的なポイントも用意されている事も忘れてはならない。

 

サウンド

音楽は当然ながら和テイストだ。
ゲームプレイ中では敵との戦闘状態になった際にBGMが強く挿入される形となっている。
現代的なインタラクティブミュージックの手法の1つだが、BGMの使い方としてほどよい緩急だ。
初回特典のミニサウンドトラック分のものしか曲名がわかっていないが、筆者としては聴く事になる回数も多かった「強者」はお気に入りだ。

また、本作ではほとんどのカットシーンでセリフ付きのボイスが挿入されるのも特徴なポイントと言えるだろう。

 

総評

隻狼はチャンバラアクションと神秘的なフィールドが織りなす唯一無二の死にゲーだ。

チャンバラアクションは見た目とシステムの両面で高次元に成立しており素晴らしいの一言だが、機械的に処理するだけの単調なボスや意味を成していない「生と死」のシステムなどなど、光るポイントはありつつも詰めの甘さが残っている。

しかし、本作がやり応えのあるアクションゲームとして素晴らしい作品であることは忘れてはならないポイントだ。
RPG要素を廃したり、ストーリーを強化したり、舞台を日本にしたりと続編あるいは次回作にも十分に期待が持てる多くのチャレンジを行った事も評価したい。

 

外部記事

『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』でフロム・ソフトウェアが挑むアクション・アドベンチャーとは? 宮崎英高ディレクターに迫るロングインタビュー! - ファミ通.com

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【レビュー】ファイアーエムブレム ヒーローズ

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キャラクタービルドの聖地

ファイアーエムブレム ヒーローズ(以下、FEH)は2017年にサービスが開始されたファイアーエムブレム(以下、FE)シリーズのスマートフォン向けアプリだ。

FEHはいわゆるシミュレーションRPGのゲームであり、歴代のFEシリーズに登場した様々なキャラクターが登場する作品だ。

今回はスマートフォン向けアプリである本作のレビューをしていこうと思う。
なお、昨今のゲームの大半が該当する事ではあるがスマートフォン向けアプリでは特にアップデートによる追加・変更の頻度が高いため古い情報が記載されている場合もある。
可能な限り記事もアップデートしたいと思っているが、古い情報が載っている場合にはご了承願いたい。

 

ファイアーエムブレム ヒーローズ | Nintendo

 

ストーリー

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ほとんど無いと言っても良いストーリー

FEHにおけるストーリーの完成度は残念と言わざるを得ない。

ストーリーという項目こそ存在しているものの、その内容はほとんど無いと言っても過言ではないものだ。
本作におけるストーリーの役割とは新規実装されたキャラクターが敵としてお披露目される舞台であり、その新規キャラクターにしても一言か二言くらいのテキストが用意されている程度だ。
確かに過去のタイトルのキャラクターに新たなセリフが用意されていること自体は嬉しい要素とは言えるのだが、キャラクター性を目当てにプレイを開始すると肩透かしを喰らうだろう。

また、FEHのオリジナル物語であるアスク王国のヴァイス・ブレイブという組織を中心として話は進んでいくのだが、その物語自体は厚みは無く淡泊な印象を受ける。

せっかくファイアーエムブレムシリーズのオールスター的な作品であるのだから、本編では有り得ないようなキャラクター同士の掛け合いが合って欲しかったと思うのが普通だろうが、本作においてそのような展開は非常に少ない。
イベント「想いを集めて」のクリア状況に応じて展開されるストーリーがクロスオーバー的な会話が存在したり、個別のキャラクターに焦点を当てたストーリーが展開されたりする数少ない要素となっている。

シミュレーションRPGと言うジャンルの中で「キャラクター性」を強い個性としたFEシリーズにおいて、ストーリーやキャラクターの描写が物足りない点は残念だと言わざるを無いポイントだろう。

 

システム

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狭いが本格的なシミュレーションRPG

FEHはシミュレーションRPGのゲームだ。
本作においてはレギュレーションによって差異はあるのだが、基本となるものは戦場が「6x8」という狭いマップで、ユニットは最大で4枠となっているのはシリーズとしては特徴的と言える。
これはスマートフォン向けアプリである事から、比較的短時間で1戦が終了できるように配慮されているためと思われる。

ファイアーエムブレムシリーズお馴染みともいえる「三竦み」や「特効」などの要素は健在だ。
三竦みはシリーズでも途中から導入されたシステムだが、本作においては若干特色が異なる。
シリーズならば剣が槍に、槍が斧に、斧が剣にそれぞれ弱い特性を持っているが、本作においては各ユニットには「色」がその三竦みを表している。
赤は青に、青は緑に、緑は赤に弱いのだ。
例えば、赤色の物理近接キャラクターは剣使いとなるのだが、赤色の魔法使いなども存在するのだ。赤の魔法使いであれば、緑色のキャラクターに対して強気にだせる訳だ。
また、シリーズ同様に有利も無ければ不利も無い三竦みの枠外も存在する。
灰色の「無色」と呼ばれるものがそれに該当し、一部例外はあるものの弓を扱うユニットなどはその顕著な例だ。
前述の通り、本作においてはユニット数も少ないため1ユニットがカバーするべき仮想敵(例えば、「赤色には倒されない」などの役割)の比重も重くなっている。
キャラクターの特性などを良く考えてパーティー編成をする必要があり、単純な数値上のステータスが強いだけでは勝つ事は難しい。

誰もが手軽に始められるFree to Play(Free to Start)タイプのスマートフォン向けアプリである本作であるが、戦闘における戦術性や戦略性の見劣りはほとんど無い…どころかマップの狭さやユニット数の少なさがあるため、(シリーズとしては)独特な非常に奥が深い戦術性・戦略性が存在していると言えるだろう。

なお、シリーズで特徴的な「ユニットがやられると復活しない」といった要素は本作では排除されているため、その点は安心して良いポイントだ。
また、「攻撃を回避する」を始めとした運が絡む要素に関しても撤廃されているため、シリーズ経験者はより堅実な戦術・戦略を練る必要がある点は注意した方が良いだろう。

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大きめのマップで多めのユニット扱う制圧戦

上述したバトルの他にも「制圧戦」と区分されるレギュレーションも存在する。
制圧戦の場合には8x10マスの少しだけ広い戦場マップとなり、味方と敵の出撃人数も2倍に増加する。

制圧戦では拠点が用意されており、その拠点を陥落させる事を目指す。
拠点の数はマップにより4つだったり6つだったりするが、本拠地を陥落させた方が勝利となるルールだ。
ユニットがやられた場合には予め設定した控えユニットが出撃するため、現状の戦場に出撃しているメンバーを全て撃破しても気を緩めてはいけない。

 

バトルコンテンツ

FEHにおける主なコンテンツについても一部だけ触れておこう。

 

ストーリーマップ

ストーリーマップは前述の通り、新規実装キャラクターを紹介する役割が主となるコンテンツだ。
話自体はアスク王国のヴァイス・ブレイブと言う機関が中心となったオリジナルの話が展開される。

ストーリーマップでは「メインストーリー」と「外伝」などが存在する。
メインストーリーと外伝は章単位で構成されており、1つの章辺りメインストーリーは5つ、外伝は3つ分のバトルシチュエーションが用意されている。
バトルフィールドでは新規実装キャラクターが敵として配置されており、ステータスやスキル構成が把握できる。
また、戦闘前には一言二言のセリフが挿入されるため、原作を知らないユーザーであっても僅かではあるがキャラクター性も把握できる。

バトルの難易度は「ノーマル」「ハード」「ルナティック」の3種類で、ある程度の戦力さえ整っているユーザーであればクリアするのにそれほど苦労する事は無いだろう。
また、各バトルの初回クリア時には後述の「召喚」で使用する事になるオーブが1つ入手できるため、各難易度を積極的にクリアしていきたい所だ。

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初心者向けのコンテンツも用意されている

ストーリーマップでは初心者用の基礎学習が行えるコンテンツ「クイズマップ」も用意されている。
筆者としては「習うより慣れろ派」なのだが、基礎知識をしっかりと知っておきたいと言うユーザーはまずは「基礎編」だけでもクリアしておくと良いだろう。

 

闘技場

闘技場はFEHにおけるエンドコンテンツのような位置付けの遊びだ。

端的に言えば、自分が育て上げたメンバーを他プレイヤーが育てたメンバーと戦わせて勝利を目指す…と言った内容だ。
他プレイヤーと戦うと言っても直接的なPvP(プレイヤーvs.プレイヤー)という訳ではなく、あくまでも他プレイヤーが設定した部隊を動かすCPUと戦うといった具合となっている。
そのため、マッチングなどを気にする必要も無く気軽にプレイする事が可能だ。

闘技場では勝利する事でスコアが加算されていき、最大5連勝分までのスコアの合計値で他ユーザーと競う事となる。
詳細には書かないが、このスコアが高ければ良い報酬が貰える仕組みと思って貰って良いだろう。
スコアを競う1シーズンは一週間単位で行われており、そのランクによってオーブなど嬉しいアイテムが貰える。

しかし、この闘技場でスコアを上げる方法には少々問題点がある。
スコアは基本的に「対戦相手のステータスが高ければ、高いスコアが出る」ような仕組みなのだが、相手の能力を高くするには自分の出撃メンバーのステータスを上げていく必要がある。
そうなってくると、ステータスが低く設定されている魔法使いや騎馬、飛行と言ったキャラクターではハイスコアが狙いにくく、ステータスが高い重装(アーマーナイト)でしか一定以上のハイスコアを狙いにくい状況になってしまっているのだ。
もちろん、魔法使いや騎馬、飛行を利用しても ある程度の高いスコアは出せるのだが、更に上位を目指す場合にはどうしても限界が出てきてしまう。
そのため現状では一定以上のランクにおいて「皆が皆、似たり寄ったりの部隊編成・スキル構成」となりがちなのだ。
最近では「死闘系」と呼ばれるスキルなどが実装され、重装以外でもハイスコアが狙えるような調整が行われているもの、そもそも「死闘系」のスキルの入手が難しい側面が強い。
また、重装のハイスペック化も相まって「死闘系」を使用したとしても十分なスコアが獲得できるとは言い難いのが実情だ。

 

飛空城

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より難易度の高い疑似PvP”飛空城”

飛空城は闘技場と同じくFEHにおけるエンドコンテンツのようなものとなっている。

プレイヤーは通常の戦闘と同様に「6x8」のマップで他ユーザーが作成した部隊と戦う事となるのだが、飛空城において作成するのは部隊編成だけでは無く、「マップのオブジェクト配置も行う」のだ。
攻撃時には他ユーザーが配置した部隊やオブジェクトに対処しつつ攻略する必要があり、防衛時には自軍を操作するCPUの事も考慮しつつ部隊やオブジェクトを配置する必要がある。
攻撃においても防衛においても難易度は高めではあるが、それ故に敵を撃退できた時の喜びも大きい。

