
機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINYはガンダムバトルシリーズのガンダムSEEDおよびSEED DESTINYを主軸としたARPGだ。
本作は元々PlayStation Vitaにて販売されたものの、世界的にシェアの低いハードでもあった事から多くの人がプレイする機会のないゲームにもなっていた。
しかし、プレイヤーの評判自体は良く、かく言う筆者も友人が本作を気に入っていた事から興味を持っていた作品だった。
それが今回、機動戦士ガンダムSEEDシリーズが好きである事もあるが、リマスターと言う形で現行ハードで遊べるようになったため購入に至ったのがプレイする経緯である。
また興味深いのがガンダムのような版権作品がリマスターされたという事である。
デザイン、音楽など多岐にわたる側面で権利的な要素を含んでいるうえ、時間を経る事で別媒体での展開によって齟齬やニーズとのミスマッチも発生しやすいなど、版権ものゲームをリマスターしてまで発売にこぎつけるにはハードルが高い。
このハードルを乗り越えたのは映画 機動戦士ガンダムSEED Freedomの大きな成功が影響していると考えて良いだろう。
機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINY REMASTERED -Switch
- 発売日:2025/5/22
- メディア:Video Game
機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINY - PSVita
- 発売日:2012/6/7
- メディア:Video Game
ストーリー



本作ではガンダムSEEDの歴史を一人のパイロットとして追体験するようなテイストが特徴的だ。
とは言え、ストーリーはほとんどなく原作アニメに準拠した戦場で戦っていくものの、何故その戦場で戦う事になったのかなどの背景説明などは全くなく、あくまでもロボットバトルと言う遊びの部分に大きな比重を割いている。
そのため、基本的には作品を知っている前提であり、本作で作品自体の物語やキャラクターの魅力を理解しようという意図があるならばミスマッチになるだろう。
システム

機体毎に備わっている射撃武器や近接武器を駆使してステージに登場する敵機を倒していきステージクリアを目指すのがゲームプレイの中心となる。
登場機体は100体を超えており、その機体の数々がそれぞれ原作同様の武装を有してプレイアブルとして操作が可能なのはロボットIPものとして嬉しい要素である。
プレイアブル機体にしても劇中で活躍した主役級のものから、作品を支える量産機、そして大型のMAまでもが操作可能であるため、様々な機体を操作する楽しみがある。
攻撃は複数手段の中から切り替えて選択してボタン入力することより行う方式となっている。
そのため、複数武装を同時撃ちのような操作は行えない反面、ボタンアサインがシンプルな構成である事から比較的簡単に操作が行えるようになっているため、ゲームを始めてすぐに操作には慣れる事ができるだろう。
また、射撃攻撃には弾数が設けられており、弾数が尽きてしまうと使用できなくなる。
そんなケースではフィールド上のコンテナを利用する事で弾薬を回復できる。
ガンダムSEEDシリーズでは機体によって別武装の換装が可能なものも存在するが、武装換装は戦闘前にも戦闘中にも行えるのでそういった部分でも原作再現として楽しめるだろう。
ただし、換装機に関しては後述する機体強化において難が発生するためステージクリアを目指していく上で注意が必要となる事は覚えておいても良いだろう。
また、敵を倒すなどしてゲージを溜めていくと発動できる大技も存在する。
出撃時にパイロットに依存した大技を使用するか、機体に備わった大技を使用するか選択可能である。
例えば、ガンダムSEEDシリーズの代名詞でもあるフリーダムガンダムのハイマットフルバーストはフリーダムガンダムの大技を使用するように設定して出撃すれば戦場で使用できるイメージを持てばOKだ。
機体依存の大技に関しては強敵をも一瞬で溶かしてしまうような大ダメージを狙えるため積極的に使用すると捗るだろう。
操作面で気になる点があるとすればロックオンの仕様が若干クセがあることだ。
乱戦では誰をロックオンしているのか少しわかりにくい点も挙げられるが、それよりも自分が思った相手をロックオンできないケースが多いのがフラストレーションになりやすい。
これは機体が向いている方向、視点などに関係なく最も近い敵をロックオンしてしまうためである。
一般には画面内に表示されている最も近い敵をロックオンすると言ったような表示視点ベースのロックオンになるのがデファクトであるため、その操作感の違いが最後まで気になる事にはなるだろう。


