【レビュー】妖怪ウォッチ4 ぼくらは同じ空を見上げている

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ぼくらは同じ空を見上げている

筆者が妖怪ウォッチ4に興味を持ったのはゲームプレイが一新されたと言うポイントが大きい。
それまでのシリーズは良くも悪くも「古典的なRPG」の印象があり、わざわざプレイしようと言う気になれなかったのが正直な所だった。
そこがグラフィックはもちろん、システム面も大幅にテコ入れされ変化した姿を見てプレイしてみようと思った訳だ。

筆者は今まで妖怪ウォッチシリーズに全く手を出してこなかった。
ゲームはもちろんだが、アニメに関しても話題になっているのは知っていたが実際に見た事は無い。
そのため、今回のレビューに関しては「シリーズ初心者がプレイした場合にどう感じるのか」が強く反映されているのではないかと思う。

 

妖怪ウォッチ4 ぼくらは同じ空を見上げている

 

 

ストーリー

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妖怪ウォッチシリーズのオールスター

妖怪ウォッチ4はシリーズの集大成・オールスターともいえる内容だ。
ゲームに登場した主人公はもちろん、アニメや劇場版で主人公であったキャラクターも登場する。
歴代シリーズを知っている人であれば嬉しい要素となるだろう。
また、例え筆者のようにシリーズを全く知らなかったとしても「いきなり知らない過去の事件の話をされる」ような置いてけぼりを喰らう事は無いため、徐々にではあるがしっかりと世界観を認識できるようになっている。

筆者はシリーズに疎いが、メインストーリーはどうやら「シャドウサイド」および「FOREVER FRIENDS」を主軸に編纂したような内容となっているもののようだ。
もちろん、これらを知らなくても全く問題なく楽しむ事ができる。
ストーリーは章形式で展開していき、メインクエストをクリアする事で次の章へと進行するスタイルとなっている。
章のラストとなるクエストを除いて、大半のクエストでは基本的に数多く登場する妖怪の紹介をするための役割である事がほとんどだ。
そのため、クエストの中には章あるいはストーリー全体の内容とはリンクしていないようなケースも存在している。

妖怪ウォッチでは「妖怪」が登場する事になるのだが、その妖怪は必ずしも古来から知られている「猫又」や「雪女」と言ったものが登場する訳では無い。
「ヒキコウモリ」など近年の時世に乗っ取ったユニークな妖怪も多数出現する。
もちろんこれらは「ただのダジャレだ」と言ってしまう事も出来るのだが、妖怪が必ずしも古来のものしか存在しないのは不自然とも言えるだろう。
古来の妖怪には古来の時世の中で誕生した理由があるのだ。
そうであれば現代の時世を反映した「引きこもり」という認識・概念が妖怪として表現される事は古来の妖怪の出自と何ら違いは無いのである。
このように人の認識が妖怪となったりするのは、日本の”つくも神”のような発想が根幹と言えるだろう。

ストーリーは群像劇のようになっており、現代、未来、過去を渡り歩いて問題を解決していく事になる。
トゥーン調のグラフィックも相俟ってアニメのような感覚で楽しむ事ができ、フィールド上にいる人物には話しかけるキャラクターや天候が変わる事でセリフが変更される場合もありこだわりが強く感じられる。話しかけた人にはマーキングされるため、聴いていないセリフがある場合にはマップから簡単に把握できるのも地味に嬉しい所だろう。
また、ネタバレになるため多くは記載しないが、本作のラスボスは「クトゥルフ」を思わせる設定が特徴的だ。

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丁寧さがもう1歩だけ足りていない

ストーリーでは大きなマイナスでは無いが、もう1歩良ければと感じるポイントが存在する。

前述の通りストーリーは群像劇のような形式で進んでいくのだが、未来編(シャドウサイド)と過去編(FOREVER FRIENDS)の話が中心になっているため、どうしても現代編のケータやフミと言ったキャラクターの影が薄いと感じざるを得ない。
折角の現代・未来・過去の夢の共演であれば、もう少し現代パートもストーリーに絡めるようにして欲しかった所だ。

キャラクターのリアクションも好みが分かれる所だろう。
本作のキャラクターのリアクションは古風なアニメのようなオーバーリアクションである事が多い。
特に序盤ではオーバーリアクションをオーバーリアクションで返すようなオーバーリアクションの応酬で、くどいようにも感じる事がある。
もう少しメリハリを付けても良かったのではないかと思える。
中盤頃からは少し落ち着いて来るが、序盤のノリは好みが分かれるように感じる所だ。