なお、防衛時の戦闘は後から再生が可能となっており、自軍のCPUが想定通りに動作しているかなどのチェックも行える。

こちらのスコアは単純な勝利や防衛によって変動するため、闘技場のようにステータスに依存するところは少なく、比較的多様なユニットを配置しやすいのは面白いポイントだ。
とは言うものの、強力なユニットを編成しやすいため「本当の意味で多様性があるか」と問われるとやや疑問が残る仕様だ。
これは筆者の考えだが、「ユニットコスト制限」を設けるだけでもかなり違うと思うのだ。例えば部隊編成において「全ユニットのステータスおよびスキルコストの合計値が○○以内」「全ユニットの移動距離の合計値が××以内」などの条件を設ける訳だ。
これによって今まで不遇とも言えたキャラクターやスキルにも光が当たる可能性が大きく上がるのでは無いかと思う。

 

イベント

FEHでは定期的にイベントが開催されている。
本作のイベントでは「他ユーザーとスコアを競う」と言う要素自体はあるものの、それが前面には出ておらず、あくまでもユーザーが自分のペースで楽しめるような内容となっている。
開催期間も比較的長く、毎日2~3回ほどの僅かなプレイでも十分なイベント進行報酬が受け取る事が多い。

イベントには「かんたんタップバトル」「大制圧戦」「投票大戦」「戦禍の連戦」「想いを集めて」などがある。
どれもプレイする事で貰える報酬は悪くなく、時間的拘束時間も少なく済むためコツコツとプレイするのが良いだろう。

しかし、逆に言えばイベントは「ストーリー」と同様にどれも淡白な内容であり、やや物足りなさを感じる。
例えば、単純に思いつくものなら「ユーザー間の競争意識を高めるイベント」などがあっても良いように思えるのだ。
現在でも一応は「ユーザーのイベントの貢献点」のようなものがランキングになっており、その順位によって報酬も変化するのだが、上位を目指したいと思えるようなものにはなっているとは言い難い。
上位を目指すよりも、イベントの進行で確実に貰える報酬の方がよっぽど貴重であったり、価値が高いのが現状だ。
それはそれで嬉しいのだが、イベントの中に1つくらいは「競争」するイベントがあっても良いのでは無いだろうか。

 

キャラクタービルド

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奥深いキャラクタービルド

FEHにおいて最も魅力的な要素を挙げるとするならば、それはキャラクタービルドだ。

本作のキャラクターのステータスは「HP」、「攻撃」、「速さ」、「守備」、「魔防」、そして「スキル」と「武器」が存在している。
基本能力であるHP、攻撃、速さ、守備、魔防はだいたいの想像がつくと思うので説明は割愛し、ここでは武器とスキルに関して簡単に説明をしておこう。

スキルはA、B、Cの3つの枠が存在している。
Aスキルは主に「戦闘に影響を及ぼすもの」となっている。
Bスキルは主に「広義なサポート」を行うもの。
Cスキルは「バフやデバフ」と言ったものが中心だ。
これらのスキルを組み合わせてキャラクターが輝く方法を模索するのはキャラクタービルドをするのが好きな人にはたまらないだろう。

武器は名前の通りキャラクターが使用する武器で攻撃力を上昇させる。
しかし、大半の武器はそれだけでは無く何かしらのユニークなスキルを内蔵している事がほとんどだ。
例えば、武器によっては特定のAスキルに相当する効果が内蔵されているなど、武器によって様々だ。
名前こそ「武器」だが、ほとんどスキルと同義だと思った方が良いかも知れない。

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ビルドの手段は多種多様

リリース当初こそキャラクタービルドの自由度は低かったものの、「スキル継承」や「聖印」「武器錬成」と言った追加要素によって非常に幅広いビルドが可能になっている。

スキル継承は端的に表現すれば「キャラクターを消費して、そのキャラクターの武器やスキルを別キャラクターに受け継がせる要素」だ。
ただし、例外もあり”ファルシオン”や”封印の剣”などの特殊な固有武器・スキルは継承する事は出来ない。そのため、継承できない固有武器・スキルを持っているキャラクターは個性が出しやすいキャラクターであるとも言えるだろう。
もちろん、固有武器やスキルを装備させず汎用のものを使用する事も可能であるため、自分好みのビルドを考えると面白いだろう。
なお、固有武器や武器錬成に関してはアップデートによって順次追加がなされている。
特にステータスやデフォルトスキルでやや遅れを取っている初期実装キャラであっても強力あるいはユニークな性能で頭角を現す場合も多い点は魅力的なポイントだ。

聖印はイベントなどで定期的に追加されている装備品のようなものだ。
聖印にはスキルが内蔵されており、前述のA、B、Cの3つのスキル枠とは別にキャラクターにもう1つだけスキルを任意に付与できるに等しい。
聖印に内蔵されているスキルはA、B、Cのいずれかのカテゴリーのスキルであるため、キャラクターをより手厚くサポートできる要素だ。

また、その他にも特定のキャラクター同士で一緒に出撃される事でキャラクターを強化できるようにする「祝福付与」や「支援」。
お気に入りのキャラクターを強化できる「召喚師との絆の契り」「神竜の花」と言った要素も存在している。
ファイアーエムブレムシリーズでは数多くのキャラクターが登場してきたが、好きなキャラクター達を活躍できるようにビルドを考えて楽しむ事が出来るようになっているのはシリーズファンとしても嬉しい限りだ。

とは言え、実装当初から比べると非常に多くの要素が追加されており、「今から始めてみよう!」と思うユーザーには覚える事が多く少々とっつきにくい所は否めないだろう。

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激化レイヴン

典型的なビルドの例を挙げてみよう。
上図は一般に「激化レイヴン型」と呼ばれるビルドを行ったものだ。
「○○レイヴン」と呼ばれる魔法には「無色に三竦み有利属性の判定となる」効果が内蔵されており、これをAスキル「相性激化」の効果によって更に有利な状態にする。
これにより自身の得意属性(緑属性なら青に強い)+無色に無類の強さを誇るキャラクターに仕上がるのだ。
欠点としてはスキル相性激化のデメリットにより苦手属性からの攻撃にはより一層弱くなってしまう点だが、これはパーティーの構成と運用で補う必要がある。
この激化レイヴン型は初心者でも比較的作りやすく、また得意属性+無色キラーと言う2つの役割を持たせる事が可能であるため非常に重宝するビルドだ。

なお、筆者のセシリアの場合にはBスキルに「緑魔殺し」を付けて得意属性+無色+同色魔法キラーの3つの役割を持たせている。

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ネタビルドには楽しさが詰まっている

また、実戦向きでは無い「ネタビルド」のような方向性に挑戦してみるのも面白い。
例えば、上図は筆者のネタビルドの筆頭であるアーダンだ。
彼は速さと魔防は無いに等しいが、守備が50を超える耐久性を持っている。
そして彼には武器に「守りの剣」、Aスキルに「金剛の構え」を継承させている。
これにより敵から攻撃をされた場合に限り、守備が追加で+13(守りの剣で+7、金剛の構えで+6)され、守備の値は60を軽く超える鉄壁となるのだ。
物理攻撃にしか対応していないこのビルドでは実用性はほとんど無いのだが、物理攻撃ならば苦手属性であっても完封すらできる耐久性は見ていて面白い(贅沢を言えば「金剛の構え4」を装備させたいが)。

このように様々なスキルを組み合わせて、凶悪な性能もしくはユニークな性能を持ったキャラクターを作り上げる事ができるのは楽しいの一言だ。

 

召喚

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召喚

FEHにおいてキャラクターを獲得するには「召喚」と呼ばれるシステムを利用するのが一般的だ。
一部のイベントでは条件を満たす事で獲得できる配布のキャラクターも存在しているが、それだけではなかなか戦力が厚くならないケースがほとんどだ。

「召喚」とは平たく言えばガチャだ。
本ゲームはルートボックスなどとも呼ばれるようなガチャ課金形式でのマネタイズ(運営)となっており、課金を行う場合には類似の方式を採用する他のゲームと同様に自分財布と相談しながらするのが健全だろう。

また、召喚には「オーブ」と言うアイテムを消費するのだが、本作においてオーブはログインボーナスなど無償配布される分だけでも結構な量を貰えるため、手軽に遊んだりする分にはそこまで苦しい思いはしない。
上位を目指したり、好きなキャラクターを強くしたいなどの場合には必要になってくる事も多いだろうが。

詳しい説明は省くが、本作のガチャにおけるシステムでは「最高レアリティ星5のキャラが出なければ、星5の出現率が上がる」と言うものになっている。
星5でのみ排出されるキャラクターもいるため一見するとありがたい仕様なのだが、このシステムでは痒い所に手が届いていない点が最大問題となる。
結論から先に書いてしまえば「自分が欲しいキャラを出せない」のだ。
確かに本作においてはどのようなキャラであっても活躍できない事は無い。
初期実装のキャラクターと最新のキャラクターで性能差は否めない点はあるものの、スキル継承や固有武器実装、武器錬成などでいくらでも挽回する事ができる。
この点は確かに魅力と言えるポイントではある。
しかし、実際にガチャをする場合は「誰でも良い」のではなく、「お目当てのキャラクター」がいる事が大半だ。
当然だが星5の出現率が上がったからとて「お目当てのキャラクター」が出てくるとは限らない。まして、本作ではFEシリーズのキャラクターが続々と実装されてきており、星5限定排出のキャラクターも多くなってしまっている。
そのため、目当てのキャラクターを獲得できる確率が時間と共に滝のように下がってしまっており、いくらガチャをしても目当てのキャラクターが一向に引けない事が多くなっている訳だ。
その上、狙っていない星5キャラクターを引いてしまった場合には出現確率が初期値にまで戻されてしまうため、(ここは感情先行の話になって申し訳ない所だが)例え引いたのが良いキャラクターであっても悲しさは倍増してしまう。
運営側には「星5限定排出対象キャラクターの整理(削減)」や「確定ガチャ権の販売」やガチャ数に応じてキャラクター指定で獲得できるいわゆる「天井」の実装を早急にお願いしたい所だ。

 

グラフィック

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様々なイラストレーターによって描かれたキャラクター

FEHでは様々なイラストレーターによってキャラクターが描かれている。
そのなかにはFEに縁のあるイラストレーターが参加していることも多く、ファンにとっては非常に嬉しいポイントだ。

イラストは「立ち絵」「攻撃絵」「奥義絵」「被弾絵」の4パターンからなっている。
原作からかなり時間が経っているキャラクターもいるため、現代仕様にリファインされた彼らを観るだけでも価値はあると言えるだろう。

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戦闘アニメーションも悪くない

FEHのマップ上や戦闘ではデフォルメされたチビキャラクターが躍動する。
見た目が可愛らしく迫力と言う意味では欠けるかも知れないが、原作を再現した攻撃アニメーションを見せるなどファンにはたまらない演出も多い。
戦闘をスムーズにしたい場合には設定によって戦闘アニメーションをカットできるため、ゲームプレイに集中したい場合にはアニメーションをOFFにしたり、キャラクターの活躍がみたい時にはアニメーションをONにして使い分けるのが良いだろう。

 

サウンド

FEシリーズの楽曲はメロディが良く、耳に残るような名曲たちが多い。
本作で流れる音楽はそんな歴代のFEシリーズのBGMを使用している場合が多く、歴代シリーズのファンであれば非常に嬉しいポイントとなっている。

