
ガンダムブレイカー4はガンプラをベースとして自由にカスタムして楽しむガンダムブレイカーシリーズのナンバリングタイトルだ。
コンソール向けの前作に当たるNew ガンダムブレイカーでは設計の意図こそ理解できるものの、根本として期待されている軸から逸脱したシステムになっていた事から不評を買っていた経緯がある。
そのため状況によってはシリーズ自体の存亡の危機でもあったが、満を持しての背水の陣にも近い最新作としてリリースされた。
筆者自身はガンダムブレイカーシリーズは本作が初めてのプレイとなるがレビューを書いていきたい。
ストーリー

ガンプラをネットワーク上のアバターとして活用・遊ぶことのできるガンプラバトルシミュレータが人気を博している近未来が舞台となる。
世界観としてはMMOやVRChatのような空間でアバターをガンプラとして、更にそれを用いてアセンブリやバトルを楽しむことができるような世界になっている。
プレイヤーはその世界でガンプラ仲間であるタオやリンと出会い、一緒にガンプラのマイスターを目指すのだが、その中で事件に巻き込まれていく事になる。
内容としては大まかにガンプラを通じて自分の楽しさ、そして仲間と一緒に困難に立ち向かって絆を深めていくようなものである。
とは言え、繰り広げられる物語もテンプレート的なものであり余り深い内容を期待するべきものではない。
幸いなことに本作はゲームプレイがメインコンテンツである事から、メインターゲット層には余りデメリットにはならないだろう。
登場キャラクターの中には前作から引き続き登場している人物も存在する。
過去作を知っていなければわからないという事はないが、過去作をプレイしていれば懐かしい顔ぶれに嬉しさもあるかも知れない。
なお、既にサービス終了していたガンダムブレイカーモバイルで登場したキャラクターも登場するため、そちらをプレイしていた人にとっても嬉しさがあるかも知れない。
システム
ここからゲームプレイに関わるシステム面に関する内容を記載する。
まず、本作では収録機体数は主役級機体を中心に250機体以上と数多く取り揃えてある。
もちろん、ガンダムシリーズに詳しければ詳しいほど「あの機体があればなぁ…」と思ってしまう事は避けられない(特に量産機など)。
しかし、ラインナップ自体は非常に頑張りが感じられるため満足感はあるハズだ。
アセンブリ

機体を自分好みに様々にカスタムして組み上げられる本作のメインコンテンツだ。
アセンブリで組み上げた機体をバトルで使用でき、左右の腕に装備するビームライフルやヒートホークのような武器は通常攻撃時に使用可能で、それ以外のバックパック等に装備して使用する武器はリキャストが必要となるスキルのようなオプション攻撃という枠組みとなる仕組みだ。
二刀流装備も可能になっており、例えば両手にビームライフルやビームサーベルを装備する事で攻撃でも二挺・二刀流による攻撃が可能となる。
もちろん、左右で異なる武器にする事も可能であるため、自分好みの装備で組み上げやすくなっている。
機体を組み上げるためのカテゴリーは「頭」「胴体」「右腕」「左腕」「脚部」「バックパック」「右腕射撃武器」「左腕射撃武器」「右腕近接武器」「左腕近接武器」「盾」「オプションパーツ(正確にはビルダーズパーツという名称)」となっている。
プレイヤーはこれらを部位毎に好きな機体のパーツを自由に組み合わせて組み立てる事が可能だ。
組み立てる際には部位によってサイズや位置を調整する事も出来るため、自由度の高いアセンブリが実現しやすいのもこの手のゲームとしては満足度が高いポイントだ。
更に腕部や胴体とは関係のない独自のオプションパーツを最大8つ追加装備させる事が出来る。
オプションパーツのイメージとしてはチョバムアーマーやグレネード、ファンネルラック等の事でコチラも種類が豊富に取り揃えられている。
このオプションパーツは位置やサイズの調整もある程度自在にできるのだが、左右対称に設置させる事もできるため、両肩に装備させたいなどの場合に非常に便利である。
これによって自分好みの機体のビジュアルにする事はもちろん、何らかの再現機体を作る際にも大いに役立つ非常に嬉しい仕組みである。
非常に多くの要素を内包して自分好みのアセンブリが実現できるが、もっと欲を言って良いのであればいくらでも出てくる部分はある。
例えば、サイズ調整1つ取ってみても本作のサイズ変更は縦横幅(XYZ)を全て一括で拡縮するような仕組みなのだが、X軸方向にだけ拡縮したいというケースも存在するためそういった事が出来るようになると更に嬉しい。
オプションパーツにしても個性的な機体を組み上げる事に大きく貢献しているため嬉しい要素なのだが最大で8つまでというのは少ない。
筆者自身もいわゆる再現機体を作ってみようかとも思ったのだが、オプションパーツの上限が少ないためシンプルなデザインの機体であればともかく、複雑なデザインの機体はそもそもがガンダムシリーズの機体と近似していなくては作る事が難しい。
現状の上限数はゲームとしての品質を担保するためのものであるとは承知しているが、将来的にはもっと最適化を進めるなどして上限数が飛躍的に上がる事に期待したい。
また、オプションパーツはファンネルラックなどを代表に攻撃手段になるようなものも存在しているのだが、チョバムアーマーなど見た目にしか影響がないものが存在しているのも少し勿体ない。
せっかくチョバムアーマーならば機体の耐久性能が向上するなどの差異が発生して欲しい所だ。
そういった機能面の強化も是非とも行って頂きたいところだ。
これ以外にも「こうだったら良いな」という願望はいくらでもあるのだが、これらはあくまでも要望であり、これらが無い事によって本作の体験が大きく損なわれているという事ではないが是非とも実現して欲しいものばかりだ。

