【レビュー】Red Dead Redemption 2

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時間強盗

Red Dead Redemption 2(以降、RDR2)は2018年に発売されたタイトルの中でも最も注目を集めていた作品と言っても過言では無いだろう。
そもそもパブリッシャーのRockstar Gamesと言えば「ゲーム業界の冨樫先生」と言っても過言ではないぐらいにリリース数が少なく、しかし高品質なゲームを提供してきている。
そんなメーカーの出すゲームともなれば期待せずにはいられないだろう(と書いているもののRockstar Gamesのゲームをプレイするのは久しぶりだ)。

なお、筆者はベースとなったRed Dead Revolverおよび前作Red Dead Redemption(以降、RDR)をプレイしていないため、その辺りはざっくりとした知識しか無い事を予めご了承願いたい。

 

 

ストーリー

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映画を観ているようなクオリティ

RDR2のストーリーはディティールが抜群だ。

映画のような高品質の映像に加えて、海外声優の演技はどれも繊細な感情が表現されている。ローカライズにおける日本語訳に関しても非常に丁寧であり、よくある「ん?」となるような翻訳は筆者が記憶にある限りは全くと言って良いほど無かった。
濃密な西部劇映画を観ている気分にさせてくれる本作のストーリーのディティールは他の追随を許さない史上最高峰のクオリティに仕上がっている。
本作はRDRの過去を描いているが前知識など全く無くても基本的には問題ないだろう。逆に前知識を入れる事で逆算からオチが読めてしまう事はあるかも知れないが。

プレイヤーは無法者が淘汰されつつある時代を生きるギャングの一員アーサー・モーガンだ。
アーサーは尊敬するダッチに従っている。ダッチギャングのメンバーが豊かに、そして自由に生きられる場所・方法を模索する。
ダッチに従っているメンバーもクレイジーと言う言葉がピッタリと合う”マイカ”や頼りになる参謀の”ホゼア”など非常に個性が強い。
特に筆者がお気に入りのキャラクターは寡黙だが豪胆さと冷静さを併せ持っている"チャールズ"や「40秒で支度しな」とでも言わんばかりのパワフルさと包容力を持った"スーザン"おばさん、物語が進むにつれてどんどん頼もしくなる"セイディ"だ。
もちろんRDRの主人公であるジョンも捨てがたく、何よりも主人公であるアーサーは非常にクールだ。
ダッチのギャングメンバーには好きになれないような人物もいるが、ストーリーを長く進めていく事でそれを含めて愛おしい家族のように感じられる事だろう。

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メアリーとの関係は繊細だった

サブシナリオも非常に充実している。
家の建設にお金を貸す事もあれば、狩猟を教える事もある。ラジコンの船でミニチュアの船を破壊するものも存在する。
とにかくバラエティー豊かで楽しめる内容が多い。

筆者が特にグッと来たサブシナリオはアーサーのかつての恋人であるメアリーとのイベントだ。
詳細には是非ともプレイして頂きたい所ではあるが、二人は今でも心の奥底で秘めた想いがあるが二人の関係は”立場”と言う分厚い透明なガラスの壁で隔てている。
非常に素敵で繊細な関係性を実に見事に表現している。

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痒い所に手が届かない字幕と過度なQTE、世界観にマッチしない日本語フォント

史上でも最高峰のストーリーと言っても過言ではない本作であるが、残念に感じるポイントが多かったのも事実だ。

まず、誰が喋っているのかわかりにくいのは勿体ない。
デフォルトの設定では主要キャラクター以外には「誰のセリフか」が書いておらず、設定を変更する事で話者の名前表示が行えるが、上図左のように複数の一般NPCの場合にはインクリメントされたインデックスが追記されて区別がなされるのみであるため「複数人が同時に喋るとき」には誰がどのセリフを喋っているのか把握しにくくなっている。
また、本作の一般NPCは喋っていても字幕があるケースと無いケースが混在しているため街中などでは余計にわかりにくい状況を生み出している。
一般NPCが進行において重要な内容を喋る事はないためクリティカルな問題では無いのだが、字幕の表示方法や話者の判別方法にももう少しこだわりを見せて欲しかった所だ。

次に気になるのはQTEの頻度と種類の多さだ。
シナリオにおいてことあるごとに要求されるQTEは正直言ってめんどくさい仕様だ。
また、本作のQTEでフラストレーションが溜まりやすい大きな要因として「ボタン連打なのか、ボタン長押しなのかわかりにくい」ことが挙げられる。
例えば上図の真ん中がQTEシーンなのだが、右下にボタン入力の指示が出ているのがわかるだろう。しかし、これを見せられてもボタン連打なのかボタン長押しなのか区別が出来ない。
また、シーンによっては突発的に射撃を要求されるもあり、失敗すると即死亡のような面倒な仕様でもある。
リスタートポイントは細かく設定されているため、すぐに再チャレンジできるようになっているが、筆者としてはカットシーンではカットシーンが観たいのだ。
QTEが差し込まれる事によりカットシーンでは無くQTEに集中してしまうのは本末転倒だ。