 

総評

ファイアーエムブレム ヒーローズはシリーズのクロスオーバー作品でありながらシリーズファンに喜ばれる要素が少し物足りず、またシリーズの個性とも言えるキャラクター性においても少し物足りない作品となってしまっている。
しかし、ゲームプレイ部分におけるシミュレーションRPGの面白さとキャラクタービルドの奥深さは間違いなく素晴らしく、噛めば噛むほどに旨味が出てくる作品に仕上がっている。

 

外部記事

「ファイアーエムブレム ヒーローズ」のコンセプトは“スタンドバイミー”。開発者インタビューで明かされたファイアーエムブレムシリーズの新たな挑戦 - 4Gamer.net

 

【レビュー】三國志13

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濃密なる三國志ライフ

筆者は三國志シリーズのプレイ経験は8からであるため、それほど長くは無い付き合いだと思う。
しかし、それでも筆者の好みはわかるようになった。
三國志シリーズではいわゆる君主プレイと全武将プレイの2パターンあるが、筆者は全武将プレイである方が趣向に合っていたのだ。
しかし、全武将プレイは10を最後に登場する事はなく、筆者としては若干の消化不良感を覚えながらシリーズをプレイしていた。
今回は久しぶりに登場した全武将プレイである三國志13をレビューする。

なお、本レビューは「三國志13 with パワーアップキット」のレビューとなる。

 

Switch 三國志13 with パワーアップキット

 

三國志13 with パワーアップキット PS4版

 

 

 

ストーリー

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ベースとなる時代を選んで進めるが気にする必要は無い

三國志シリーズは基本的に三国志演義をベースとしている。
シナリオは各時代から開始する事が可能で、例えば「黄巾の乱」であったり「赤壁の戦い直前」などの時代から好みの武将(正確には武官や文官)を選択して三国志演義の世界を追体験するような形となる。
三國志シリーズは三国志演義に沿ってプレイするのも良いし、自分好みのプレイをしても良い。

本作は全武将プレイだ。
全武将プレイとは三国志演義(三國志13)に登場する全ての人物でゲームをプレイできるという事だ。

また、登録武将といわれるプレイヤーが作成する事ができるオリジナルの武将でプレイする事も可能だ。

 

システム

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チュートリアルなども存在する

本作では「英傑伝」と言うシステムが用意されており、そこで本編の操作方法を学ぶことが可能だ。
三國志シリーズは総じて最初のとっつきにくさが強烈であるため、不安がある場合にはここを少しだけでもプレイしてから本編に行くと良いだろう。

 

本編

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様々な三國志ライフを堪能できる

三國志13は全武将プレイで様々な武官・文官(便宜上、一律で武将と記載する)あるいはオリジナルの人物になって三國志世界を楽しむ事が可能だ。
そのため、軍団全体を率いる君主でプレイしたり、軍団の中にいる一人の武官あるいは文官としてプレイしたり、あるいは何もしないニートのような在野の雄としてもプレイできる。
そう。本作のゲームプレイでは何をしても良い。そして、何もしなくても良いのだ。
これは全武将プレイの大きな特徴だろう。
筆者は「気ままな在野になってどの勢力が伸びるのか静観する」なんてプレイも良くやるのだが、疑似神視点のようなプレイが出来るのは個人的に非常に嬉しい。

そんな中にあって三國志13のパワーアップキットにて新たに登場した概念「威名」はロールプレイを更に強化している。
君主や将軍として中華統一というエンディングだけではなく、例え在野であっても商人などで特定条件をクリアすればエンディングを見る事が可能になっているのだ。
これによって非常に幅広いロールプレイを実現している。

では、前述の商人プレイを例に説明しよう。
商人は単純に物品・兵糧売買の差額によって儲けを得る事が基本的なプレイとなるが、商人として名声を得ていくと懇意の勢力に対して兵糧や兵士を出資できるようになる。
そして、その見返りとして多くの資金を貰ったり、勢力に対して要望(「特定の勢力を潰してくれ」など)を出したりする裏世界を牛耳るようなプレイが可能になるのだ。
なお、商人では一定の金額まで資金を貯める事ができればエンディングを迎える事も出来る(エンディングを延期して、そのままプレイする事も可能だ)。
そのため、例えどの勢力にも仕官していない在野の士であってもエンディングに到達する事ができるのだ。
その他にも将軍や侠客と言った威名(ロール)が存在しており、それぞれ様々な特有のコマンドが用意されておりプレイの幅を強化しているのは全武将プレイとの相性が非常に良いと感じた。
また、制約はあるもののこれらのロールはいつでも変更が可能であり、状況に応じて自分に有利な威名を名乗る事も良いだろう。

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初見プレイヤーには不安しか与えないGUI

とは言うものの三國志13…いや、三國志シリーズにはわかりやすい大きな問題を抱えたままだ。
それはそのコマンドの多さだ。これはもう上の画像を観て頂ければそれだけで伝わるだろう。
シリーズ未プレイのユーザーがこのような画面を目の当たりにした際に、その情報量の多さに尻込みをしてしまう絵が容易に想像できる。
この辺りのとっつきやすいGUIデザインは是非とも検討して頂きたい限りだ。
また、本作のコンソール版は恐らくPC版ベースに微調整を行っている程度であると思われ、操作性においてやや最適化が不足している。
コンソール版でも操作しやすいデザインも併せて検討願いたい所だ。

もしも初めて三國志シリーズをプレイし、それをこの三國時13にすると言う人は一番最初は選択肢(やるべきこと・やれること)の多い君主は選択せずに、操作感や雰囲気を掴むために気ままにまったりとプレイできる武官や文官を、パワーアップキット版であれば在野の商人としてプレイすることをオススメする。
また、通常版・パワーアップキット版共に最初にプレイするのであれば能力の高い人物を選択するのが良いだろう。

また君主として中華統一を目指した場合には、この手のゲームにありがちな序盤~中盤までは面白いものの、そこを脱してしまうと大勢が決してしまうため「もはや勝負にならない」状態になりダレてしまう(飽きてしまう)事が多い。
歴史シムであるため、下手な要素を付け加えるのは雰囲気を壊してしまうが、大勢が決したからこそ楽しめるようになる要素を追加するなど何か工夫を考えて欲しい所だ。

 

戦闘

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RTS的な戦闘システムは戦術性・戦略性もあり面白い

三國志13の戦闘システムは三國志12を改良したリアルタイムに動作する形となっている。

リアルタイムに変化する戦場で有利になるように立ち回る事で例え相手の兵数を下回っていても勝利する事が可能だ。

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戦法により味方にバフ、敵にデバフを仕掛けよう

戦闘において重要な要素の1つは「戦法」だ。

戦法は戦闘中に溜まっていくゲージを消費する事で味方にバフをかけたり、敵にデバフをかける事も可能だ。もちろん敵に大ダメージを与えるものも多く存在する。

また、戦場で親密度の高い武将がいる場合には効果量や効果時間上昇などの追加効果が発生する事もあり、普段からの交友関係も大事だ。

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ジャイアントキリングを狙うならば挟撃は欠かせない

自軍よりも強大な敵を相手にする場合に欠かせないのは「挟撃」だ。

上の画像では若干わかりにくいかと思うが、挟撃は敵軍勢を複数の方向から同時に攻撃する事で発生する。
挟撃が発生した部隊は士気が下がるため攻撃力も防御力も落ちる。
更に士気が落ち切った部隊は混乱状態に陥り反撃不可の状態にまでなる。
ここまで来てしまえば相手の部隊を壊滅させるのは容易いだろう。
この挟撃は2部隊だけで発生させる事が可能であるため、強力な敵部隊を上手く誘引して各個撃破狙うのも良い戦術となるだろう。

しかし、この挟撃は当然ながら自軍に発生するケースも考えられる。
自軍が挟撃されないように立ち回るのはもちろんだが、挟撃されてしまった場合には士気が無くならないように戦法などでカバーする必要もあるだろう。

劣勢の戦場で自分の軍勢の采配によって獲得した勝利には代え難い達成感があり、自分だけのストーリーを紡ぎだしている感覚が得られるだろう。

 

エディット

パワーアップキット版のみではあるが、エディット機能が搭載されている。
エディット機能では既存武将の設定値変更やアイテムの設定値変更、戦闘で使用する戦法エディット、そしてイベント編集などが存在する。
ここからはエディット機能に関する内容を記載していこう。

このエディット機能において残念だと言える部分があるとすれば、任意の勢力に任意の武将を配下にした状態でゲームを開始できるような機能が未だに実装されていない点だろう。
ゲームプレイをユニークな設定で開始したいユーザーは筆者だけでは無いハズだ。

 

史実武将編集

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自分好みの能力値に編集できる

三國志シリーズのパワーアップキット版ではもはやお馴染みであるが、史実武将の能力値に関して編集が可能だ。
シミュレーションゲームである三國志は基本的に三国志演義をベースに査定が行われている所があり、これに納得のいかないユーザーは史実に近い能力設定にする事も可能だ。もちろん自分好みに設定するのも面白いだろう。

また、オリジナルの武将を作成する「登録武将」ももちろん存在する。
こちらではゲーム内で登場しない武将を再現したり、自分好みの武将を作成したり好きに作成させる事が可能だ。
なお、登録武将に関してはパワーアップキットで無くても搭載されている機能だ。

 

史実名品編集

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ゲーム内で登場するアイテムの追加や編集も可能だ

パワーアップキット版では名品編集ではゲーム中に登場する名品(アイテム)に関して編集する事が可能だ。
能力値の上昇量や武将の特技への補正なども編集できるため、自分の考える値に変化してみても良いだろう。

また、登録武将と同様に名品に関してもオリジナルの名品を設定する事も可能だ。

 

史実戦法編集

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戦闘で活躍する戦法の追加・編集も可能だ

パワーアップキット版では戦場で使用する事になる戦法に関しても編集する事が可能だ。

ただし戦法の編集の効果に関して自由に設定する事はできず、あくまでもベースとなっている戦法の効果量を上下させる事が可能な形となっている。
例えば上図の戦法であれば「防御力アップの能力を追加・変更」は行えないが、「機動力の上昇量を+90に変更」は可能だ。

こちらに関してもオリジナルの戦法が登録可能となっているが、編集時と同様にベースを設定して変更する形式であるため自由な戦法作りは行えない。
痒い所に手が届いていないため、再現武将の再現戦法を作りたい…なんて時には丁度いいベースとなる戦法が無く困る事もあるかも知れない。

 

イベント編集

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ゲーム内で発生するイベントを自作可能だ

三國志13のパワーアップキット版で最もインパクトがある追加要素がこの「イベント編集」だろう。

自分で指定した条件の時に、自分で作成したイベントを発生させられるものとなっている。
ゲーム内で登場しない三國志関連のイベントを自分で再現して作成したり、全く関係ないハチャメチャなイベントを作ったりすることも可能だ。
なお、イベントにはサイズ制限があり余りにも長大なイベントを作成する事はできない。

イベント編集は非常にロマン溢れる内容になっており、面白い可能性を大いに秘めているものの、1つのイベントを作成するだけでもそこそこの時間が必要であるため、その事を念頭に置いてじっくりと取り掛かると良いだろう。
また、何でもかんでも自由なイベント作成できる…とまではいかない点も注意または工夫が必要だ。