移動中などに画面左上でテキストのみの会話が行われるケースもあるのだが、これは少し不親切だ。
会話が行われるのは移動中などであるためテキストを読んでいる余裕が無いし、立ち止まってテキストを読んでいるようでは移動中に表示される意味が無く本末転倒だ。
本作では一応、移動をオートにする事が出来るのだが、その機能にしても常に使用したい訳でない。
ここはやはりボイスによってセリフを喋って聴かせて欲しかった所だろう。

フィールドの道端にはアイテムが落ちているのだが、「フランスパン」や「干物」と言ったものまで当たり前のように落ちているのは余りにも古風と言わざるを得ない。
「なんでパンが道に落ちてるねん」などのツッコミ待ちなのだろうが、筆者も思わず十数年くらいタイムスリップでもしたかのように感じる設計だ。
この辺りはあくまでも「ゲーム」あるいは「ギャグ」であり、「世界観」を重視し過ぎていないと言う考えなのだろう。

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サブクエストも悪くない

本作ではメインストーリーとは関係の無いサブクエストに該当するものも存在する。
これらのクエストも基本的には特定の妖怪をフィーチャーしたものとなっており、クリアするまでのシーケンスはメインクエストと同様だ。
中には「ゲゲゲの鬼太郎」とコラボしたクエストも用意されている。

ネタバレとなるため多くは語らないが、筆者が特に気に入ったサブクエストは上図の左の洞潔のクエストだ。
エスト進行の演出も素晴らしく、非常に完成度の高いクエストだと言える。
もしも本作をプレイするのであれば是非とも、このクエストをクリアしてみて頂きたい。

 

システム

妖怪ウォッチ4におけるシステム面に関する内容を記載する。

 

バトル

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こだわり満載のバトルパート

妖怪ウォッチ4のバトルシステムはこだわりが満載だ。

バトル中にはケータを始めとした人間を操作する事はもちろん、ジバニャンなどの仲間にする事ができる妖怪は全て操作できるのは素晴らしいポイントだ。
人間キャラクターは6人、妖怪は約100体ほど存在している。
妖怪の総数は過去作と比較すると大きく減っているためシリーズファンには悲しいポイントかも知れないが、登場する妖怪に関しては全て直感的なアクションRPG的操作をする事が出来るようになっており何にも代えがたい喜びだろう。
なお、戦闘中以外では任意の人間キャラクターを操作し、好きな妖怪を一緒に連れて歩ける点も嬉しい要素だ。

妖怪には「ロール」のような概念が存在しており、アタッカー、ヒーラー、タンク、シューターに分類される。
また、「性格」が8種類存在しており、妖怪の性格によって行動パターンに違いが出て来るようだ。
妖怪それぞれに役割があったり、性格が設定されていたりと一人一人に個性を感じさせてくれるのは凄く嬉しいポイントではある。
とは言えゲームプレイ中のその役割はやや曖昧に感じた。
特に気になるのは「AIがロールに沿った行動を行ってくれていない」ように感じる点だろう。
(筆者の体感ではあるが)特にAIにヒーラーキャラクターをお願いしても基本的にお構いなしに最前線で敵を殴りに行ってしまうし、タンクも積極的にヘイトを奪うように行動しているとは感じにくい。
性格によって行動パターンに違いが出るとの事なので性格によってはロールにマッチした行動をしてくれるのかも知れないが、プレイした限りでは「全員アタッカーかな?」と感じる立ち回りをしている場面の方が多く思えた。
そのため、筆者は妖怪のロールを考えて編成するよりも、自身が回復役に徹してサポートする立ち回りをした方が安定した戦いができるように感じる事が多かったのだ。
また、戦闘中は操作するキャラクターを自由に切り替える事が可能であるため、「体力が減っていればヒーラーに操作変更」「ヘイトがヒーラーに向かっていればタンクに操作変更」など状況に応じて操作キャラクターを変えるのも良いかも知れないが、それすなわち「全ロールを一人で請け負う」ことに他ならないため手元が忙しいプレイにはなるだろう。