本作では機体とパイロットを強くしていく事が可能である。
機体はステージクリア時に貰えるポイントを消費して各項目を強化していく事が可能だ。
強化項目は機体自体の耐久性を機動性に関わる基礎ステータスから、各種武装の攻撃力や弾速などの攻撃に関わるステータスなどを強化できる。
機体にはコストが設けられており、コストに応じて再出撃回数が変化する。
機体を強化してコストが高くなると自身が撃破された後に再出撃できる回数が減少するが、コストを低く抑えれば2回、3回の再出撃が可能になる。
では、あえてコストを低く抑える必要があるかと言うとそんな事はなく、基本的には再出撃回数に関係なく機体強化をしていく方が良い作りである。
では何のためのコスト制かと言うと、ステージクリアの序盤のハードルを下げる意味合いが強いだろう。
序盤で扱える機体は性能の低い量産機であり、機体を強化していくだけのポイントも潤沢ではないため、それをカバーしている意味合いが強いのだ。
特に初期機体は動きも鈍重で、火力も苦しいことから序盤では恩恵を感じる事ができるだろう。
また、機体の強化に関しても無制限と言う訳ではない。
強化の総量上限が設けられているため、機体スペックを強化しすぎてしまうと武器を強化する事が出来なくなってしまう点も注意が必要となる。
特に注意が必要なのは前述している換装機で、上限が共通になっているためである。
例えば、ストライクガンダムにはエールストライカー、ソードストライカー、ランチャーストライカーの換装バリエーションがある。
ここでソードストライカー固有の対艦刀を強化してしまうと、その分の強化コストが上限を圧迫させてしまうため他の換装ユニットの強化が行いにくくなることから、実戦的に戦場で戦えるのは強化したソードストライカーだけになってしまうのだ。
せっかく換装というシステムがあるにも関わらず、コストが共通化してしまっている事で換装して遊ぶことが阻害されてしまうのは困ったところがある。
なお、ステージを一定クリアしていく事で上限がアンロックされる。上限がアンロックされれば全ての性能を最大強化までできるようにもなるので、換装機も含めてお気に入りの機体を超強化して使う事が出来るだろう。
そのため、上限アンロックをすることもゲームをプレイしていくモチベーションとなるハズだ。
強化が行えるのは機体だけではなく、パイロットも可能である。
パイロットの強化方法は機体とは異なり、ステージをクリアする事で射撃や格闘などの数値が伸びていく。
選べるパイロットもアバターが基本とはなるが、原作でも活躍したパイロットも選択可能である。
また、パイロットにはパッシブスキルなども装備が可能で、特にアバターは自分好みにカスタマイズしやすいので気に入ったスキルがあれば装備させると良いだろう。

予め用意されたステージとは別に自身でレギュレーションを設定して戦えるモードも用意されている。
こちらで特にユニークなのは機体コストの制限を設けて戦える点である。
前述した通り、基本的には機体は強化すればするほど良いのが基本になるが、あえて機体コストの上限を設けた上で戦えるので普段とは違った味を楽しめる。
グラフィック






様々な機体が登場するのは版権ロボットゲームとして非常に嬉しいポイントになるだろう。
そのうえ、ガンダムSEEDシリーズにおいて特徴的な技術であるフェイズシフト装甲がダウンすると原作アニメ同様にグレー配色へと戻ってしまう表現も再現されているなど細かい部分もしっかりと実現されている。
攻撃モーションなども原作を彷彿とさせるものが多く、視覚的に楽しませる要素が豊富だ。
また、ディティールが良いとは言えないがフィールドに関しても原作を思い出すような構造になっており、こちらもファンには嬉しい限りである。
不満点という訳ではないが、もしも本作に要望を言えるのであれば機体のカラーリングが変更できればより嬉しい。
カラーやスペキュラ、ウェザリングなどのような自由な変更ができるのがベストではあるが、そこまででなくともプリセット形式でカラー変更が行えるだけでも嬉しい所である。
特に本作は(物語としては希薄なものの)アバターとしてガンダムSEED世界を追体験する設定であるだけに、自身好みのカラーリングで機体に乗り込んでゲームプレイができればより没入感に寄与できたハズである。
サウンド
BGMやSEに関しても原作のものが使用されているのは嬉しいポイントだ。
ただし、ゲーム実況のような配信が一般的ともなった現代においてはBGMが権利侵害判定を受けてしまう可能性も考えられるため、現代では開発側でもこの辺りにも何らかの配慮が必要であり、配信者側でも気にしておく必要がある。
総評
機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINYは版権ものロボットアクションとして最高の回答の1つだ。
ストーリーや人間ドラマ的な部分ではなく、ロボットバトルの部分に大きくフォーカスを当てているため、ガンダムSEEDの物語・キャラクター的な部分での面白さは伝わらないのかも知れないが、原作に登場するロボットを軽快に操作できるだけでも大きな価値がある。
そのうえ、プレイアブル機体も100機を超えプレイアブル機体も主役機・量産機・大型MAなど100機を超えるバリエーションを原作武装をしっかりと再現した上で実装しているのは見事な仕事である。