 

その他の編集
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ゲーム中にも編集は可能だ

ゲームプレイ中であっても編集可能だ。
ゲームプレイ中に武将の能力値を弄ったり、名品の持ち主を変更したりもできる。

一部はゲームプレイ中にのみ編集可能な要素もある。
都市編集では都市の発展状況など、勢力編集では同盟などの状況に関して編集が可能だ。
また、都市を繋ぐ関所のような「集落」と呼ばれるものがあり、そこの設定を変更する事もできる。

 

グラフィック

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各武将のイラストは迫力満点だ

三國志シリーズではお馴染みではあるが、各武将のイラストは迫力満点だ。
また、今作では全員では無いものの内政時と戦闘時でイラストが変化したり、年齢によっても変化したりする武将も存在する。

また、武将名鑑ではシリーズ過去作の顔グラフィックも確認する事ができるようになっている。

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都市とフィールドがシームレスに切り替わるのは嬉しい

ゲームプレイ中には都市を移す内政用の画面と中華の広範囲を見渡すための画面が用意されているが、それらは全てシームレスに表示される。
グラフィック自体はそこまで精細とは言えないものの、都市で内政をやりつつ、外部で行われている戦闘の状況を確認すると言った機能性が良い。
何よりも都市と都市が地続きであると実感できるため見せ方としては非常に良いポイントだ。 

 

サウンド

BGM変更機能からゲーム内BGMが視聴可能だ。
BGM変更機能ではシチュエーション別に流れるBGMを変更する事が可能となっている。
本作のBGMは三國志11の”破竹”ほどインパクトの強い曲は無いが、BGMは盛り上がるもの・落ち着くものなど良いものが揃っている。

壮大な野望を感じさせる「曹操のテーマ」

安らぎのある「孫権のテーマ」

雄大な「皇帝のテーマ」

勢いのある戦闘を感じる「戦闘(優勢)」

頼もしさを感じる「勇壮」

この辺りが筆者のお気に入りだ。

 

総評

三國志13は筆者待望の全武将でプレイ可能な三國志シムだ。

リアルタイムに変化する戦場は面白く、例え在野であっても面白い形で世界に介入できる。
正に全武将プレイは三國志の世界を自由に体験できるのだ。

しかし、そのコマンドの多さによって圧迫感のあるGUIは初心者にとっては致命的なほどの苦痛に感じる事だろう。
メーカーにはここに何かしらの対処を行って欲しい所だ。

ユーザーはGUIの複雑さを理由に毛嫌いするのではなく、自分が出来る事を徐々に増やす事でその面白さに気が付くハズだ。

 

外部記事

“自分のこだわりを投影できる武将プレイ”を目指した。「三國志13 with パワーアップキット」利川哲章プロデューサーへのインタビュー - 4Gamer.net

「三國志13 with パワーアップキット」では,拡張版の枠を越え,プレイスタイルまで変えたい。利川哲章プロデューサーへのインタビュー - 4Gamer.net

【レビュー】よるのないくに2

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月の欠けた紺碧の夜

最初に書いておこう。筆者は前作「よるのないくに」をプレイしていない。
本作「よるのないくに2」がシリーズ初めてだ。
そのため、前作をプレイしていればこそのシーンに対してのリアクションは行えなかった。ご了承願いたい。

よるのないくに2は群雄が割拠した2017年に発売されたゲームだ。
本来であれば筆者はこの手のタイプのゲームをプレイすることは無いのだが、群雄の勢いが余りにも凄かったためAAAや大作では無いゲームがしたいと思っていたのだ。
そんな時にちょうど筆者の購入スケジュールの隙間に「よるのないくに2」が発売される事を知り、購入に至ったわけだ。
そんな経緯でプレイをした「よるのないくに2」のレビューを書いていこうと思う。

 

よるのないくに2 ~新月の花嫁~ 通常版 PS4版

 

よるのないくに2 ~新月の花嫁~ 通常版 Nintendo Switch版

 

 

ストーリー

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百合要素が主軸ではあるがシナリオは悪くない

本作のストーリーにはいわゆる”百合”のような要素が強い。
世界設定を大まかに説明すると「明けない夜の中、人々は魔物と化した世界」だ。
人々が平穏に過ごせる範囲が少なくなっており、それを維持するための「刻の花嫁」と呼ばれる生贄が必要とされる。主人公はその生贄に選ばれてしまった親友を助けようとするのだが…。

全体的なストーリーを通してみれば悪くない印象ではあるのだが、不満点も存在する。
1点目はノーマルエンドとトゥルーエンドの差分だ。
ネタバレであるため詳細には書かないが、トゥルーエンドにて明かされる内容を考えるとノーマルエンドが成立しないのでは無いかと思えるのだ。
2点目はストーリーの描き方だ。
カットシーンにおけるカメラワークやエフェクトなど演出面で”魅せる工夫”が無く、全体的に淡泊な仕上がりになっているのは少々勿体ない。

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百合の描き方にも少々不満が残る

主軸となっている百合の要素にも少々の不満が残る仕様がある。

主要となるキャラクターは8人ほど存在するのだが、本作はある程度の周回プレイを想定しているのか、性格的およびゲームシステム的な個性を1週目のプレイだけで全員分把握する事が機会的・構造的に少々難しい。
「百合」のような要素を取り入れているにも関わらず、各キャラクター性を理解できる工程が用意されていないのはグラブを持ちながら素手でキャッチボールをするようなものだ。

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前作プレイヤーには嬉しい要素もある

なお、本作には前作の主人公であるアーナスも登場している。前作プレイヤーには嬉しい要素ではないだろうか。

 

システム

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ストーリーと噛み合った制限を多用したシステム

本作のゲームプレイシーケンスをざっくりと説明すると、「ブリーフィング⇒出撃(フィールドに出ての探索とバトルアクション)」の繰り返しとなる。
しかし、ただ単純にコレを繰り返す訳ではない。ストーリー設定上の理由(月が欠けていき新月になってはいけない理由がある)から出撃可能回数に制限があるのだ。そして出撃回数が上限に達してしまうと事でゲームオーバーとなってしまう。
つまり、出撃した際にはできるだけ効率良くフィールドを攻略していく必要がある。
ところが、出撃にもおいても制限が存在する。出撃による探索は時限性なのだ。
限られた時間の中でフィールドを探索し、敵と戦い、行動可能な範囲を徐々に増やしていく事になる。
時間制限については最初は驚くほどに短いのだが、主人公をレベルアップさせる事によって増加する。
まとめると出撃時にはフィールドを効率良く探索しつつ、敵も効率良く倒していき、出撃可能回数到達までにボスを倒す必要がある。

とは言うものの全体的な難易度はそこまでシビアに設定されている事は無いため、クリアするだけならば問題なく設定されている。
しかし、ストーリーの項で前述したように本作では主人公と一緒に出撃できるキャラクターがそれなりに存在しているのだが、彼女達の個性を知るには出撃回数制限がされているシステムは相反した要素となる。
彼女達の性格的個性を知ったり、親密になったり、バトルシステムにおいての特性を知るには出撃をしないといけない訳だが、無駄な出撃をしてしまうとストーリーの攻略のハードルが上がってしまう。
また、出撃させないままでいるとレベルが低いままとなるため、余計に一緒に出撃させにくい悪循環となってしまうのだ。
百合的な要素(キャラクター間の関係性の表現)を含んでいるのであれば、ストーリー上で仲間になったキャラクターと必ず出撃する事になるチャプターを用意するなど、もう少しキャラクターの性格的・システム的個性を「強制的に」ユーザーに教えるような機会を設けた方が良かったように思う。

しかしながら、ストーリーとシステムが噛み合っている点は良いことだろう。
また、好き嫌いはあるかも知れないが単純なフィールド探索ではなく様々な回数制限や時間制限によってユーザーが感じる焦燥感も本作のストーリーテリングとして非常に有用なものではないだろうか。
とは言え、アップデートにより2週目以降は本システムの恩恵は無くなってしまうのだが。

とは言え、フィールド探索やバトルにおいて敵も味方もAIが貧弱であり融通が利かない事が多い事はストレスに感じる。
特にリリィである味方のNPCと従魔と言うサポートNPCはプレイヤーキャラクターであるコリジョン(当たり判定)があるのだが、キャラクター同士が衝突してもNPCが動いてくれない、または押し出せない事が考慮不足による設計上のバグを生み出している。
特定のフィールドに存在する狭い路地のようなところにキャラクターが入ってしまうと退路をNPCが封じてしまって出られなくなってしまうのだ。
退路を封鎖しているNPCをどかそうと追突しても微動だにしないため、筆者はやむなくゲームをリセットせざるを得なかった。

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バトルシステムは”大らか”な作りだ

フィールドの探索時に発生するバトルはわかりやすい表現をするならば「無双シリーズ」のものに近い。徘徊しているようなモンスターを簡単なボタン操作の組み合わせでバッサバッサと斬り倒していく。

仲間のNPCとバディ(作中ではリリィと呼称)を組んで出撃をするのだが、バトル中にはキャラクター毎に異なる特定の行動を行うと「ダブルチェイス」と呼ばれる強力な協力技を使用できる。
発動させるための条件はキャラクター毎に異なる訳だが、特にリリィの攻撃に合わせてプレイヤーが攻撃を行う事で発動するタイプのダブルチェイスは良くできているように感じた。
なぜなら、リリィが攻撃を行った際の声を聴いて、それに合わせてプレイヤーが攻撃する事でかなりタイミングを合わせやすいからだ。
他のタイプ条件では発動難度が高いリリィも存在するため、正直これが意図した設計であるかは微妙なラインに感じるのだが、共闘感を良く演出できている。

更に戦っているとゲージが溜まっていき、そのゲージを消費する事で発動する「リリィバースト」という強力な技も存在する。
こちらは狙わずとも普通に戦っていれば発動可能である。

バトルシステムは悪くないのだが、「当たり判定が1回で十分なのでは」と感じるような攻撃が多段ヒットし、敵でも味方でもガリガリ削れる事も多く感じられ、全体的に大らかな設計が多いのは少々気になるポイントだろう。

 

グラフィック

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グラフィックは少々物足りなさがある

グラフィックにおいては(本作の特色から言って当然ではあるのだが)キャラクターの造形に一番力を入れていると思われる。
しかし、それでもスタイライズド(デフォルメ)な表現を採用した同世代のキャラクターモデリング水準と比較してしまうと少々物足りないのは事実だ。

探索する事になるフィールドは更に簡素で「絶景」と言えるようなロケーションは少なく、テクスチャーに関してもお世辞にも綺麗だとは言い難い。
そのため、基本的にはストーリーやキャラクターの物語を楽しむのがメインと考えた方が良いだろう。

 