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関係性が相反した「通常攻撃」「スキル」「YP」

バトルはこだわりを魅せるが、そのシステムの各要素の関係性はシナジーが生まれているとは言えない。

人間や妖怪は妖気パワー(YP)を消費して通常攻撃やスキルを発動する事になる。
スキルは攻撃や補助、回復などが存在しており、一度使用するとチャージが完了するまでは再使用する事が出来ないし、チャージが完了したとしてもYPが足りなければ使用する事が出来ないのだ。
YPの回復手段は人間と妖怪で異なる。
妖怪はYPが時間と共に回復する(そのためか妖怪は通常攻撃ではYP消費無し)。
人間の場合には上図のように敵から妖気を吸い取らなければYPは回復しない。
つまり「通常攻撃」と「スキル」と「YP」は同質の競合した性質になってしまっているのだ。
これを3つに分解して詳細に説明していこう。

【その1.攻撃中はYPが回復できず、YP回復中は攻撃ができない】
これは人間キャラクターのみの話となる。
上図のようにYPを吸い取っている最中には攻撃やスキル発動と言った行動は当然ながら行えない。
つまり、「攻撃 / スキル行動」と「YP回復行動」は「片方を実行すると、もう片方は行えない」という競合した性質の行動と言えるだろう。
そのため、戦闘中は「攻撃 / スキル⇒YP回復⇒攻撃 / スキル⇒…」と言った一連のサイクルにならざるを得ずゲームプレイ(バトル)が間延びしてしまうのだ。
このような競合した性質を持たせる場合には「攻撃できないリスクを冒して、YPを回復する」と言う「リスクとリターン(かけ引き)」の構造を作るべきだったように思う。
例えば、「YPは攻撃やスキル発動とは全く異なる性質の行動に使用する」などの使い方の工夫によって輝いたように思える。

【その2.通常攻撃と攻撃用スキルでは役割が被っている。】
こちらは攻撃系スキルのみの話となるが、これはわかりやすいポイントだろう。
通常攻撃も攻撃用スキルも共にYPを消費するにも関わらず、全く同じ事をしてしまっているのだ。
「スキルの方が強い」「スキルの方が当てやすい」「スキルにはダメージ+追加効果がある」などの差別化はあるが、それは正確には差別化では無く「通常攻撃の上位互換」だ。
これでは通常攻撃の存在意義を自らの手で無くしてしまっている。
妖怪であれば通常攻撃でYPを消費する事は無いが、それならば更に通常攻撃の価値が下がると言って良いだろう(スキル発動の”つなぎ”でしかないと言うこと)。
このような同質の関係の要素を盛り込むのは余り良いとは言えない。
スキルはあくまでも「通常攻撃では得られないリターン」を得るべきであり、通常攻撃もまた「スキルには無いメリット」があるべきだろう。

【その3.YPとスキルのチャージでは役割が被っている。】
これも想像しやすいポイントと言える。
スキルはYPが足りなければ発動できないが、それだけでなく再発動までのチャージ時間が経過していなくても発動できない。
どちらも「スキルを発動するための条件」であると言う役割が被ってしまっているのだ。
YPさえあればガンガン発動できる or チャージ時間完了まで再発動不可の片方で十分だったように思えてならない。
または根本的に「通常攻撃する事でYPがチャージされ、スキルが発動可能となる」といった共生関係・依存関係の構図に変更することで、プレイヤーの行動に無駄が生まれにくいエレガントな設計であったように思える。
共生関係・依存関係の構図にする事で「その2.」で述べた同質の関係とそれによる問題も解消されるため一石二鳥とも言えるだろう。

以上の3点を述べたが、もちろんこれらはあくまでも筆者の考えであり、ここで述べた筆者の提案を入れ込んでも楽しさが向上する保証は無いし、入れ込もうとすれば世界観にマッチするような説得力ある設定を新たに捻り出さなければならないと言う問題もある。
しかし、このようにバトル全体へのこだわりは感じられるものの、既存の世界設定にゲームシステムが引っ張られ過ぎているのか、要素1つ1つの関係性はややグチャグチャしているのだ。
良く言えば「易しく、おおらか」な作りだが、悪く言えば「用意してあるだけでシナジーが無く、やや雑」だと言えるだろう。

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人間や妖怪は強化ができる

本作では人間キャラクターや妖怪を個別に強化する事が可能だ。

人間キャラクターはそれぞれに攻撃が得意であったり、補助が得意であったり、回復が得意であったりと特性が異なる。
この人間キャラクター達はパーク的なスキルツリーの取得によってバトル中に使用できる新たなスキルや能力値の向上などを行う事が可能だ。
自分好みの強化を行っていったり、キャラクター性に合った強化を行うと良いだろう。

妖怪に関しても個別に強化が可能となっている。
アイテムを消費する必要があるが、HPや攻撃力などを一定量まで上昇させる事ができる。
妖怪は人間キャラクターと異なり「ランク」が存在しており、ランクの高い強力な妖怪の方が基本的には強いのだが、この強化を行う事によって自分の好きな妖怪も活躍可能な能力値にする事も無理ではない。
もちろん、高ランク妖怪を強化すればもっと強くなるが、必要なアイテムが異なるため簡単に強化できると言う訳では無い作りだ。

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妖怪の魂を使用して妖怪をスカウト

予め記載しておくが、「魂」は『こん』であり『たま』と読んではいけない。いいね?