日本語フォントのミスマッチも気になる所だ。
これは上図の右を参照して欲しい。
これはショップで銃を購入する際のインターフェースだ。
カタログ形式で銃を選択できる事自体は世界観の雰囲気があり非常に良いポイントではあるのだが、日本語フォントが100歩譲っても世界観に合っていない。
これは日本語フォントでは無く、日本語自体がミスマッチしている可能性もあるが、ここまで世界観表現にこだわっているのであればローカライズ手法としても工夫が欲しかった所だ。

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融通の利かないシナリオはゲームプレイと乖離している

RDR2のストーリーは物語としての完成度は高いものの、ゲーム(インタラクティブ)のストーリーとしては根本的に立ち位置にも問題があるのも事実だ。

本作のストーリーは前作RDRの過去「どのようにしてダッチ率いるギャングが崩壊していったのか」を描いている。
つまり「未来では有り得ない事は起きない」ことが確実な状況だ。
もっと簡単に書けば「前作RDRで登場した人物はシナリオ中に死ぬことは無い」し、その逆もまた然りだ。
そのため、メインシナリオではとにかく融通が利かない(そもそも正当な理由など無くてもRockstar Gamesのゲームは融通が利かない事が多い)。
「○○が死んでしまった」はまだ理解できるが、「△△に隠れなかった」「××から離れてしまった」など(ほとんどどうでも良いような理由)で簡単に失敗扱いにされる。
正規で無い順路ではクリアする事が出来ないようになっている構成は、オープンワールドを採用している意味を喪失している。
例えば「○○が死んでしまった」ならば死んでしまったものとしてストーリーが進んでも良いハズだ。
しかし、過去を描くと言う選択は何も手を加えなければリニアなシナリオにならざるを得ない。
あるいはリニアなゲームプレイを選択した事が過去の物語を描くと言う手法に繋がったのかも知れない。

ここまでリニアにするのであればカットシーン等で強制的にそのような状況にして欲しかったようにも思う。
例えば「△△に隠れなかった」と言うのはメインシナリオのとある銃撃戦の際に発生したものなのだが、その銃撃戦の状況的にはかなり有利に感じており筆者は隠れる必要性を全く感じなかったのだ。そのため、そのまま銃撃戦を維持していたのだが、隠れずにいると半ば強制的な死亡になってしまう。
必要性を感じないにも関わらず隠れなかっただけで死亡するシーンを作り出すくらいならば、そのシーンに突入した際にカットシーンが差し込まれアーサーが強制的に規定の場所に隠れると言った方法でも良かったと思うのだ。

主人公アーサーの立ち位置もかなり曖昧だ。
ゲームプレイとしての主人公アーサーはほとんど無個性であるためプレイヤー≒アーサーと言っても過言ではないが、本作のリニアなシナリオの中のアーサーはとたんに自身の個性を発揮し始めてしまう(プレイヤーの知らない過去の話や人間関係など)。
そのため本作が「プレイヤーに西部劇を体験」して欲しいのか、「プレイヤーにアーサーの追体験」をして欲しいのかがイマイチ見えてこない。
もしも本作のオープンワールドとしての側面を前者である「西部劇ライフシム」のような形で捉えた場合には、極論として本作のようなリニアなメインシナリオならば(品質は高いとしても)メインシナリオ自体が不要では無いかとも思える。

 

エピローグ

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エピローグ

ここでは重大なネタバレを含む記載があるため注意願いたい。

本作のその後を描いている前作RDRでは登場しないアーサーの最後は想像しやすいだろう。エピローグではプレイヤーが操作するキャラクターがアーサーからジョンへと切り替わる。
エピローグであるジョンの物語も本編同様に非常に濃密であり、本編中では実質的に行く事が困難であった地域にも行けるようになる。
エピローグシナリオも楽しめる要素がふんだんに用意されているのは嬉しい限りだ。

このようなブログに書いたとしても”後だしジャンケン”のように思われるかも知れないが、この展開は筆者の予想通りだった。
RDR2の主人公アーサーとRDRの主人公ジョンを綺麗に繋ぐ方法がこれ以外に思い付かなかったからだ。
物語の中盤にはアーサーが不穏な咳をするようになり「あ。やっぱり死ぬのかな。」と思わせたが、確信したのは物語終盤で病気によりアーサーの顔色が青ざめていったためだ。流石にエンディング後の世界を真っ青な顔色のアーサーが練り歩くとは考えにくいだろう。