サウンド

本作の楽曲は良いと感じさせるメロディが多いのは良い点だろう。
メロディはPS2時代のような若干の古さを感じる気はしなくもないが、筆者はそれも含めて評価したい。

しっとりとした暗く悲しい曲や落ち着きのある安らぎを感じるような曲が多いが、バトルシーンでは非常にカッコいい(それこそ無双シリーズのような)曲も存在する。

総評

よるのないくに2はストーリーとシステムなどが噛み合いながらも、明らかに考慮不足な点や簡素すぎるグラフィックが目立ち、足を引っ張る結果となった勿体ない作品だ。
開発リソースにおいて苦労したようではあるが、満月になるにはまだまだ足りない点の多い欠けた月のような作品となってしまっている。

【レビュー】Dark Souls

 

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アドバンスドJRPG

ダークソウルは前作に当たるデモンズソウルと共に「ソウルライク」などと呼ばれるサブジャンルを確立したゲームの始祖とも言えるタイトルだ。

筆者が始めてプレイしたのは発売されてからしばらく経ってからであった。
当時はプレイ動画などでもかなり話題になっており、筆者が偶然見たときにその中世ファンタジーのような世界観やその世界の探索に魅力を感じてプレイしようと思ったのだ。

そんな中で今回は新たに発売されたダークソウル リマスターをプレイしたのでレビューをしていこうと思う。

 

DARK SOULS REMASTERED PS4版

 

DARK SOULS REMASTERED Nintendo Switch版

 

 

ストーリー

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想像を掻き立てるストーリー

本作にストーリーと呼べるような要素はほとんど無いと言っても過言では無い。
本作の主人公は「不死」と呼ばれる存在と成り果てた者だ。
これは「不死(死なない)」と言う設定が「何度も死ぬ」ことになるゲームプレイに対して説得力を持たせる事に成功しているのは特徴的だ。
また、全てのボスを倒した限りでは「あー…世界観がなんとなく…」くらいしか把握できない事だろう。
このような淡泊な表現(ストーリーテリング)は短所に見えるが、これは同時に本作の大きな長所ともなっている。

本作のストーリーはどちらかと言えば「察する」ことが多い。
時にはNPCのセリフから、またある時にはアイテムに書かれているテキストから、更にまたある時にはNPCあるいは敵の動きから読み解ける。
本作には点を数多く散りばめており、その点と点を繋ぐ線をユーザーに委ねているのだ。
このような表現方法はかつての日本のRPGをどこか彷彿とさせる。
まだ容量が少なかった時代には容量不足や表現不足を補う手法として類似の表現(点を散りばめるような表現・省略の表現)が採用される・採用せざるを得なかった事が多かったように思う。
容量が増えた昨今の作品では丁寧にストーリーを説明してくれる事が多い訳だが、本作のストーリーに関してはユーザーが興味を持たない限りは一切歩み寄ってくる事は無い。
ゲームプレイ重視でストーリーに興味を持たないユーザーもいる事だろう。
そのようなユーザーにとってもプレイの妨げをしない作りとなっていると言えるし、興味を持ったユーザーは多くの考察を重ねる事だろう。

なお、ダークソウルの前作とも言えるデモンズソウルは設定こそ似ている箇所が多いものの作品としての繋がりは無く、ストーリーを理解する上での事前知識としてはほとんど不要だ。

 

システム

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絶品のアクションRPG要素とフィールド探索

ダークソウル(ソウルシリーズ全般)のゲームプレイの魅力は何と言ってもアクションRPG要素と探索要素だ。

キャラクターに好きな装備をさせたり、好きな能力値に育て上げたりするのは自分が強くなっている事が明確に数値で実感できるため非常に楽しい。

また、中世ファンタジーをベースとしたフィールド・ダンジョンは探索のしがいがあり「マジかよ…!!」と思えるような所にヒントも何もなく宝箱や隠し通路があったりする(オンラインプレイの場合には他ユーザーがヒントを書き残してくれている事もある)。
それらを偶然にも発見できた時の喜びは何ものにも代え難い。
ノーヒントの探索要素や宝箱を開ける時のワクワク感が詰め込まれている点も昔のJRPGを思い起こさせるようなポイントだ。
これらの要素は(当然だが)何も知らない初回プレイ時の場合に特に楽しめる要素であり、既プレイヤーは記憶を消して再プレイしたいとも思える要素になっている。

しかしながら、本作ではゲームプレイにおける冗長な部分をプレイさせられる期間が長いと言う点は明らかな欠点だ。
本作では最終局面が開始されるようなタイミングで「スキップトラベル」のような機能が解禁される。
そのため、それまでの間は「鍛冶屋に行こう」「アイテムを購入しよう」などと思った際には自分の足でそこまで行かなくてはならない。
もちろん、その部分がゲームプレイとして成立しているのであれば文句は無いのだが、基本的に過去に通った道に存在している敵はプレイヤーの経験値やキャラクターの能力値が向上しているため、ハッキリ言って相手にならない程のザコ敵と化している。
それらを相手にせずに全て無視して目的地だけを目指しても良い訳なのだが、そのようなプレイになるのであれば「そもそもプレイヤー自身の足でその場所まで赴かせる」と言う行為自体が無駄と言う事に他ならない。
このような冗長なプレイを強いられているのは本作のゲーム進行のテンポを大きく落としてしまっている要因になっている。
なお、このような冗長な部分はシリーズの後作において改善されている。

 

バトル 

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ソウルシリーズを象徴する"致命の一撃"

ソウルシリーズのバトルシステム自体はアクション要素が強い。

敵の隙を伺い剣や槍で攻撃を行い、タイミングよく敵の攻撃を回避する。
武器や防具にも様々なユニークなものが存在しており、武器ならば巨大な特大剣から禍々しい鎌、重厚なメイスなどがあり、防具ならば王道な中世騎士や忍者衣装もある。
また、魔法や呪術などのファンタジー要素の強い攻撃方法もある。
これらを駆使して自分好みの武器や魔法などでダンジョンやボスを攻略できるのは非常に楽しい要素だ。
単純に使いやすさで選ぶも良し、見た目にこだわって選ぶも良しだ。

ソウルシリーズにおいて最も象徴的なアクションがある。
それが「パリィからの致命の一撃」だ。
実際にパリィと致命の一撃を行っているのが上図となっている。
敵の攻撃をタイミングよくパリィする事で”印象的な効果音”が発生し、そのまま攻撃ボタンを入力する事で致命の一撃に派生する。
パリィと致命の一撃は多くの人型の敵に対して有効であり、時にはボス戦でも可能だ。
致命の一撃が決まれば大ダメージを与えられるほか、その印象的な効果音も相まって非常に爽快だ。ドヤ顔を決めたくなる事だろう。
敵の攻撃をパリィする行動は一見すると難易度が高いように思えるかも知れないが、本作のパリィはソウルシリーズの中でも比較的簡単な部類だ。
理由としては単純で敵のモーションがハッキリしているケースが多いためだ。
本作ダークソウルにおいては移動する時には移動、攻撃する時には攻撃とメリハリがしっかりしており、また攻撃における前隙と呼ばれる予備動作も長めだ。
ボタン連打のようなプレイでなく、しっかりと敵を見ているならばパリィも十分に狙える事だろう。
ダークソウルをプレイするのであればパリィをたくさん決めて、ドヤ顔もたくさん決めていくのが爽快だ。

しかし、本作においては操作系において若干のフラストレーションがたまるポイントが存在する。
1つ目は入力した操作がキューイングされる点だ。
盾でパリィを失敗した際を例にするのがわかりやすい。
敵の攻撃が来る際にパリィを行おうとした際にタイミングが遅れ、普通に盾で攻撃を受けてしまったとしよう(パリィのボタンは入力済み)。
そうなると攻撃を受け切った後に入力済みとなっているパリィの動作が実行されてしまうのだ。
こうなると失敗の二段重ねのような気持になりストレスが溜まりやすい。
2つ目は回避方向の融通の利かなさだ。
回避方向は基本的に4方向(前後左右)しかないのだ。斜め方向などへの回避は行えないために痒い所に手が届いていない操作感はモヤモヤする事もあるかも知れない。

 

キャラクタービルド

ソウルシリーズは近年では「死にゲー」「難しい」などのイメージが先行して「難しすぎて楽しめないのでは無いか…」と不安に感じている未プレイユーザーも多いのでは無いかと思う。
だが、ソウルシリーズにおいてはRPG的なキャラクターの成長要素によってかなり強くなる事が可能だ。
そのため、時間をかけてキャラクターを強くすればエンディングまで到達する事は決して難しいものでは無いのだ。

HPや攻撃力を強化するのはもちろんだが、武器や防具も強化できる。
プレイヤースキルの向上だけでなく、キャラクタービルドによって強くできるため多くのユーザーが安心してプレイできるのでは無いかと思う。

また、周回する(エンディングを迎える)事で敵が強くなるため、ハードコアなプレイヤーは凶悪に強くなった敵とも戦う事ができる作りだ。

 

Artorias of the Abyss

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深淵歩きアルトリウス

Artorias of the AbyssはダークソウルにおけるDLCで追加された要素だ。
リマスター版においては最初から同梱されている。

アルトリウスとはゲーム本編において”深淵歩き”と言う二つ名と共にテキストでのみ登場した存在だが、そのアルトリウスの最後を知る事ができる。
そもそも本編においてもアルトリウスは演出面において優遇されている所があり、アルトリウス関連の装飾品や大狼シフとの戦闘中における凝った演出など印象に残りやすい。
そんなアルトリウス関連のイベントが追加されている訳だ。

ゲームプレイ部分としてはおおよそ2ダンジョン分ほどのボリュームがあり、新たな武器や防具、魔法が取得可能だ。
アルトリウスに関する装備も追加されるため、(後作の”ファランの不死隊”のように)アルトリウスの意思を継ぎたいような筆者のようなユーザーには必須の内容だ。 

 

グラフィック

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硬派な中世ファンタジー

本作はアップでも観れるほどに優れたグラフィック…とまでは言えないものの、硬派な中世ファンタジーを再現した世界観は圧巻だ。
また、退廃的な要素も多く儚げであり美しい。 

 

サウンド

本作においては基本的にボス戦でのみBGMが差し込まれ、フィールドBGMなどはほとんどない。
とは言え、強力なボスや印象に残るボスも多い事から、それらのボスと一緒にBGMも耳に残る。

中盤最大難所で嫌な記憶が蘇る人もいるであろう勇壮な「Ornstein & Smough」

印象的なイントロから始まる「Dark Sun Gwyndolin」

記憶に残る演出もあり悲しげな「Great Grey Wolf Sif」

伝説的な騎士アルトリウス「Knight Artorias」

これらは本作のBGMの中でも特に筆者のお気に入りだ。

 

総評

ダークソウルはやり応えはありながらもユーザー自身がレベルデザインを調整できるようにしてある非常に懐の深いゲームだ。
初心者から熟練者まで幅広いプレイヤーが自分なりの楽しみを得る事ができる作品となっている。

また、まるで淡泊ながら考察しがいのあるストーリーやヒントの無いフィールド探索など、端々からかつてのJRPGの潮流を感じるのだ。
かつてのJRPGをもしも現代の技術で自然な形のビデオゲームにしたとき、それはダークソウルのようなスタイルのゲームになったのではと思わない事も無い。

しかし、微妙にストレスがある操作感や非常に冗長な拠点間移動などはプレイしていて気になるポイントにはなるだろう。

 