魂とは妖怪を倒した際に確率で入手可能なアイテムだと思って貰えば良いだろう。
魂には「白魂」「赤魂」「金魂」が存在しており、これらを使用する事によって妖怪を仲間にしていく事ができるシステムとなっている。

また、これらのアイテムから前述した妖怪の強化や装備品の作成・強化ができるため、妖怪を仲間にした後であっても使用用途は多い。
しかし、装備品の作成と強化は実行する毎にアニメーションのカットインが差し込まれるためテンポが良くないのは少々気になるポイントだ。
人間キャラクターや妖怪全員分を作成しようと思うとかなり邪魔に思える仕様となっている。

 

探索

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フィールドには妖怪がはびこっている事も

フィールドには妖怪がはびこっている場合がある。
妖怪を探知して探すと隠れている妖怪を発見できるのだ。
発見した妖怪はアイテムをくれたり、バトルになったりする。
そう。妖怪は常に人々の周囲にいる事をゲームプレイ中のストーリーテリングとして伝えているのだ。

フィールドには昼や夜と言った時間の概念も存在しており、ベッドやベンチで休憩する事で好きな時間帯に変更する事も可能となっている。
昼夜は見た目やBGMこそ変化が伴うものの、ゲームプレイとしては大きな変化は無いものとなっている。
とは言え、真夜中に出歩いているのは「少しイケナイことをしている感」を出す良い演出だ。

ストーリーの項で前述しているがフィールド上にはアイテムが落ちている。
ポップする場所は決まっているが、落ちているアイテム自体はランダムのようだ。
回復アイテムである事が多いため、ありがたく頂いておこう。

こちらもストーリーの項で少しだけ触れているが、本作では目的地にオートで走行してくれるシステムが存在する。
エストに目的地が存在していれば、十字キーの上を押す事でオートでそこまで走ってくれるのだ。
非常に便利ではあるが、稀にオブジェクトや地形に引っ掛かる事もあるため慢心はいけない。

フィールドの探索中に気になるポイントがあるとすれば、ダッシュとジャンプが同じボタンで長押しか単押しの違いしか無い所だろう。
ジャンプしないといけない場所などはほとんど存在しないため、マイナスな要素とまではならないが少々不便に思えるかも知れない。

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ファストトラベルは存在するが、利便性は良くない

本作ではファストトラベルのようなシステムが用意されているが、その使い勝手はレガシーだ。

まず、不便なのはファストトラベルのシステムはシナリオが進んでから解禁されるため、特定のポイントをファストトラベル可能な状態にするには既に歩き回ったフィールドを再び訪問して該当するポイントに行かなくてはいけない事だろう。
わざわざ感が強く面倒に思える。

また、ファストトラベルはいつでもどこでも出来るのではなく、できるポイントまで行く事でファストトラベルが可能になる。これはかなり古臭いシステムだ。
マップが今いるフィールドしか表示されない事もファストトラベルの使い勝手を落としている。

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ミツマタマーク探し」や「トレジャー写真」と言ったやり込み要素

やり込み要素の側面が強い「ミツマタマーク探し」「トレジャー写真」と言った探索要素も存在する。

ミツマタマーク探し」は見つける際にはある程度の場所がわかるテキストのヒントが用意されており、それを基にしてマークを探す事になる。
しかし、中には「地面にある丸いもの」など丸いものが何かはピンと来ても場所が具体的に特定できないフワフワし過ぎているものがあるのは気になる所だ。
このような場合、結局はフィールドをブルートフォースアタック的に調べる必要が出てきてしまい面倒と言わざるを得ない。

「トレジャー写真」は「ミツマタマーク探し」と似ているが、テキストのヒントでは無く絵や写真を手掛かりに隠されたアイテムを見つけるものだ。
視覚的なヒントであるため、こちらの方がより素直な内容と言えるだろう。
 