これらのパーツ類はバトルにて敵からドロップしたりゲーム内のショップから購入する事が可能で目当てのパーツを入手することのハードルは非常に低い。
普通にプレイしていれば全ての機体がアンロックされるハズなので、好みのアセンブリができないフラストレーションは一切ないバランスになっている。
また、パーツにはアビリティーやレアリティーがランダムで設定されている。
アビリティーは「バズーカの攻撃力上昇」などのパッシブスキルのようなものとなっており、組み上げた機体をよりこだわって強く使うために必要な機能となっている。
レアリティーはそのアビリティーの装備可能上限数に影響するものだ。
これだけ聴くとベストなパーツを入手するまでにひたすらハクスラ的なゲームをし続けるように思えるが、これを大きく緩和してくれる「合成」という機能も存在する。
合成ではパーツを消費して、消費したパーツに付与されていたアビリティーを継承する事ができるシステムである。
これによって最適なアビリティー構成のパーツ作成を容易にしてくれている。
また、レアリティに関しても合成によって低レアから高レアへと上昇させられるため、パーツ自体は「入手さえすれば御の字」という非常にユーザーフレンドリーな仕様でまとめあげられている。
本作はあくまでも自分好みの機体を組み上げる事がメインコンテンツでもあるため、そこに水を差さないように配慮がしっかりとされている印象だ。
ただし、それは裏を返せばエンドコンテンツとして楽しむような要素はやや希薄となっている。
更に同一のアビリティーを持ったパーツを合成素材として活用する事でアビリティー自体の強化も行える。
大量に確保できるパーツの中から強化したいアビリティーが設定されているパーツを探し当てるのは非常に骨の折れる作業だったが、アップデートによって特定のアビリティーの検索性が上がったため目当てのアビリティーの強化がいくらか行いやすくなっている。
正直なところリリース当初から実装されておくべき内容ではあるのだがなんにせよ嬉しい対応だ。
アビリティー周りで困った事があるとすると「アビリティーの有効範囲がわかりにくい」という点だろう。
例えば、射撃武器1つ取っても汎用的なものから専門的なものまでアビリティの効能が細分化されている。
その中には「自動射撃系攻撃強化」「固有系攻撃強化」のようなスキルがあるのだが、具体的にどの武器・攻撃を対象としたアビリティーなのかが非常にわかりにくく、イメージもしにくい。
特に前者はビットやファンネルかとも考えられるが、そちらは「ファンネル系攻撃強化」が存在するため余計によくわからない。
こういったアビリティー効果はTipsのような説明もないため有効性の判断に困ってしまう。
このような適用範囲が良くわからないアビリティーがいくらか存在しており、有志による地道な検証によってユーザー間で理解が進んでいると言うユーザーに甘えた作りなのだ。
更に根本的に各種パーツがそれぞれどのようなカテゴライズがされているのかも明示されていないため、物理兵器なのかビーム兵器なのか、単発攻撃扱いなのか連続攻撃扱いなのか、何もかもが不明である。
実際には設定されているであろう色々な要素がマスクデータ状態になっており、コチラもまたユーザー側での検証が必要になっている。
この辺りはもっと伝わりやすいUI表現か最低でも効果のイメージが湧く具体的な説明文などを取り入れて欲しいところだ。


組み合えた機体は当然だがペイントも様々に可能だ。
カラーリング自体を変更する事はもちろん、デカールを設定したり、ウェザリングによる汚しで歴戦感を醸し出したりとこだわれる。
また、カラーリングも部位を複数選択して左右対称なカラーリングなども行いやすいほか、カラーリングは面倒だが統一感のあるカッコいい配色をしたいという人向けなプリセットによる配色も用意されている。
これによって例えばサザビーの配色にする事が簡単にできるなど便利かつ手軽にカッコよく全体をまとめる事ができるのでカラーリングセンスに自信がない人でも満足しやすい。
バトル