外部記事

だけどやっぱりゲームが作りたくて――「DARK SOULS」の宮崎英高氏に聞いたフロム・ソフトウェアという会社のあり方 - 4Gamer.net

ゲーム制作未経験から世界的ヒット作「ダークソウル」を生んだ宮崎英高氏にインタビュー - GIGAZINE

【レビュー】戦場のヴァルキュリア4

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戦場に影を落とすフレンドリーファイア

戦場のヴァルキュリアシリーズはBLiTZ(Battle of Live Tactical Zone systems)と呼称するシミュレーションRPGとシューターをミックスしたような固有のシステムによってゲームプレイを実現させたゲームだ。

本作はその戦場のヴァルキュリアシリーズの最新作であり、ナンバリングとしては久しぶりとなる戦場のヴァルキュリア4をレビューしていきたいと思う。

なお、筆者は過去シリーズはプレイしていない(正確には僅かにプレイした事はあり、アニメに関しても視聴している)。
過去作の知識などが余り無い事にはご容赦願いたい。

 

戦場のヴァルキュリア4 Nintendo Switch版

 

戦場のヴァルキュリア4 通常版

 

 

 

ストーリー

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日本のアニメを彷彿とさせるストーリー

本作のストーリーはシリアス路線の日本アニメのようだ。
戦場や環境など主人公達が立たされている状況は常に過酷であり夢も希望も無い。
しかし、デフォルメされたキャラクターによって物語全体が暗くなりすぎる事が無いような構成だ。
フォトリアルなキャラクターを使用したゲームでは間違いなく違和感になる演出であるが、本作ではそのデザインからわかる通り日本のアニメを彷彿とさせシリアスなアニメを観ているような気分にさせてくれる。
設定自体は陰鬱で過酷であるが、アニメ的な表現によって受け入れやすさの敷居を下げる事に成功していると言えるだろう。

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敵が魅力的である事は何よりも良い事だ

ストーリーは全体的に良く、特に筆者が良いと感じたのは魅力的な敵キャラクターだ。
ゲーム中では凶悪なほどに強く、しかしそれでいて敬意を感じさせてくれる魅力的な敵は本作において非常に良い役割を持っている。

また、本作は過去作と同様の第二次ヨーロッパ大戦を別視点から描いており、シリーズファンならばニヤリとできるポイントもある事だろう。
過去作をプレイしているならばアニメを視聴したレベルの知識しかない筆者よりも更に楽しみがあると言う事であり羨ましい限りだ。

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どうにもテンポの悪いストーリーの見せ方

しかし、ストーリーにも欠点が無い訳では無い。
まず最初の問題点は物語の導入だ。
主人公をはじめとした主要なキャラクターの性格や過去が徐々に明かされる形式であるため唐突な導入となっている。
キャラクターや戦局が動き出していく4章辺りまでは興味をそそられる展開が少なくシナリオに興味を持てるまでに若干の時間を要する。

また、テンポの悪いストーリーテリングも気になるポイントだ。
本作のストーリーは上図のような紙芝居形式の演出が大半だ。
セリフはフルボイスであり、次のセリフを観るためにはボタンの入力を必要とする。
筆者は常々思う事だが、フルボイスのゲームには是非ともオート送りが欲しい。
理由は簡単だ。
声優さんが感情を込めて喋るテンポとユーザー(筆者)が表示されているセリフのテキスト読み進めるテンポが全く違い、後者の方が圧倒的に速い。
こうなると何を喋るのかわかっているのに喋り終わるのを待ってボタンを押さなければならず、どうにもテンポ感が削がれストーリーに集中しきれない。
物語に没入・集中したいハズであるのに、喋り終わる事に集中してしまうと言う本末転倒な演出では無いだろうか。ストーリーをじっくりと観たい時には極論コントローラーから手を放して、アニメや映画を観るように味わいたい筆者としては、このような仕様は好みではない。
本作に限った話では無いが、フルボイスであればテキストのオート送り機能を是非とも実装していただきたい。

また、話を小刻みに見せられるのもゲームプレイ全体のテンポを落としている。
本作はゲーム内のノートに貼り付けられた写真をユーザーが選択する事でストーリーを閲覧していく形式だ。これ自体は歴史を思い起こさせる・紐解くような演出でありストーリーテリングとして機能していると感じる。
しかし、その構成はテンポが良くない。
話⇒ゲームプレイ⇒話ならわかりやすいが、本作(恐らく過去作も)では話⇒話⇒話⇒ゲームプレイ⇒話⇒話⇒…となるような構成となっている。
時には数秒のテキストのためにだけに用意された話もあり、その度にユーザーに写真を選択する事を強いる。
筆者としては次のゲームプレイまで全てのストーリーを閲覧させ、その後に選択可能なストーリーとしての写真として分割される方が好みだ。

最後に気になるポイントは主要キャラクター以外の役割だ。
本作には多くのキャラクターが登場するが主要キャラクター以外の個性を把握するには「隊員断章」と呼ばれるメインストーリーとは異なる章を出現させてプレイする必要がある。
つまり、メインストーリーではほとんど関与が無いため、場合によっては個性をほとんど知らないままにゲームのエンディングまで到達してしまう事だろう。
キャラクターの中には他の作品をモチーフにしたと思われるキャラクターも登場しているなど個性が強いのだが、隊員断章を閲覧しなければ色物キャラクターが多いだけと言う印象にもなりかねない。
また、多くのキャラクターが登場するが出撃対象にしていない仲間が活かされるシステムになっていないのは勿体ない。これだけ多くのキャラクターが登場するのであれば出撃隊員に設定されていない仲間も活躍が可能なシステムが欲しい所だ。

 

システム

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シミュレーションRPGとシューターを組み合わせたBLiTZ

最初に記載しておくが、上の画像は本ブログにアップロード可能なサイズが10MBまでであるために通常よりも低解像度となっている。ご容赦願いたい。

シリーズの代名詞とも言えるシステム「BLiTZ」はシミュレーションRPGとシューターの要素を組み合わせた非常にユニークなシステムであり面白い。
BLiTZは過去作で既に完成形とも言えるシステムであり、本作では大きく変化したポイントが余り無いのは一長一短とも言えるかも知れないが、ユニークで面白い事には変わりない。

BLiTZのシステムを大まかに説明すると、シミュレーションRPGのように自軍攻撃ターンと敵軍攻撃ターンが交互に繰り返されるターンベースだ。
自軍のターンの場合にはポイント(CP:コマンドポイント)を消費する事でユニットを操作する事が可能になる。
操作しているユニットは1回だけ攻撃などの行動が可能だ。敵を射程内まで捉えて攻撃するのが基本だろう。
敵軍のターンの場合には敵軍が攻めてくる事になるが、自軍のユニットは敵兵士を視認した状態で射程範囲内に入ると自動で迎撃を行ってくれる。
迎撃は当然ながら敵軍も行ってくるため進軍には注意が必要だ。
視認した・された状態での攻撃は回避する・される可能性がある。
そのため、攻撃を確実に当てるためには死角から不意打ちを狙う必要がある。
特に敵エース級の兵士は回避能力が高く、まともに当てるためには不意打ちである必要があり煩わしく感じられる事もあるだろう(爆弾系などは回避されるとダメージ減少となる)。

今作で追加された新兵種である「擲弾兵」は敵でも味方でも驚異だ。
擲弾兵による攻撃は曲射砲であるため、障害物を越えて砲撃が飛んでくる。
そのため、攻撃時だけでなく防衛時の迎撃においてもかなりの脅威となる。
威力も高く、範囲攻撃でもあるため敵として配置されている場合には優先して排除するのが良いだろう。

現状のシステムでも面白いが今後に向けた要望があるとすれば、地形や科学を利用した攻略などが導入されても面白いのかも知れない。
例えば、「高所落下させた敵や味方は高さに応じてダメージが入る」「草地を燃やす事で広範囲に影響を及ぼせる(ただし、草地は無くなり隠れられなくなる)」などなど。
もっと直感性のあるシステムを導入する事も可能では無いだろうか。

本作において気になるポイントがあるとすればオブジェクトの判定の曖昧さだ。
例えば、射撃戦においてありがちな壁際での攻防などでは遮蔽物の当たり判定が曖昧でわかりにくい。一見すると当てられそうだが、実際には壁にヒットするなど理不尽に感じるケースもある。
また、戦車や装甲車などの車両で走行中も壁際などで妙なポイントで引っかかるような感じがありフラストレーションに繋がる事もある。

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戦闘中に発動する個性

戦場では条件が揃うと確率で「ポテンシャル」と呼ばれるスキルを発動する。

ポテンシャルはプラスの効果のものとマイナスの効果の両方が存在しており、それによってキャラクターの個性を表現している。
また、前述している隊員断章をクリアする事で対象のユニットのマイナスポテンシャルがプラスのポテンシャルに変化したりもする。

 

マップ

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存在意義が疑われるブリーフィング

本作のブリーフィングは存在意義が疑われる作りだ。

何はともあれ上図を観て欲しい。
もはや出オチだがユーザーはこれだけの情報でユニット配置しなくてはならない。
一応、簡単な注意点を口頭で説明してくれるのだが、基本的に大まかな作戦の流れしか説明されない。

この仕様はハッキリ言って問題だらけだ。
ユニットはそれぞれ近距離が得意な突撃兵、遠距離が得意な狙撃兵や擲弾兵などをユーザーが選択して配置する事になるのだが、上図のように何も情報が無いため誰が(どの兵科が)どれくらいの人数を必要そうであるのかわかりようが無い。
そのため、全ての戦闘で過不足なくバランスの取れたユニット配置をとりあえず行うようにするしかないのだ。
この手のゲームにおいて初見殺しのような敵配置やイベントはつきものだが、文字通り開始直後から初見殺しを喰らうのはプレイの効率を落とすし、何よりもブリーフィングの意味を成していない。
この仕様ならばもはや出撃メンバーをユーザーに選択させる必要が無く、固定メンバーが予め設定されていればそれで良いのでは無いかとすら思える。

もちろん、前述の通りこの手のゲームには初見殺しなどはつきものであるため、ブリーフィングの段階で全てのユニットが表示されている必要は無い。
せめて、開始地点から視認可能な敵だけでも事前に開示して欲しい所だ。

また、バトルに遷移する際の演出も冗長であり面倒に感じる。
特に同じステージを複数回プレイしようとする場合に気になるポイントなのだが、1回のスキップではバトルが開始されない事も多い。
キャラクターなどの会話などから実際にバトルに発展するまでに、スキップボタンを難解か実行する必要があるのは不親切だ。

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距離も高低差も不明なマップは致命的だ

同様に戦闘中に参照可能なマップも機能性が欠けている。

こちらも上図を観て欲しい。
このマップからは地形の情報(詳細な高低差や距離感など)が全くわからない。
そのため、攻撃しようとしても選択した兵科では実は射程が足りない、高低差があり実は攻撃できないなどが発生するのだ。
ターンに使用可能なCPの数は限られているため「何もできなかったけどまぁ良いか」とはなりにくい。