グラフィック

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最高に魅力的な日本の街並み

様々なこだわりが感じられる妖怪ウォッチ4だが、その中でも筆者が最も素晴らしいと感じたものがあるとすれば、それはフィールドだろう。
フィールドは大きく分類して現代、未来、過去、妖魔界が存在しているが、特に人間たちの暮らしている現代や未来、過去のロケーションは素晴らしいの一言だ。
現代や未来ではモダンな街並み、過去では昭和の雰囲気が漂う古い街並みが再現されており、どこか特定の土地では無いが非常に日本的な都市が再現されている。
他作品の話で恐縮だが、筆者は現代的な建物が並ぶフィールドをキャラクターが歩く様子にカスタムロボロックマンエグゼと言った作品をふと思い出し懐かしくも思えた。

フィールドはエリアで区切られており、エリアは広すぎず狭すぎずといった所だろう。
未来編のフィールドが最も充実しているため見応えがあり、現代や過去でも同程度のエリアが用意されていると嬉しかったのが正直な所だ。

また、本作では時間帯によって景色も変わってくる。
特に現代や未来における夕焼けの郷愁感は素晴らしい完成度だ。
本作の映像では被写界深度表現により遠近感が表現されているが、更に熱による光の屈折から生じるボヤケ感もあり「夏の暑さ」も感じさせてくれる演出もしているように見える。

気になるポイントがあるとすれば、カメラのズームイン/アウトが欲しかったと言う点だろう。もっと自由なカメラ操作ができれば更にスクリーンショットが捗るだけに残念だ。
しかし、全体的なモデリングやテクスチャー…特に建物などは若干甘く感じられるためズームイン/アウトを行うと粗が目立ってしまうかも知れない。

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アニメーション・リアクションもこだわりが強い

本作ではキャラクターのアニメーションやリアクションの各種モーションが個別に用意されており、こちらもこだわりが感じられる。
歩行、走行、待機モーションなどはもちろんだが、滑り台など細かなポイントでも個別のモーションが用意されている。
ゲームプレイ自体には影響しない地味な要素とも言えるが、キャラクターが世界に存在している感を強くする事ができる重要な要素だ。

走行中に反転するとスライディングのようなモーションが発生する。
進行方向が傾斜であった場合には傾斜方向に顔が向く(上り坂なら上向き気味に、逆も然り)。
室内では(専用モーションは無いが)玄関で靴を履いたり脱いだりするうえ、地味ながら玄関から室内に入った位置によって脱いだ靴が置かれるポイントが変わる。
これらは非常に細かいポイントながらこだわっているのがハッキリと伝わるものとなっている。

他にも天候でキャラクターの恰好が変更されたりもする。
プレイヤーキャラクターに関しては自転車に乗る都合からかレインコートを着用する。
その他のNPCの人間キャラクターは傘を差し、雨天用のセリフに変更される。

 

サウンド

BGMはメロディが強く、耳に残る良い曲と言って良いだろう。
また、一部フィールドではエリア毎にアレンジが変更された曲が使用され、エリア切り替わり時に極力自然にBGMが切り替わるようなインタラクティブミュージック的な使われ方がされているなど聴いてきて思わず嬉しくなるポイントだ。
筆者のお気に入りの曲は

アレンジ違いでシームレスな切り替わりが行われるフィールド曲「龍見川端」「さくらぎヒルズ」

昭和を思わせるメロディ「さくら元町」

妖怪感の強いやや古めのメロディが印象的な「vs ドタバタ妖怪」

展開と共に非常にカッコいい「最終決戦」

これらの作中のBGMは物語が進むとゲーム内アプリと言う形で曲が聴けるようになるので非常にありがたい。

本作における演技は抑揚が強めである事も特徴だろう。
特に現代編のキャラクターは抑揚が強めであり、未来編のキャラクターはターゲット層を比較的高くしているように思われ抑揚が抑え気味となっている。

 

総評

妖怪ウォッチ4は様々なこだわりが感じられる一作だ。

シリーズのオールスターであり集大成とも言えるストーリー。
人間も妖怪も操作できるゲームプレイ。
ノスタルジーが感じられる日本の街並みを再現したフィールド。
穏やかなフィールド曲や妖怪感溢れる曲などBGMも悪くない。

影の薄い現代編やバランスが歪なバトルは勿体ないように思えるが、足を引っ張る大きなマイナスだとは思えない。
シリーズを知っているプレイヤーの方が楽しめる事は間違いないが、シリーズ初心者でも問題なく楽しむ事ができるようになっている。

 

外部記事

フル3DのアクションRPGに進化した『妖怪ウォッチ4』開発者インタビュー - YouTube