本作はバトルで敵機を倒し、倒した敵からドロップしたパーツで機体を強化するハクスラ的なゲームプレイとなっている。
当然ではあるがアセンブリした装備に応じた行動が可能となるので、自分好みに組み上げた機体が動いている所を観るのが本作において非常に楽しい瞬間の1つだ。
共通システムとしてはステップやジャンプ等のほか、コンボシステムが用意されている。
コンボシステムには敵機に攻撃を当て続ける事で増えていく「ヒットコンボ」と敵機を撃墜する事で増える「ブレイクコンボ」がある。
これらが加算されていくと、ダメージボーナスが入ったり、敵がアイテムをドロップする確率が上昇したりするため、これらを稼いでいき、また途切れさせないようにする事も大切となる。
対して防御手段としてはステップやシールドなどがあるものの敵の攻撃を捌く必要性がないため余り機能していない。
敵の攻撃に対してプレイヤー側が対応すると言う受動的な要素がないため、難易度も低くなっており「アセンブリがしたいのにゲームを進められない」といった事態にはそうそうならないだろう。
全体的にはゲームプレイ部分は大雑把かつ単調な作りとなっており、攻撃にしてもモーションにしても駆け引きは余り機能していない。
幸いにも手元は忙しいためつまらないとは感じにくいだろうが、立ち回りを考える必要性が薄く単調であるため飽きはすぐに来てしまうだろう。
このゲームプレイ部分単体で楽しいというよりは、自分好みに組み上げた機体を操作する事が楽しく、また動いて活躍している所を観るのが楽しいと言う表現が正しいだろう。
グラフィック







本作のビジュアルに関しては最低限の水準以上のレベルには達している印象だ。
ゲームプレイ部分とも重なるが本作は「ガンプラである」という免罪符のためか少々作りが荒くても許容しやすい設定かも知れない。
これがもっとリアルロボット系をイメージした硬派な作品として売り出していれば、ストーリーにしろゲームプレイにしろビジュアルにしろ物足りなさに思えたかもしれないが、幸いにして本作はホビーである「ガンプラ」という後ろ盾があり、そのおかげで少々荒いディティールでも「まぁこんなもんか」とどこか納得させてくれる魔法になっている。
もしも見た目に関わる部分でコレがあればと感じるものがあるとすれば、モーションにシリーズ毎のプリセットがあると嬉しいだろう。
イメージとしては各攻撃モーションを初代ガンダムライク、ガンダムSEEDライクなど、各シリーズ作品をモチーフとした攻撃モーションのプリセットが用意され、プレイヤーがアセンブリ時にそのモーションも選択する事ができるといったものだ。
コレがあれば組み上げた機体を動かす楽しさにより繋がるのではないだろうか。



組み上げた機体でポージングを決めて写真を撮ったり、ジオラマを作ったりする事が出来るのも本作をプレイしていて最も楽しい瞬間でもある。
ジオラマは当然だが配置上限が設定されているので、その範囲内でやり繰りする必要がある。
複数機体を自由な位置に配置して、プリセットされたポージングを駆使して動きを表現して、ジオラマらしいエフェクトパーツなども駆使しながら作っていく。
ジオラマなどで要望があるとすればポージング関連だろう。
使用できるものはどうしてもプリセットされたものであり、「ここではこういうポージングで攻撃してる感じ、被弾している感じを出したいのになぁ…」と痒い所に手が届かない事が少なくない。
操作しやすい仕組みを作る大変さもあるだろうし、公序良俗的な意味でも問題が発生する可能性はあるのだが、可能な限り自由なポージングができるようになると嬉しい所だ。
サウンド
本作はあくまでもガンプラがベースという事もあり、ガンダムシリーズの楽曲が使用されているという事ではない。
有料DLCという形でも良いので原作BGMが流せると嬉しかった。
総評
ガンダムブレイカー4は機体カスタマイズに特化した作品だ。
自分好みに機体を組み上げていき、それを操作できるという点において最も楽しさがあると言って良いだろう。
また、ポーズを設定して写真を撮ったり、ジオラマを作ったりと言った題材でもあるガンプラらしい鑑賞要素も用意されている。
兎にも角にも自分の理想の機体を組み上げるという事に主軸を置いてコンテンツが作られており、そこに興味があると言う人には是非ともオススメしたいものになっている。
ただし、ハクスラのARPGとしては単調なためゲームプレイ部分だけで面白さが成立しているとは言い難い。
あくまでも俺ガンプラを作る副産物に過ぎないものであり、作りたいものを作り終えた後まで楽しめる要素は少ないだろう。
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