BLiTZのようなタイプのゲームであるならば戦術・戦略上、マップは非常に大事な要素だと思うのだ。
本来の指揮官(ユーザー)ならばマップの情報から「この味方からこの敵までの距離は○○であるから、まず君はコイツを狙撃してくれ」など指示を出す材料になるハズだろう。
しかし本作のマップ情報では指揮官(ユーザー)は「射程内かわからんけど、とりあえずお前動いて、撃てたら撃て」と言う戦略も何も無い場当たり的な指示をするしかない。
これではとても有能な指揮を行ったとは感じにくく、むしろ絵に描いたような無能上司タイプの指揮官だ。
「なぜこの兵士を選択する必要があるのか」「なぜこの兵士をその場所に移動・配置するのか」などを考えながらプレイできるものにして欲しい限りだ。

 

訓練開発

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劣悪なアクセス性の訓練開発

本作では「訓練開発」と言われるシステムによって部隊の強化が行える。

兵科のレベルを上げる「訓練場」や兵器開発・改良が行える「研究開発所」、ORDERを習得できる「サロン」といったものが用意されている。
しかし、これらのシステムへのアクセスのテンポの悪さは気になる所が多い。
選択したり訓練・開発を行うたびにキャラクターの簡単なセリフがモーダルダイアログ形式で差し込まれ、実際に行いたい訓練や開発がサクサクと出来ないのはストレスに思える。
ユーザーは訓練・開発が行いたいのであり、キャラクターのボイスを聴きに来ている訳では無い。
これらのセリフでキャラクターの個性を出そうとするのであれば、シナリオ面だけでしっかりと表現する事に徹して欲しかったし、そもそもとしてモーダルダイアログ形式によってキャラクターのカットとボイスを再生している事に問題がある。
SEのようにキャラクターのボイスを使用すれば操作が邪魔されないため快適に感じたと思うのだ。

 

グラフィック

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水彩画のような「CANVAS

映像は「CANVAS」と呼称している水彩画のようなタッチの鮮やかでありながら淡いタッチのグラフィックが特徴的だ。
とは言え、(当たり前だが)基本的に戦場しかマップが無いために「景色が綺麗」などは余り感じる事が無いのは勿体なく思えるし、キャラクターモデリングや戦場の風景などは近くで見るには若干苦しいディテールに感じる。
また、キャラクターは多いのだが、主要キャラクター以外のモーションは汎用となってしまっている。濃いキャラクター達がいるにも関わらず個性を出せていないのは勿体ない。

 

サウンド

音楽に関しては緊迫したものが多い印象があるが、総じて記憶に残るようなメロディは少ないように感じる。
しかしながら、本作では特定の条件を満たす事で劇中のBGMをいつでも聞く事が出来るようになるのは嬉しい要素だ。

 

総評

戦場のヴァルキュリア4のストーリーはバランス良くできており、シリーズお馴染みのBLiTZというシステムを利用した戦闘もユニークで非常に面白い。
しかし、ブリーフィングやマップ、訓練開発などの頻繁にアクセスするシステム周りが足を引っ張っており、面白さに対して小刻みにフレンドリーファイアをかましている感は否めない。

総合的には面白い事には変わりは無く、じっくりと楽しめる一作だ。
今後のシリーズ作にも期待できる仕上がりになっている。

 

外部記事

『戦場のヴァルキュリア4』開発者インタビュー!戦場と友情、雪と色彩 - YouTube

『戦場のヴァルキュリア4』ディレクターインタビュー。気になる新要素や7年分の裏話も!? - ゲーム★マニアックス

【レビュー】Red Dead Redemption 2

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時間強盗

Red Dead Redemption 2(以降、RDR2)は2018年に発売されたタイトルの中でも最も注目を集めていた作品と言っても過言では無いだろう。
そもそもパブリッシャーのRockstar Gamesと言えば「ゲーム業界の冨樫先生」と言っても過言ではないぐらいにリリース数が少なく、しかし高品質なゲームを提供してきている。
そんなメーカーの出すゲームともなれば期待せずにはいられないだろう(と書いているもののRockstar Gamesのゲームをプレイするのは久しぶりだ)。

なお、筆者はベースとなったRed Dead Revolverおよび前作Red Dead Redemption(以降、RDR)をプレイしていないため、その辺りはざっくりとした知識しか無い事を予めご了承願いたい。

 

レッド・デッド・リデンプション2 通常版

 

 

ストーリー

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映画を観ているようなクオリティ

RDR2のストーリーはディティールが抜群だ。

映画のような高品質の映像に加えて、海外声優の演技はどれも繊細な感情が表現されている。ローカライズにおける日本語訳に関しても非常に丁寧であり、よくある「ん?」となるような翻訳は筆者が記憶にある限りは全くと言って良いほど無かった。
濃密な西部劇映画を観ている気分にさせてくれる本作のストーリーのディティールは他の追随を許さない史上最高峰のクオリティに仕上がっている。
本作はRDRの過去を描いているが前知識など全く無くても基本的には問題ないだろう。逆に前知識を入れる事で逆算からオチが読めてしまう事はあるかも知れないが。

プレイヤーは無法者が淘汰されつつある時代を生きるギャングの一員アーサー・モーガンだ。
アーサーは尊敬するダッチに従っている。ダッチギャングのメンバーが豊かに、そして自由に生きられる場所・方法を模索する。
ダッチに従っているメンバーもクレイジーと言う言葉がピッタリと合う”マイカ”や頼りになる参謀の”ホゼア”など非常に個性が強い。
特に筆者がお気に入りのキャラクターは寡黙だが豪胆さと冷静さを併せ持っている"チャールズ"や「40秒で支度しな」とでも言わんばかりのパワフルさと包容力を持った"スーザン"おばさん、物語が進むにつれてどんどん頼もしくなる"セイディ"だ。
もちろんRDRの主人公であるジョンも捨てがたく、何よりも主人公であるアーサーは非常にクールだ。
ダッチのギャングメンバーには好きになれないような人物もいるが、ストーリーを長く進めていく事でそれを含めて愛おしい家族のように感じられる事だろう。

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メアリーとの関係は繊細だった

サブシナリオも非常に充実している。
家の建設にお金を貸す事もあれば、狩猟を教える事もある。ラジコンの船でミニチュアの船を破壊するものも存在する。
とにかくバラエティー豊かで楽しめる内容が多い。

筆者が特にグッと来たサブシナリオはアーサーのかつての恋人であるメアリーとのイベントだ。
詳細には是非ともプレイして頂きたい所ではあるが、二人は今でも心の奥底で秘めた想いがあるが二人の関係は”立場”と言う分厚い透明なガラスの壁で隔てている。
非常に素敵で繊細な関係性を実に見事に表現している。

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痒い所に手が届かない字幕と過度なQTE、世界観にマッチしない日本語フォント

史上でも最高峰のストーリーと言っても過言ではない本作であるが、残念に感じるポイントが多かったのも事実だ。

まず、単純にYouTubeの自動翻訳レベルの字幕表示手法はカッコ悪く感じるだろう。
また、デフォルトでは主要キャラクター以外には「誰のセリフか」が書いておらず、設定から話者の表示が行えるが上図左のように複数の一般NPCの場合にはインクリメントされたインデックスが追記されて区別がなされるのみであるため「複数人が同時に喋るとき」には誰がどのセリフを喋っているのか把握しにくくなっている。
また、本作の一般NPCは喋っていても字幕があるケースと無いケースが混在しているため街中などでは余計にわかりにくい状況を生み出している。
ここまでディティールにこだわっているのであれば字幕の表示方法や話者の判別方法にもこだわりを見せて欲しかった所だ。

次に気になるのはQTEの頻度と種類の多さだ。
シナリオにおいてことあるごとに要求されるQTEは正直言ってめんどくさい仕様だ。
また、フラストレーションが溜まりやすい大きな要素として「ボタン連打なのかボタン長押しなのかわかりにくい」ことが挙げられる。
例えば上図の真ん中がQTEシーンなのだが、右下にボタン入力の指示が出ているのがわかるだろう。しかし、これを見せられてもボタン連打なのかボタン長押しなのか区別が出来ない。
また、シーンによっては突発的に射撃を要求されるもあり、失敗すると即死亡のような面倒な仕様でもある。
リスタートポイントは細かく設定されているため、すぐに再チャレンジできるようになっているが、筆者としてはカットシーンではカットシーンが観たいのだ。
QTEが差し込まれる事によりカットシーンでは無くQTEに集中してしまうのは本末転倒だ。

日本語フォントのミスマッチも気になる所だ。
これは上図の右を参照して欲しい。
これはショップで銃を購入する際のインターフェースだ。
カタログ形式で銃を選択できる事自体は世界観の雰囲気があり非常に良いポイントではあるのだが、日本語フォントが100歩譲っても世界観に合っていない。
これは日本語フォントでは無く、日本語自体がミスマッチしている可能性もあるが、ここまで世界観表現にこだわっているのであればローカライズ手法としても工夫が欲しかった所だ。

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融通の利かないシナリオはゲームプレイと乖離している

RDR2のストーリーは根本的に立ち位置にも問題がある。

本作のストーリーは前作RDRの過去「どのようにしてダッチ率いるギャングが崩壊していったのか」を描いている。
つまり「未来では有り得ない事は起きない」ことが確実な状況だ。
もっと簡単に書けば「前作RDRで登場した人物はシナリオ中に死ぬことは無い」し、その逆もまた然りだ。
そのため、メインシナリオではとにかく融通が利かない(そもそも正当な理由など無くてもRockstar Gamesのゲームは融通が利かない事が多い)。
「○○が死んでしまった」「△△に隠れなかった」「××から離れてしまった」など(ほとんどどうでも良いような理由)で簡単に失敗扱いにされる。
正規で無い順路でクリアする事は出来ないようになっている構成は、オープンワールドを採用している意味を喪失している。
例えば「○○が死んでしまった」ならば死んでしまったものとしてストーリーが進めば良いハズだ。
しかし、過去を描くと言う事はリニアなシナリオにならざるを得ない。
あるいはリニアなシナリオの言い訳が過去を描くと言う手法に繋がったのかも知れない。

ここまでリニアにするのであればカットシーン等で強制的にそのような状況にして欲しかったようにも思う。
例えば「△△に隠れなかった」と言うのはメインシナリオのとある銃撃戦の際に発生したものなのだが、その銃撃戦の状況的にはかなり有利に感じており筆者は隠れる必要性を全く感じなかったのだ。そのため、そのまま銃撃戦を維持していたのだが、隠れずにいると半ば強制的な死亡になってしまう。
必要性を感じないにも関わらず隠れなかっただけで死亡するシーンを作り出すくらいならば、そのシーンに突入した際にカットシーンが差し込まれアーサーが強制的に規定の場所に隠れると言った方法でも良かったと思うのだ。

主人公アーサーの立ち位置もかなり曖昧だ。
ゲームプレイとしての主人公アーサーはほとんど無個性であるため主人公≒アーサーと言っても過言ではないが、本作のリニアなシナリオの中のアーサーはとたんに自身の個性を発揮し始めてしまう(プレイヤーの知らない過去の話や人間関係など)。
そのため本作が「プレイヤーに西部劇を体験」して欲しいのか、「プレイヤーにアーサーの追体験」をして欲しいのかがイマイチ見えてこない。
もしも本作のオープンワールドとしての側面を前者である「西部劇ライフシム」のような形で捉えた場合には、極論として本作のようなリニアなメインシナリオならば(品質は高いとしても)メインシナリオ自体が不要では無いかとも思える。