「筆者の予想通り」と記載したが正確には異なる。
筆者が予想したのは「RDR2はRDRのリメイクが内包されている」だ。
そうすることでRDR2のゲームプレイで起こした事件や生き残った人物などの状況によって、内包されたリメイクRDRのシナリオに動的な変化を与えられる訳だ。
前述した「○○が死んでしまった」などの融通の利かないリニアな作りを脱する事も可能だろうし、むしろそうでなければRDR2のシナリオは大筋でユーザーの想像通りの道を歩むしか無い。
そこまで制作するのは非常に困難な道のりだろう。
しかし、Rockstar Gamesならばそこまでやってくれるのではと言う期待も僅かにあったし、何よりもそうしなければ予定調和とも言える「過去を描く」と言う手法のシナリオに驚きを与える事は出来ないと考えていた。 
結果としては予定調和的なシナリオでしか無かった訳なのだが。

 

システム

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劣悪な操作系

本作の操作系は近年稀にみるほどに劣悪だ。

パッド(コントローラー)のありとあらゆるボタンを押す事になるし、1つのボタンであっても長押しや連打によって使い分ける事はもちろん、複数ボタンの同時押しも必要とされる。
機能性が全く無いのだ。
そのうえ、同一のボタンに複数の機能を乗せてしまっているため誤操作も多い。
狩った動物を持ち上げようとしてジャンプをしてしまうのは平常運転で、最も酷い時には馬に乗ろうとして近くにいたオジさんを恐喝してしまう事もあった。
自分が行いたい操作とは異なる動作により発生したデメリットは言いようの無い理不尽さがあり大きなフラストレーションに繋がる。
RDR2は史上最高峰のディティールのゲームでリアリティ満点だが、この劣悪な操作系はナチュラルさの欠片も無く不自然でゲームに集中するどころではない。

また、ゲームの進行テンポが遅すぎるのも問題だ。
馬から降りた際に馬の積み荷から銃を取り出す必要があるのもテンポが悪い。
狩った際に動物を規定の向きに変えてから捌き始めるのもテンポが悪い。
焚火の前で食料やアイテムを作成するのもいちいちモーションが入るし、何よりも1回につき1つしか作成できないのもテンポが悪い。
また、地味ながらモーションの切り替わり時などにボタン入力するなど、タイミングが早すぎるとGUIでは反応しているにも関わらず実際には動作しない事もあり、これもテンポを落としている。
何をするにしてもとにかくテンポが悪く時間を使わざるを得ないのだ。
「テンポを犠牲にしてリアリティを得ている」のであれば(古臭い手法ではあるが)まだ褒める事はできるが、先ほど挙げた例に関してはどれも「リアリティを向上させている」と言うには苦しいものがある。

良くも悪くもついつい時間を忘れて没頭してしまう事を「時間泥棒」などと表現する事はあるが、本作の場合は複雑すぎる操作系と遅すぎるテンポによって時間を長く使う事を強要されている。
言うなれば「時間強盗」だ。

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存在感が無いファストトラベル

ファストトラベルはほとんど存在感が無い。

いつでもどこでもアクセスできる訳では無く、上図のように特定のポイントにある地図を参照するか、あるいは街にある電車を利用する事で移動を短縮できる。

実際に使用した場合にはファストトラベルの所要時間はSSD未換装の通常のPS4で1分40秒程度と近年の標準と思われる20~40秒からは大きく劣る。
読み込む必要があるデータ量が多いのは理解できるのだが、この仕様と所要時間ではハッキリ言って使う機会はほとんど無いだろう。

目的地への移動は基本的に馬を使用する事になるが、フィールド上には特別な何かがある事は稀であり、後述のランダムクエストが発生する程度だと思った方が良いだろう。
まったりと映像と雰囲気を楽しみながらプレイを楽しみたいユーザーにはたまらないが、ゲームをプレイしたいユーザーには少々退屈かも知れない。

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充実したランダムイベント

街中や道中で発生するランダム生成されたクエストは充実しており面白い。

NPCを助けてあげたり、あるいはいきなり襲撃される事もある。
助けてあげたNPCはケースによっては街まで送る事もあり、その際には雑談が行われるのだが、それらも話としてしっかりしており面白い。
また、以前に助けた事のあるNPCが店での買い物を肩代わりしてくれる事もあれば、再び同じ災難に合っている事もある。
最初に出合った土地とは距離的に遠い土地で出会うと流石に違和感を覚えるが、それでもプレイヤーを覚えてくれているのは嬉しい事だ。

多くプレイしているとパターンが掴めてくる所はあるとは言え、それでも非常に良くできており筆者としてはランダムクエストを更に充実させて欲しかったと思うばかりだ。

 

デッドアイ

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西部劇のガンマンを演出するデッドアイ

デッドアイは非常に強力なスキルだ。

デッドアイを発動させると時間の流れが遅くなり敵を狙いやすくなるだけでなく、装填されている銃弾の数だけマーカーを付ける事も可能で、マーカーを付けた状態で発砲するとほとんど100%の精度で撃ち抜くことができる。
また、デッドアイ中は耐久能力も向上するため銃撃戦では積極的に使用したいものだ。
リアリティの欠ける要素ではあるのだが、筆者としては「現実のガンマン」と言うよりも「西部劇映画のガンマン」と感じられ非常に好印象だ。

デッドアイに限った事では無いが、筆者としてはやはり純粋なアナログスティックによるエイムはどうにもやりにくく、ジャイロセンサーや加速度センサーを使用したエイムが恋しく感じた。

 

生活

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様々な生活を楽しめる

RDR2では銃撃戦以外にも様々な形での生活を楽しめる。
時には狩猟を行い、狩った肉を焼き、魚を釣り、ポーカーなどの賭け事をしたり、風呂に入ってサッパリできる。

狩猟や釣りの操作系は変わらず面倒なのだが、どれもやり応えは抜群でちょっとしたミニゲーム感覚で楽しむ事が出来るだろう。

ただし、狩猟動物のAIは総じて他要素と比較すると完成度は高くないのは残念だ。
フィールドに存在する動物の種類は非常に豊かであるものの、特に狼や豹などの肉食動物はプレイヤーを見つけたとたんに襲い掛かってくるというゲーム的な側面が強いデザインがされているなど、他の要素と比較してしまうとリアリティが欠けているのだ。
ここまでのこだわりを見せるのであれば、動物の挙動に関してももう一歩踏み込んだ描写をしていて欲しかった。

 

グラフィック

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圧倒的なディティー

RDR2においてグラフィックのディティールは正に圧倒的だ。

木漏れ日やフォグ表現は繊細で、遠方に映る丘や山々は非常に美しい。
オープンワールドを採用したゲームでこれほどのディティールを持ったタイトルは過去にない次元だろう。
ゲーム中では三人称視点と一人称視点の切り替えが可能だが、一人称視点であってもテクスチャの粗さや木々の葉っぱ等の品質は全く落ちていない。

しかし、処理負荷が高いタイミングだったのか時より水の飛沫や雨と言ったエフェクトがバグかと疑うほどに粗くなる事があったが発生頻度は低く全体の品質から考えれば些細な問題だろう。

 

サウンド

音楽に関しては近年のオープンワールドの傾向と同様であり印象に残るものは余り無いが、西部劇的なBGMが挿入されるメインシナリオの一部の銃撃戦はテンションが上がること間違い無しだ。
また、同様にメインシナリオの一部で流れるカントリーミュージックも素晴らしい。

 

ボイス

音声面で最も特筆するべきなのは演技だ。

シナリオで聴かせてくれる迫真の演技に関しても史上最高峰であると感じる。
本作のシナリオは西部劇映画のような内容でストーリーやセリフ自体が単純に良いのは間違いないが、それに加えて演者の演技が抜群であるために良さが数倍に跳ね上がっているように感じる。

また、通常のゲームプレイ時においてもボイスのこだわりを見せる。
主人公(プレイヤー)はNPCに対しての呼び掛けが可能なのだが、それに関しても「NPCの性別や年齢などによるセリフの変化」や「主人公とNPCの距離によって複数パターンのセリフ」が存在するなど芸が細かい。
NPCに関しても、そのキャラクターの出身地に応じてスペイン語や中国語を喋る事もあるなど丁寧だ。

しかし、唯一残念に感じたポイントとして移動中に使用する事が多いであろう(Rockstar Gamesお馴染みの)シネマティックモードはカメラと喋っているキャラクターとの距離によってボイス音量が変化してしまう事だ。
例えば、セリフの途中でカメラ位置が変わるとボリュームが上がったり下がったりするため、撮影失敗した映画を観ているような気分になってしまう。
最低限、セリフが終わるまではカメラ位置がキープされるか、ボイス音量がカメラ位置に依存しないようにするなどして欲しかった所だ。

 

総評

Red Dead Redemption 2は強い光と強い影を併せ持った作品だ。

映像や物語・演技のディティールは間違いなく他の追随を許さないレベルだが、劣悪な操作系と悪すぎるテンポも間違いなく他の追随を許していない。
”リアリティ(説得力)”を操作系・テンポを犠牲にして作り出す手法は余りにも古臭く愚直だ。
仕舞にはテンポが悪いにも関わらず、リアリティからかけ離れているケースもあるなど明らかに残念なポイントすらある。

フォトリアルとゲームプレイは親和性が低い所が多い。
フォトリアルなゲームにおいては「どの部分をリアルに魅せ、どの部分で違和感のない快適さを提供するか」と言う”最適バランス”を問われる。
本作はその最適バランスの欠如によって生まれた強烈な光と影を持つモンスターなのだ。

 

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