 

エピローグ

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エピローグ

ここでは重大なネタバレを含む記載があるため注意願いたい。

本作のその後を描いている前作RDRでは登場しないアーサーの最後は想像しやすいだろう。エピローグではプレイヤーが操作するキャラクターがアーサーからジョンへと切り替わる。
エピローグであるジョンの物語も本編同様に非常に濃密であり、本編中では実質的に行く事が困難であった地域にも行けるようになる。
エピローグシナリオも楽しめる要素がふんだんに用意されているのは嬉しい限りだ。

このようなブログに書いたとしても”後だしジャンケン”のように思われるかも知れないが、この展開は筆者の予想通りだった。
RDR2の主人公アーサーとRDRの主人公ジョンを綺麗に繋ぐ方法がこれ以外に思い付かなかったからだ。
物語の中盤にはアーサーが不穏な咳をするようになり「あ。やっぱり死ぬのかな。」と思わせたが、確信したのは物語終盤で病気によりアーサーの顔色が青ざめていったためだ。流石にエンディング後の世界を真っ青な顔色のアーサーが練り歩くとは考えにくいだろう。

「筆者の予想通り」と記載したが正確には異なる。
筆者が予想したのは「RDR2はRDRのリメイクが内包されている」だ。
そうすることでRDR2のゲームプレイで起こした事件や生き残った人物などの状況によって、内包されたリメイクRDRのシナリオに動的な変化を与えらえる訳だ。
前述した「○○が死んでしまった」などの融通の利かないリニアな作りを脱する事も可能だろうし、むしろそうでなければRDR2のシナリオは大筋でユーザーの想像通りの道を歩むしか無い。
そこまで制作するのは非常に困難な道のりだろう。
しかし、Rockstar Gamesならばそこまでやってくれるのではと言う期待も僅かにあったし、何よりもそうしなければ予定調和とも言える「過去を描く」と言う手法のシナリオに驚きを与える事は出来ないと考えていた。 
結果としては予定調和的なシナリオでしか無かった訳なのだが。

 

システム

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劣悪な操作系

本作の操作系は近年稀にみるほどに劣悪だ。

パッド(コントローラー)のありとあらゆるボタンを押す事になるし、1つのボタンであっても長押しや連打によって使い分ける事はもちろん、複数ボタンの同時押しも必要とされる。
機能性が全く無いのだ。
そのうえ、同一のボタンに複数の機能を乗せてしまっているため誤操作も多い。
狩った動物を持ち上げようとしてジャンプをしてしまうのは平常運転で、最も酷い時には馬に乗ろうとして近くにいたオジさんを恐喝してしまう事もあった。
自分が行いたい操作とは異なる動作により発生したデメリットは言いようの無い理不尽さがあり大きなフラストレーションに繋がる。
RDR2は史上最高峰のディティールのゲームでリアリティ満点だが、この劣悪な操作系はナチュラルさの欠片も無く不自然でゲームに集中するどころではない。

また、ゲームの進行テンポが遅すぎるのも問題だ。
馬から降りた際に馬の積み荷から銃を取り出す必要があるのもテンポが悪い。
狩った際に動物を規定の向きに変えてから捌き始めるのもテンポが悪い。
焚火の前で食料やアイテムを作成するのもいちいちモーションが入るし、何よりも1回につき1つしか作成できないのもテンポが悪い。
また、地味ながらモーションの切り替わり時などにボタン入力するなど、タイミングが早すぎるとGUIでは反応しているにも関わらず実際には動作しない事もあり、これもテンポを落としている。
何をするにしてもとにかくテンポが悪く時間を使わざるを得ないのだ。
「テンポを犠牲にしてリアリティを得ている」のであれば(古臭い手法ではあるが)まだ褒める事はできるが、先ほど挙げた例に関してはどれも「リアリティを向上させている」と言うには苦しいものがある。

良くも悪くもついつい時間を忘れて没頭してしまう事を「時間泥棒」などと表現する事はあるが、本作の場合は多すぎるボタンと遅すぎるテンポによって時間を長く使う事を強要されている。
言うなれば「時間強盗」だ。

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存在感が無いファストトラベル

ファストトラベルはほとんど存在感が無い。

いつでもどこでもアクセスできる訳では無く、上図のように特定のポイントにある地図を参照するか、あるいは街にある電車を利用する事で移動を短縮できる。

実際に使用した場合にはファストトラベルの所要時間はSSD未換装の通常のPS4で1分40秒程度と近年の標準と思われる20~40秒からは大きく劣る。
読み込む必要があるデータ量が多いのは理解できるのだが、この仕様と所要時間ではハッキリ言って使う機会はほとんど無いだろう。

目的地への移動は基本的に馬を使用する事になるが、フィールド上には特別な何かがある事は稀であり、後述のランダムクエストが発生する程度だと思った方が良いだろう。
まったりと映像と雰囲気を楽しみながらプレイを楽しみたいユーザーにはたまらないが、ゲームをプレイしたいユーザーには少々退屈かも知れない。

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充実したランダムイベント

街中や道中で発生するランダム生成されたクエストは充実しており面白い。

NPCを助けてあげたり、あるいはいきなり襲撃される事もある。
助けてあげたNPCはケースによっては街まで送る事もあり、その際には雑談が行われるのだが、それらも話としてしっかりしており面白い。
また、以前に助けた事のあるNPCが店での買い物を肩代わりしてくれる事もあれば、再び同じ災難に合っている事もある。
最初に出合った土地とは距離的に遠い土地で出会うと流石に違和感を覚えるが、それでもプレイヤーを覚えてくれているのは嬉しい事だ。

多くプレイしているとパターンが掴めてくる所はあるとは言え、それでも非常に良くできており筆者としてはランダムクエストを更に充実させて欲しかったと思うばかりだ。

 

デッドアイ

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西部劇のガンマンを演出するデッドアイ

デッドアイは非常に強力なスキルだ。

デッドアイを発動させると時間の流れが遅くなり敵を狙いやすくなるだけでなく、装填されている銃弾の数だけマーカーを付ける事も可能で、マーカーを付けた状態で発砲するとほとんど100%の精度で撃ち抜くことができる。
また、デッドアイ中は耐久能力も向上するため銃撃戦では積極的に使用したいものだ。
リアリティの欠ける要素ではあるのだが、筆者としては「現実のガンマン」と言うよりも「西部劇映画のガンマン」と感じられ非常に好印象だ。

デッドアイに限った事では無いが、筆者としてはやはり純粋なアナログスティックによるエイムはどうにもやりにくく、ジャイロセンサーや加速度センサーを使用したエイムが恋しく感じた。

 

生活

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様々な生活を楽しめる

RDR2では銃撃戦以外にも様々な形での生活を楽しめる。
時には狩猟を行い、狩った肉を焼き、魚を釣り、ポーカーなどの賭け事をしたり、風呂に入ってサッパリできる。

狩猟や釣りの操作系は変わらず面倒なのだが、どれもやり応えは抜群でちょっとしたミニゲーム感覚で楽しむ事が出来るだろう。

ただし、狩猟動物のAIは総じて良いとは言えない。
狼や豹はプレイヤーを見つけたとたんに襲い掛かってくるなどリアリティが欠けている。この動作がスタイライズド(デフォルメ)な映像表現のゲームならば許容可能なのだが、フォトリアルな映像でこのような挙動をするAIは違和感しかなく、動物をバカにしているようにすら感じる。
また、内臓類も取り出していないため軽く100kg以上はあるハズの鹿や猪をちょっとした手荷物でも持つような感覚で容易く向きを変えたり持ち上げたり、まるで服でも脱がせるかのように皮を剥いだりするのは余りにもリアリティが無くゲーム的だ。

このように一部でゲーム的にしようとしたり、かと思えばテンポと操作系を犠牲にしたリアリティを求めたりと一貫性が無いのは少々勿体ないように感じる。

 

グラフィック

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圧倒的なディティー

RDR2においてグラフィックのディティールは正に圧倒的だ。

木漏れ日やフォグ表現は繊細で、遠方に映る丘や山々は非常に美しい。
オープンワールドを採用したゲームでこれほどのディティールを持ったタイトルは過去にない次元だろう。
ゲーム中では三人称視点と一人称視点の切り替えが可能だが、一人称視点であってもテクスチャの粗さや木々の葉っぱ等の品質は全く落ちていない。

しかし、時より処理不可が高いと水の飛沫や雨と言ったエフェクトが明らかに荒くなる事があったが発生頻度は低く全体の品質から考えれば些細な問題だろう。

 

サウンド

音楽に関しては近年のオープンワールドの傾向と同様であり印象に残るものは余り無いが、西部劇的なBGMが挿入されるメインシナリオの一部の銃撃戦はテンションが上がること間違い無しだ。
また、同様にメインシナリオの一部で流れるカントリーミュージックも素晴らしい。

 

ボイス

音声面で最も特筆するべきなのは演技だ。

シナリオで聴かせてくれる迫真の演技に関しても史上最高峰であると感じる。
本作のシナリオは西部劇映画のような内容でストーリーやセリフ自体が単純に良いのは間違いないが、それに加えて演者の演技が抜群であるために良さが数倍に跳ね上がっているように感じる。

また、通常のゲームプレイ時においてもボイスのこだわりを見せる。
主人公(プレイヤー)はNPCに対しての呼び掛けが可能なのだが、それに関しても「NPCの性別や年齢などによるセリフの変化」や「主人公とNPCの距離によって複数パターンのセリフ」が存在するなど芸が細かい。
NPCに関してもスペイン語や中国語を喋る事もあるなど丁寧だ。

しかし、唯一残念に感じたポイントとして移動中に使用する事が多いであろう(Rockstar Gamesお馴染みの)シネマティックモードはカメラと喋っているキャラクターとの距離によってボイス音量が変化してしまう事だ。
例えば、セリフの途中でカメラ位置が変わるとボリュームが上がったり下がったりするため、撮影失敗した映画を観ているような気分にさせられる。
最低限、セリフが終わるまではカメラ位置がキープされるなどして欲しかった所だ。

 

総評

Red Dead Redemption 2は強い光と強い影を併せ持った作品だ。

本作の映像やボイスのディティールは間違いなく他の追随を許さないレベルだが、劣悪な操作系と悪すぎるテンポも間違いなく他の追随を許していない。
”リアリティ(説得力)”をマッチョ思想のパワー勝負的なディティール表現と操作系・テンポを犠牲にして作り出す手法は余りにも古臭く愚直だ。
仕舞にはテンポが悪いにも関わらず、リアリティからかけ離れているケースもあるなど明らかに残念なポイントすらある。

「多くのゲームをプレイしたい」「時間が余り取れない」と言ったユーザーにはオススメできないが、「1つの作品をじっくりとプレイしたい」「時間だけはある」と言ったユーザーには最高の1本では無いだろうか。

 

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